さて、今日のトピックです。
ユダヤ教、キリスト教そしてイスラム・・・この3つの宗教の関連性、そして違いはなんでしょう?
基礎知識としては・・・
ユダヤ教・モーセ・十戒
キリスト教・イエス・聖書
イスラム教・ムハマド・コラン
ものすごいシンプルにしてしまいましたが,学校の世界史で習うのはこんなところじゃないでしょうか。
簡単にいうと、この3つの宗教は3姉妹のようなものです。
まず長女のユダヤ教がモーザスをきっかけに広まり、その約1200年後に次女キリスト教がイエス到来によって広まる。そしてその約500年後に末っ子のイスラム教がムハマドによって広まったわけです。ムハマドが生きていたのが今から1400年前だから、そんな昔の話でもないわけです。
共通点。
3姉妹なだけに3つの宗教には共通点が多くあります。まず3つとも唯一の神を信じ、人類の始まりはアダムとイヴからであるとしていること。(リンゴの話は別として)そしてモーセ以前に送りこまれたプロフェット(預言者)をすべて認めている事(例 ノア、ジェイコブ、ジョナ・ソロモン、アブラハムなど警告者を合わせると世界に送り込まれたプロフェットの数は30万人以上とも言われている)。そして天使を認めている事(例 ミカエル、イブリス、ガブリエル、ラファエルなど)。天国と地獄、審判の日を信じている事。などなど・・・
違い。
3つの宗教の違いは簡単、歴史上どこまで預言者を認めているか・・・ということです。つまり、ユダヤ教はイエスを認めていない、キリスト教はムハマドを預言者と認めていない、そしてイスラム教はモーセとイエスを含むすべての預言者を認め、ムハマドを最後の預言者としている。シンプルです。
それではどうして三姉妹の間にはいつももめごとがたえないのでしょうか。
今では気にする人もいなくなったものの、キリスト教徒にとってユダヤ教徒は頭でっかちなせいでイエスを死刑にした張本人なわけで・・・根本的にうまくいくとは思えません。そしてキリスト教があとの姉妹たちと大きく違うところが、イエスを預言者ではなく<神>そのものにしてしまった事です。「唯一の神は人には成りえない-誰かを神呼ばわりするなんて最も犯してはいけない大罪だ」とするユダヤ・イスラム教ではこんなことは前代未聞なわけです・・・まさにアンビリーバボーです。ですからキリスト教の後に来たイスラム教でもイエスはあくまで予言者であり、それ以上でも以下でもなく「人」なわけです。ここのところが食い違っているせいでキリスト教とは話が合いません・・・。でも3姉妹とも、違いはあるけど姉妹は姉妹・・・同じ神を信じる者どうし支えあっていくべきなのです。誰が正しいとか誰が天国に行って誰が地獄に落ちるかとか・・・そんな事は神に任せておけばいいんです、今争っても仕方ないんだから。・・・私情ですが 笑
断っておきますが、別にこの3つの宗教がいつもお互いを嫌い合ってきたわけではありません。むしろ歴史上、国や地域で3つが共存し、平和に暮らしていたのが事実です。(誰が何信じようがその人の勝手やがな・・・。)だから宗教関連のもめごとは近代的なものといえるし、宗教観というよりは国同士の政治や権力争いに関連しているものです。なのでくれぐれも「キリスト教とイスラム教は犬猿の仲らしいよ。」なんて人に言わないでください 笑
豆知識
どの宗教でもそうですが、3つの宗教には誤解がたくさんあります。
誤解1。
まず、宗教自体の名前ですが・・・よく考えてみると3つともそれぞれの預言者を宗教の名前としているわけではないようです。例えばモーセ教とかジーザス教とか。では、それぞれの名前はどこから来たのでしょう?
まず「ユダヤ」という言葉は地域の名前(おそらくパレスチナ)「ジュダ」から来ています。さらにジュダを直訳すると「賞賛」になるのでユダヤ教徒とは「(神を)賞賛するもの」となるようです。
ではキリスト教はどうでしょうか。キリスト-「Christ」という言葉はギリシャ語で「聖別する(清められる)」という意味で、クリスチャンがイエスは選ばれし者、救世主(メサイア)としているところからきたようです。
ちなみにイエスという名前ですが、どうして日本語ではイエスなのに英語だとジーザスなの?いったいどっちが正しいの?なんて悩んだ事ありませんか?私はおそらく10歳くらいの時からこれが気になってしかたがなかったのですが・・・。お答えします。ジーザスとはラテン語のIesus(イースス)からきています。ん・・・イースス・・・?ジーザスと全然違うやないか!・・・いつIがJにすり変わったんやー!!そうです、英語とは他の言語を盗んでは改良する言語なのです・・・笑 てなワケで本来の発音により近い日本語版「イエス」の勝ちです☆
最後にイスラム教です。日本でこそイスラム教と「教」をつけて呼びますが、正式には「イスラム」と「教」をつけずに呼びます。イスラムという言葉はアラビア語で「(神への)服従・平和」という意味です。そしてムスリムとは「(神に)服従する者」という意味です。
誤解2。
聞いた事あると思いますがユダヤ教の「ヤハウェ」・・・これはどういう意味でしょうか?日本のウィキピデェアにヤハウェはユダヤ教の神である・・・みたいな事が書いてありましたがこれは誤解です。確かにユダヤ教徒は神には秘密の「名前」があるとしてそれは「ヤハウェ」ではないか・・・と言っていますが、神は神です。別にユダヤ教にヤハウェという特別な神がいるわけではありません。ですからユダヤ教にしてみても神はあくまで唯一の神でありキリスト教とイスラム教と同じ神をさします。この「秘密の名前」ですが、私には意味が分からないし、アホらしいのでユダヤ教徒に聞いてください。説明しかねます 笑。
誤解3。
名前といえば、ややこしいのが神の呼び方です。「え・・・じゃあアッラーって何?」って思ってしまうのも無理はありません。もし3つの宗教が同じ1つの神を信じているならどうして神の名前が違うんでしょうか。
答えは簡単です。言語が違うからです。
3つの宗教がやってきた中東地方ではユダヤ教当時、古代ヘブライ語が話させていました。その時の言葉で神は「エライ」と発音されていました。だから今でもユダヤ教で「神」を指す言葉は「エライ」です(現在もユダヤ教徒はヘブライ語を習うことを義務ずけられています)。この「エライ」はのちに来たキリスト教でも同じです。だから聖書でも元訳のものにはイエスが神を「エライ」と呼んでいた事が書かれています。そしてムハマドが教えを説き始めた頃に話されていたのがアラビア語。アラビア語でエライはアッラーです。つまりまったく同じ意味です。ですから別に3つがそれぞれ違う神を指しているわけではありません。エライもアッラーも日本語に訳せば「神」、英語に訳せば「God」、イタリア語では「ディオ」です。だからもし誰かが「ムスリムはアッラーを信じている」と言ったら、つまり「ムスリムは神を信じている」と言っている事になるわけです。
*ただ、日本語や英語の「神」には多神教の神の意も含まれているので使う時には注意が必要ですが。
今日はここまでです♪
少しは参考になると本望なのですが・・・。ちなみに現在、世界でキリスト教は21億人(世界人口の1/3)、イスラム教が16億人なのに対し、ユダヤ教は1300万人たらずで世界総人口のの0.2%あまりに限られています。こんな小さな人種、または宗教がどうして世界中で注目されるのでしょうか?その話はまた次回UPします・・・お楽しみに☆