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海外医療情報

海外の医療情報についてお届けします

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海外でも日本と同じような医療を受けられると思っていらっしゃいませんか。実際のところ、国によっては大きなケガをした場合など、十分な治療ができない場合もあります。ご自分で動くことができなくなってしまったなら、治療設備の整った地域(場合によっては日本)への空輸などに1,000万円を超える多額の費用がかかることもありえます。日本からご家族を呼ぶ必要も出てきます。

また、一般に海外での医療費は日本と比べると非常に高額です。かぜのような症状で、ちょっと検査をしたら数万円は普通です。また、治療に先立って所持金の確認をされたり、一時金を要求されたりすることもあります。

もしもの場合に現金で解決できる方は少数でしょう。そこで力を発揮するのが旅行保険です。旅行保険で医療に関係する項目として注目していただきたいのが、治療費用および救援費用に関する補償です(一般に、クレジットカードに付帯する保険の補償額は比較的低額となっていることに注意が必要です)。また、治療費を一旦立替払いする必要があるのか、サポート体制が十分なのかなど、保険を利用する際に重要なチェックポイントもあります。万が一のことを考え、補償内容を十分にご検討の上、旅行保険への加入をご考慮ください。

旅行保険(医療に関する部分)のチェックポイント

●治療・救援費用の補償限度額
●補償が受けられる医療サービスの範囲
●以前から持っている病気の治療に対して、補償されるかどうか
●妊娠合併症に対する補償の有無
●高リスクの活動(登山など)に関連する健康問題に対する補償の有無
●サポートの充実度
●個人的に立替払いしなくてもよいかどうか(キャッシュレスサービスの有無)
●給付対象となる医療機関

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こどもを連れて海外旅行する人の数は増えつつあります。海外旅行はこどもにとってえがたい経験になるかもしれません。しかし、旅行によって、こどもがかかりやすい感染症にさらされたりした結果、思わぬ病気に見舞われることもあります。ここではこどもの持つ特徴に的を絞って、海外旅行で起こりうる問題への対応について考えましょう。

■乗り物に関する問題

■飛行機での移動
大人とこどもで一つのシートベルトを使用することは危険です。航空会社によっては、大人のシートベルトにつける形のこども用シートベルトを配ってくれるところもあります。こども用に座席を予約していれば、チャイルドシートを貸してくれる場合もあります。
乳児の場合、赤ちゃん用の小さなベッドが使えることがあります。前もって航空会社にご相談ください。
飛行機の上昇、下降にともなって、こどもでは耳の痛みがよく起こります。乳児には、不機嫌になったら哺乳瓶で飲料を飲ませられるように準備しておくとよいでしょう。また、年長児には、アメをなめさせると効果があります。
呼吸器の病気や、生まれつきの心臓の病気がある場合、飛行機の上昇にともない酸素が地上の80%程度に薄くなるため、病気が悪化することがあります。かかりつけ医に、飛行機での旅行が可能かどうか確認し、必要に応じて航空会社と相談して酸素などの準備をしてください。

■車を使った移動
国内での車の使用に準じて、チャイルドシートを確保してください。発展途上国では車にシートベルトが装備されていないことがあります。車での移動を考慮する際には、現地の情報を入手することが重要です。

■虫除けについて
こどもの場合、蚊でうつるマラリア、デング熱などの感染症は大人に比べて重くなりやすく、命にかかわることがしばしばあります。このような病気がはやる地域では、虫よけ対策を十分に行って下さい。特に以下に注意してください。

●エアコンのある部屋、窓に網戸がある部屋に宿泊し、できる限り蚊帳の下で寝かせるようにしなければなりません。
●バギーには蚊帳を張って使用することをご検討ください。
●屋外では長ズボンや長袖など、皮膚を覆る服を着せましょう。
●虫除け剤は皮膚が露出しているところにだけつけ、傷口を避けてください。
●虫除け剤は、こどもの目や口には使用せず、耳の周囲は量を控えめにしてください。
●薬による事故を防ぐために、こどもには虫除け剤を触らせず、大人が自分の手で虫除け剤を付けてあげてください。また、こどもの手の届かないところに虫除け剤を保存してください。
●こどもは手を口に持っていくことが多いため、こどもの手には虫除け剤を付けないようにしてください。
●外出から戻ったら、石鹸と水で皮膚を洗って虫除け剤を早めに落としてあげてください。
●蚊取り線香を使う際にはやけどに注意してください。

■下痢になった場合には
食べ物・水に注意をするのはもちろんですが、こどもは大人に比べて免疫がなく、また、手指の衛生が保ちにくいため、下痢をきたす消化器系の感染症にかかりやすい傾向があります。一旦下痢をし始めると、こども特に乳児は容易に脱水になりますので、水分補給をしっかりと行う必要があります。

次のような場合には、すぐに医療機関で診てもらってください。
●中くらい以上(表を参照)の脱水がみられる場合
●下痢に血が混じる場合
●38℃台後半の熱がある場合
●続けて吐いてしまい、水分がとれない場合
●よくわからないが具合が悪そうな場合

こどもの下痢に際してはORS(経口補水液)を使って、頻回に水分を与えましょう。ORSはほとんどの国で、売店や薬局で売っています。ボトルで売っている水や煮沸した水に加えて使用します。(ORSが手に入らない場合には自分で作ることもできます。こちらを参照)10kg未満のこどもには、下痢がある度に60~120mlずつ投与します。10kg以上のこどもでは、この倍を与えます。
母乳栄養の乳児には、母乳を欲しがるときに応じて母乳を与えます。

■動物に触らせないように
こどもは動物が大好きです。しかし、動物は安全ではなく病気を持っていると考えてください。狂犬病は症状が出ると助からない病気ですが、大人よりもこどもで死亡者が多いです。これは、こどもが動物を触りたがること、咬まれても大人に伝えないこと、身長が低く、脳に近い頭や首を咬まれやすいこと、咬まれた傷が深いことなどによります。

動物には近寄らないように、また、動物に触れたり、咬まれたりした場合には必ず大人に知らせるように、こどもに教えてください。
狂犬病のある地域(地図)で哺乳動物に咬まれたら、水と石鹸で徹底的に洗ってください。そして、直ちに医療機関を受診し、狂犬病予防のために狂犬病ワクチン接種を受けてください。

■水辺ではこどもの監視を
旅行中のこどもの死亡原因の第2位は、水の事故です。必ず水辺ではこどもを見張る人を決めておき、決してこどもから目を離さないようにしてください。
住血吸虫症が流行する地域では、殺菌処理されていない淡水で泳ぐと、この寄生虫がうつってしまうことがあります。こどもも大人も泳がないようにしてください。

■こどもは日焼けに弱い
新生児や乳児は皮膚が弱いため、日光にさらされないように十分に注意しなければなりません。(万が一、重い日焼けになったら直ちに医療機関で診てもらう必要があります。)日光の強い季節、強い場所では、赤ちゃんは日かげにおき、衣服で全身を覆うようにしてください。また、日焼け止めの使用もご考慮ください。

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予防接種で予防できる病気

ポリオ(急性灰白髄炎)

ポリオはポリオウイルスによって、急性の麻痺が起こる病気です。

ポリオが流行しているアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンのほか、ポリオが発生している国に渡航する人は追加接種を検討してください。

WHOでは、患者が発生している国に渡航する場合には、以前にポリオの予防接種を受けていても、渡航前に追加の接種をすすめています。

特に、1975年(昭和50年)から1977年(昭和52年)生まれの人は、ポリオに対する免疫が低いことがわかっていますので、海外に渡航する場合は、渡航先が流行国でなくても、渡航前の追加接種を検討してください。
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高齢の方が旅行される機会が増えたこともあり、慢性の病気のコントロールをしながら旅行する必要がある方が多くなっています。このような方が楽しく旅行するためには、前もっての準備が重要です。以下の点に注意しましょう。

旅行前に十分にゆとりを持ってかかりつけ医を受診し、旅行日程や前準備についてご相談ください。
かかりつけ医に慢性の病気が安定していることを確認してください。早め(少なくとも4から6週間前)に受診することによって、必要なワクチンを受けたり、適切な薬の処方を受けたりすることが可能になります。病気が安定していない場合には、決して無理をしないようにしてください。

かかりつけ医に英文で紹介状をもらってください。
紹介状には、現在の医療的問題、これまでにかかった主な病気、アレルギー、薬剤の一般名(ジェネリックネーム)を明記した処方内容、また、使用している医療用器具が、簡潔に記されている必要があります。

薬剤を十分量確保してください。
チェックインする荷物はなくなる危険があります。機内に持ち込める手荷物の中に、十分な量の薬剤を用意しましょう。薬剤を詰め替えると、薬剤の内容がわからなくなり、入国審査で問題となる場合があります。薬剤は詰め替えず、元パッケージのままで準備した方が無難です。

旅行保険、社会保険の適用範囲、請求に必要な書類についてお確かめください。
旅行保険に加入する方がほとんどだと考えられますが、慢性の病気に対する治療費はカバーされない可能性があります(たとえば透析費用など)。ご自分が加入している旅行保険が適用される範囲について保険会社に確認してください。
日本で加入している社会保険が一部適用できることがあります。適用を受けるためには、請求に必要な書類について前もって確認し、受診の際に入手する必要があります。

医療上重要な情報を、カードやメディカルIDブレスレット(リストバンド)にして携帯しましょう。
糖尿病や心臓病、アレルギーのある方は、意識を失ってしまうことがあります。その際に迅速で適切な治療が受けられるよう、英語で問題点をカードやブレスレットに記載し、携帯しましょう。

その他、病気に応じて細かい準備が必要である可能性があります。くれぐれも早めにかかりつけ医にご相談されてください。

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海外渡航者も情報開示と自己責任の考えに基づいて自分の健康に関する行動が取れるように、海外で問題となる可能性のある病気や健康に関連した最新でかつ重要な情報を知恵として利用できるように知恵袋に詰めさせてもらっています。

旅行者や海外生活者が「海外で健康」に過ごすための必要不可欠な知識や情報をまとめた一冊。

「生活編」と「旅行者編」の2つのテーマに分け,渡航先別に知っておくべき予防接種や伝染病の予防対策,飲料水,食べ物に対する注意点などについて解説している。

例えば,「旅行者編」では,飛行機酔いや時差ボケ対策といったすべての旅行者に関係することにも触れており,旅行前に一読しておくと参考になる。

この本もやはり予防接種から力を入れて書いてありますし、マラリアに関して詳しい解説があるところを見ると、主眼は途上国へ行く人にあるようです。

著書は元成田空港の検疫所にいた方のようですから、その経験から書かれているのかもしれません。

日本全国の予防接種実施機関と、各機関で受けられる予防接種の種類などの資料も充実しています。