親愛なる 宇野千代様
拝啓 地上では粉雪の舞う今日この頃、きっと暖かい天国で千代様は如何お過ごしでしょうか。
以前、テレビでお見かけした時に、一度お手紙をさし上げたことがあったのですが、覚えていらっしゃるでしょうか。 千代様のいくつになっても、可愛らしくまるで少女のように笑いながら、宇野流恋愛論を語るお姿に、衝撃と共感を受けて思わず筆をとってしまいました。
あれからしばらくたったのですが、先日ふと、前向きに生きられないと悩む友人のために、何か本を贈ろうと、書店に赴いたとき、あらかじめ決めていた三島由紀夫氏の「葉隠入門」の上に、千代様の「恋愛作法―愛についての448の断章」という本を見つけました。 手が自然にのび、ぱらぱらとページをめくるにつれ、すっかり引き込まれてしまいました。
こんなことを申し上げますと僭越なのですが、千代様と私の恋愛に対するスタンスはとても近く、奔放でありながらも快活で、物事の明るく楽しい面を捉えるのをよしとし、失恋しても成長の糧だと思い込み… そういう千代様のさまざまな恋愛経験や恋愛に対するご意見には、思わず笑ってしまったり、なるほどな、と納得したりと楽しく拝読させていただきました。 素敵な格言には赤ペンで線を入れさせていただいたのですが、素敵な言葉が多すぎて、本が真っ赤に染まってしまいました。
友人には、「葉隠入門」とともに、こちらの「恋愛作法」も乙女の武士道の名著としてお勧めさせていただきました。千代様の爆発的に前向きな考え方が、友人の心の中にも美しい優しい花を咲かせてくれることでしょう。
又もやぶしつけなお手紙で驚かれたかとは思いますが、笑ってお許しいただければと思います。 千代様のキラキラとした人生を、これからも小説を通して学び、実践してきたいと思っています。
それでは、末筆ではございますが、千代様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具
平成19年12月19日
まるこ
