パルミジャーノ・レッジャーノは、目、耳、鼻、口、手を使ってテイスティングします。

1、まず、一片のパルミジャーノ・レッジャーノを手に取り、表面を見ます。
色のトーン、を確認し、変色、割れ、がないかどうかを見ます。
2、手で半分に割ります。その時に、割れやすさ、硬さ、粒感を観察します。
3、割った所の香りを嗅ぎます。
4、口に入れて、味(塩味、甘味、酸味、苦み、ピリっとする感じ、収斂感)そしてアロマ(口の中にチーズを入れて、息を吐くと、鼻に戻ってくる香り)を感じます。
5、口の中で、噛んだ時の硬さ、どのように砕けていくか、唾液に溶けていく早さ、粒感、粘着感などを感じます。

と簡単に説明しましたが、実際にチーズを手にして、味わってみてください。


スタンダードなパルミジャーノ・レッジャーノの特徴を記しておきます。

まず、16か月熟成物
色:明るい麦藁色、粒感が出始めている

香り:バター、牛乳、ヨーグルト、わずかなフルーツの香り。

味:塩、酸味、甘味がバランスよく取れているが僅かに甘味が多い。

パスタの構成:比較的硬さはあり、砕けやすさも出てきて、少し伸縮性がある。粒感も少々。

24カ月物
色:麦藁色、粒感がある。

香り:乾燥フルーツ、肉のブロード(コンソメスープ)の香りがバターの香りと混じり合っている。

味:塩、酸味、甘味、がバランスよく、ピリっとした感じも出てくる。

パスタの構成:硬く、壊れやすく、唾液によく溶け、粒感があり、舌の上にざらざらしたティロジナと呼ばれる旨味の素が感じられる。

32か月物
色:濃い麦藁色、はっきりとした粒感がある。

香り:複雑に乾燥フルーツ、肉のブロード(コンソメスープ)、スパイス、得にナツメグの香りが混じり合う。

味:甘味が少なくなり、味が濃く、ぴりっとした感じ

パスタの構成:硬く、砕けやすく、口の中で溶けやすい。ティロジナが多く感じられる。

熟成とともに、チーズに含まれる水分、糖分が減り、脂質がアロマに変わり、プロテインがアミノ酸に変わっていきます。それによって風味が変化していきます。

チーズ職人(カザーロ)の毎朝の手腕と自然の生み出すパルミジャーノ・レッジャーノチーズを粉チーズとしてだけではなく、是非口に入れて、味わってください。






パルミジャーノ・レッジャーノの品質の見分けるには、
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この3つの道具を使います。
まず、一番上の金槌で、叩いて、空洞のある音がしないことを確かめます。
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真ん中の針状のもの(ねじのようになっていますから、ここにチーズが絡まってきます。)をさしこんで、香りを見ます。
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最後に写真一番下の細いスコップ状になった道具を入れ、直径5mmくらいのチーズを取りだして、パスタの状況、香り、味を確認します。確認した後、それを元の取りだした部分にはめ込みます。
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そしてまず3つのパルミッジャーノレッジャーノ用のカッターを使って半分に割ります。
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このような状態になります。
今回のテイスティングでは3つのコドゥロ社のチーズ(12か月、24か月、30か月熟成)を鑑定しました。
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上の写真とその前の写真のチーズの切り口を観察してください。
上の写真の切り口は、ナイフで切ったという刃のあたっている部分がはっきりとわかります。それに比べて、その前の写真は割っていて、ナイフの刃があたっている部分が少ないです。

チーズを切るのに重要なのは、なるべくカッターの刃のあたる部分を少なくすること。それによって、パルミジャーノ・レッジャーノにとって大切なチーズの粒感を見ることが出来ます。

今回のテイスティングは3つ共、パルミジャーノ・レッジャーノ協会の焼印のある検査員からOKが出ているパルミジャーノ・レッジャーノなのですが、私たちは欠陥を見つけました。
まず12カ月もの。金槌で叩いたところ、1部でわずかに空洞のある音がしました。
開いてみると、
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このように、パスタに空洞がありました。
味は、やはり僅かですがチーズの醗酵がうまくいってないのを感じます。

24カ月は、素晴らしい出来でした。パルジャーノ・レッジャーノの芳香な香り、割った時の割れ方、味もバランスが取れていました。

30か月は、
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欠陥というにはちょっと厳しいですが、パスタの色を良く見てください。
内側は明るい色、外側がすこしくすんでいます。
これも完璧なパルミジャーノ・レッジャーノとは言えません。

パルミジャーノ・レッジャーノは本当にデリケートで、牛の乳の状態、カザロ(チーズ職人)のその日の体調、熟成期間中の大気の状況などによって変わるものなのですね。
だから、本当に美味しいパルミジャーノ・レッジャーノに出会うと、感動します。

一般的には24カ月物が一番品質にむれの少ない状態だと言われています。30か月以上、87か月とかもありますが、値段も上がり、(保管しなければいけないのですから、、、)美味しいものに出会えないリスクも高くなります。










10月からパルマ近郊特産物を勉強するコースを受けています。
今まで通訳として製造工程を見学したことはあっても、なかなか自分のために写真を撮りながら、メモを取っての見学は出来ませんでした。せっかくなので、ブログでご紹介します。まずはパルミジャーノ・レッジャーノチーズ。(パルメザンとして売られている場合もあります。)でもイタリア国内でパルメザンという名前で販売することは法律で禁じられています。日本ではすりおろしてパスタにかけて食べるのが一般的な食べ方かもしれません。そのままパクパク食べるのも美味しいですよ。
パルミジャーノ・レッジャーノはDOPという原産地保護指定の食品に指定されています。なので、生産地も法律で指定されています。たとえばパルミジャーノ・レッジャーノは、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、そしてマントバのポー川左岸、ボローニャのレノ川右岸で作られるチーズ以外は、パルミジャーノ・レッジャーノと称することはできません。
牛の乳から作られるのですが、牛の食べる飼料も指定されます。

牛乳は、朝絞られた絞りたての乳と前日の夜絞られて、保存され、自然に浮き上がった脂肪を抜いた乳が半々に入れられます。parmigianoreggiano 001
乳がカルダイアと言われる釜に入れられます。
そこに、前日のチーズ作りで出来た乳清と凝固剤(子牛の胃の第4部位から出来た自然粉末のもの)が加えられます。
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そして釜が温められます。温度は、33度から34度。10分から12分温められます。乳が固まり始めるのを見て、スピナトゥーラと呼ばれる凝固し始めた乳を砕く作業が始まります。parmigianoreggiano 010













このクリーマリーでは、ある程度まで機械で混ぜて、最終段階でカザーロ呼ばれる職人がスピ-ノという道具で凝固して行く乳を砕いていきます。
温度が55度から56度まで上がり、砕かれた凝固物が下に溜まります。

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10分~15分間程してカザーロがOKを出すと温度が53度から55度に下げられ、約1時間保たれます。

















下に溜まって出来たチーズを半分にする作業です。ひとつのカルダイアから2つのパルミジャーノ・レッジャーノが出来ます。
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それぞれが布に分けられ、パルミジャーノ・レッジャーノ協会から指定された登録番号の入ったプラスティックの薄板にくるまれ、型に入れられます。parmigianoreggiano 029























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この状態で、2時間ごとに布(ガーゼのように薄いもの)を取り換え、上下を変えながら、8時間程置きます。カゼインで出来たプレートも上から押され、トラッサビリティーが取れるようになっています。








parmigianoreggiano 015この状態で2、3日間保管されます。











その後塩漬けが行われるのですが、これは、塩水のプールに入れられるという感じです。
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塩水に漬けられます。












parmigianoreggiano 03216度~18度の倉庫に保管され、12カ月後、1つ1つ鑑定士によって鑑定され、合格した者のみが、パルミ・レッジャーノとして楕円形の焼印が押されます。






parmigianoreggiano 0333232はこのクリーマリーの登録番号。その下の楕円形の焼印がパルミジャーノ・レッジャーノとしての認証印。NOV05は、2005年11月製造という印です。







こうして出来あがったパルミジャーノ・レッジャーノは市場に出ていきます。
だいたい24カ月から32カ月位のものが多いですが、47か月、76か月なんていうものもあります。熟成期間が長ければ長いほど値段は上がりますが、(貯蔵費用もかかりますから)細かな状況、熟成の状況で、当たり外れがあります。ワインのようなものですね。開けてみなければわかりません。一番当たり外れが少なくて一般的にパルミジャーノ・レッジャーノらしいチーズは24か月熟成のものと言われています。