<シリア>首都で交戦激化 反体制派、政権中枢へ攻勢
毎日新聞?7月16日(月)22時25分配信
【カイロ前田英司】シリアの反体制派組織「地域調整委員会」などによると、首都ダマスカスの複数地区で15日、政府軍と離反兵士団体「自由シリア軍」が激しく交戦した。昨年3月にシリアで民主化闘争が始まって以降、首都では最大規模の戦闘とみられ、反体制派がアサド政権中枢への攻勢に出た模様だ。衝突は16日も続き、政府軍は戦闘車両を首都中心付近まで投入し、鎮圧に乗り出した。
戦闘が起きたのはダマスカス南部のタダムン地区や市中心部に近いクファールスーサ地区、ミダン地区など。周辺には政府関連施設もある。政府軍はダマスカス南郊の空港へ通じる道路などを封鎖して抗戦した。ロイター通信は反体制派メンバーの話として「ダマスカスでは数百人が(政府軍と)戦っている」と伝えた。
13日付の汎(はん)アラブ紙アッシャルク・アルアウサト(電子版)は、自由シリア軍が「首都決戦」の準備を進めていると伝えていた。自由軍トップのアサアド大佐が「作戦遂行を決断できる時期は来た。いったん始まれば数週間で決着はつくだろう」との見通しを示した。ただ、大佐は自由シリア軍が既にダマスカスに展開中かどうかは明言しなかった。
在英の反体制派組織「シリア人権観測所」によると、15日はダマスカスのほか中部ホムスなどで計115人以上が死亡した。
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