成長を感じる夜

　超が3つぐらい付く甘えん坊の娘は、未だに1人で寝ることができません。必ず寝かしつけ要員を引き連れて寝室に行くのです。大抵は夫がその役をするのですが、ここ1週間はちょっと訳ありで私が交代しています。

　この寝かしつけ、夫は娘がしっかり寝るまで何時まででも付き合って寝室にいます。しかし、私は違います。『ママが寝室に一緒にいるのは10時まで』と娘に宣言し、『それまでに眠ってしまいたかったら、早く寝る努力をしなさい』と言います。そうすることで、娘がダラダラと夜いつまでも起きてることを防ぐこともできます。

　しかし、10時に眠ってしまうということができない時もあります。昨夜がそうでした。

　娘はそういう時はいつも、『じゃあパパを呼んできて』と私にお願いします。夫は自営業なので、あまり公私の区別はついておらず、家にいようが時間があるときは仕事をしています。なので、大体は娘に負けて、一応夫に娘が呼んでいることを伝えますが、夫も忙しかろうと思い、時にはもうパパは呼ばないと娘をたしなめ、娘を置いて一人寝室から出ていく時もあります。

　昨夜、10時までに寝付けなかった娘に、

　『もう10時になったから、ママもママの時間があるからもう行くね。パパも忙しいからもパパは呼ばないよ』

と言いました。

　すると、いつもぐずぐずと言う娘が、昨日は何と

『うんわかった。おやすみママ』と、とっても素直なのです。ほほう起きてても一人で平気になったかーと驚きもし、嬉しくもなりました。

　寝室を出たあと夫に報告しました。夫も夜の時間もを自分のための時間として有効に使えるだろうから、さぞ喜ぶと思っていました。

　ところがです。夫はあたふたしているのです。

　「🌕🌕寂しがってなかったパパ来てって言わなかったの」

　そうなのよー。言わなかったのよ。成長したでしょ

　「そこは成長なんかしなくて良いのぉー

　ずっとパパパパって、言って欲しいの」

　ええええそんなこと本気で思ってるのぉ？

　私はあまりの想定外の夫の反応に、びっくりでした。娘が成長したこと、そして自分のために使える時間が増えたこと、私からどう見ても喜ばしい限りだと思うのです。

　でも。。父親ってこういうものなのでしょうか。いつまでも自分に甘えていてほしいんでしょうか。これが同性の親と異性の親の差なのでしょうか。

　しかし、夫がこういう気持ちでいるからそれが娘にも伝わって、娘は、ちぃとも、いつまでたっても、精神的に大人になれないのではないかなとちょっと心配になりました。

　『じゃあおやすみ～』と、一人でさっさと寝室に行く日が来るのはいつのことでしょうか。

　昨日はとても良いお天気だったので、綺麗な夕焼けが見られるかと、写真を撮ろうと思っていました。でも読書に没頭してる間に、気が付くともう日は沈んでしまっていました。

　またやってしもーた、、と思いながら窓の外を眺めてみると、ちょっと変わった形の雲が浮かんでいました。まるで渡り鳥が連なって飛んでいるように、私には思えました。