無事に回復し、退院しました。
子宮を失くしても、得るものもたくさんある。子宮に囚われず、生きていけます。二度と妊娠する事も、出産する事もありませんが、これからも女です。

母がいる間は、家事はお願いする事にして、わたしは布団で休みながら生活しました。寝たきりは良くないとの事なので、少しずつ家事をして、慣らしていきました。

母と、あまり顔を合わせないように、部屋の扉を閉めていました。会話をして、マイナスの事を言われるのではないかと思うと、びくびくしてしまいます。疲れたくありません。

術後二週間ほどして、母が帰る日になりました。その日、駅に向かうタクシーを呼んでいました。誰も見送りは行けず、母一人でした。
もうすぐタクシーが来る頃、母が言いました。

どうもお世話になりましたねえ。と怒鳴り口調で、皮肉たっぷりです。続けてこう言いました。
あんたは何も感謝してないみたいだけど。

気分が悪いです。
もう帰るというのに。
母は、やってあげた見返りが欲しいのです。無償じゃありません。

感謝してないはずがない。ありがたいとおもっています。そう言いました。

帰る間際に不満に思っていた事を言ってきました。それは、お互い様なのですが。揉めたくなかったのに。言ったところで、どうせ分かり合えないのだから。

母親だからって、なんでも子供より上だと思ってるかもしれないけど、それは大間違いだよ、とわたしが言いました。その時わたしは鋭く力強い憎しみの目で母を見てしまったと思います。それは、本物の目です。目は口ほどに物を言うのです。母は、あんたの方こそ大間違い。と言い放ち、出ていきました。

悲しくて、涙が出ました。
関わると、ただ、嫌な気持ちになるだけ。
母親なのに、悲しい。