「ごめんそこのボール取ってくれる?」
突然外から聞こえてきた声に反応した。
「え…、コレ?」
窓から身を乗り出す。
「うん、ありがと」
たまたま窓のあいていた教室に入りこんできた軟式野球ボール。
いやいや…、教室にボールが入ってくるなんて危険すぐる!!
いつも朝早く来て1人教室で読書をしている時間だった。
最近は読書がマイブームで、教室で本を読むことが多かった。
そこにいきなりボールが…!!
先生にバレてないからいいものの、バレてたら今頃怒鳴られるよ、先生に。
ボールを投げる動作に慣れてなくて、リンが投げたボールは見事に優の顔に的中した。
「いってーーーー!!!」
「ご、ごめん!」
リンが謝った次の瞬間、優はニッコリ笑ってこう言ってきた。
「今度、一緒にキャッチボールの練習しないとな!」
優の目をよく見ると本気で言っているようだ。
エー、なんて野球馬鹿なんだろう。
それが優の第一印象だった。
もともと、同じクラスだったけどいっこも話したことなかったし…。
「お前同じクラスだったよなー? 確か…、水本?」
見事に名前覚えられてない(笑)
まぁ1年のときは違うクラスだったし…!
「ウウン、水城だよ。 そっちは橋本優君だよね」
「あっ、悪ィ。 またあとで話そう! 部活に戻るわ!」
優はグラウンドに向かって走っていってしまった。
野球馬鹿で、天然(?)。
そんな優の後姿をリンは笑顔で見つめていた。