スポーツ選手のウェアは・・・契約をめぐる複雑事情

http://www.nikkei.com/sports/column/article/g=96958A88889DE1E5EBEAE0E4E0E2E3E1E2E3E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;dg=1;df=4;p=9694E3E0E2E6E0E2E3E2EAEAE2E2
コピーできなかったので自分で入力しました
面倒なんで全文じゃないです・・・
誤字があったらごめんなさい
■真央ちゃんは例外
日本で最も影響力のあると思われる女性アスリートはウエア契約をしていない。
フィギュアの浅田真央(中京大)は各社から送られるラブコールを断り続けている。
関係者によると、「ウエア契約をしてしまうと、着る服が限定され、ストレスになる。好きなものを着たいから」。ウエアメーカーが浅田側に提示した額は他業種と1桁の違いがあったそうだが、すでに8社のスポンサーを持つ浅田だからこその選択とも言える。
それでも、各社はウエアを送り続ける。浅田が時折、着るメーカーの関係者は話す。「その姿がテレビや雑誌に出たら、いい宣伝になる。自社製品を数点送るだけでいいのだから、契約を結ぶよりリーズナブル」。やっぱり“真央ちゃん効果”は絶大だ。
(原真子)
今まで何でスポーツメーカーと契約しないのか不思議だったんですが
着る服が限定されるからだったんだ@△@;
なるほどねぇ~
浅田真央の著書、発売中止の真相 「母の死を売り物にしていると思われる」
http://www.j-cast.com/2012/01/13118837.html
フィギュアスケートの浅田真央選手の著書が発売中止となった。販促用のポスターに書かれた言葉に浅田選手側が難色を示したのが理由だという。
浅田選手の著書「大丈夫、きっと明日はできる」は当初2012年2月8日にポプラ社から発売予定だったが、1月12日、ポプラ社サイトで、中止が発表された。
■「ママ、ほんとうにありがとう」の部分が問題
「一部宣伝方法」に著者本人の意志とはそぐわない部分があったためだといい、浅田選手の公式サイトでも「本の宣伝、告知について、私の思いと異なるもので進められたところがあり、出版を中止させていただくことになりました」と説明していた。
これまで明らかになっている情報をまとめると、同書は209ページのファンへの「メッセージブック」。1年以上前から出版が企画されていた。バンクバー五輪から現在までの浅田選手の歩みが綴られていて、書店からは10万部を超える予約があったという。
一体何が問題だったのか。浅田選手に近い関係者は「ポスターに書かれていた『ママ、ほんとうにありがとう』という言葉が原因です」と明かす。
■「前向きに生活するコツ」といった話のエッセイ本
浅田選手の母親、匡子さんは2011年12月に死去した。カナダで行われたグランプリファイナル直前のことだっただけに連日大きく報道されていた。
関係者によると「大丈夫、きっと明日はできる」は、浅田選手の「前向きに生活するコツ」といった話をまとめたエッセイ本で、自己啓発本的な要素が強い。母親に関する部分は一部だという。
「『ママ、ありがとう』といったポスターだと、本の内容は違うのに、母親へのメッセージブックだと勘違いされてしまうし、母親の死を売り物にしていると思われてしまいます」
ということらしく、浅田選手本人の希望で中止になったという。
ポプラ社広報によると、同書が日を改めて発売されるかどうかは「未定」。発売中止となったことで、これまで同書にかけていた販促費用などが無駄になってしまうが、浅田選手側に損害賠償を請求するということは「全く考えていません」としている。
ポプラ社といえば、最近は2010年に第5回ポプラ社大賞を受賞した俳優・水嶋ヒロさんの小説「KAGEROU」を出版して話題になった。今回の浅田選手の件も2ちゃんねるやツイッターで話題になり、
「無難な宣伝をしていれば浅田真央の本というだけでも十分売れたのに」
「これは真央ちゃんが正しい」
「この若さで、流されないのはいい事だ」
「『KAGEROU』に続き浅田真央、ポプラ社のイメージが悪くなっていく」
といった反応が寄せられていた。
読みたかった~(泣)
ファンとしては、凄く残念です
こんな宣伝しなくたって
真央ちゃん初の自己啓発本なら絶対売れたはず!!
あんな宣伝文句さえなかったら!!
あれじゃアンチがみたら「真央ちゃんがお母さんの死を売りにしてる」って
喜び勇んで書き立てるでしょうね
ポプラ社の宣伝担当に一言、言ってやりたいです><
フィギュアスケートの浅田真央選手の著書が発売中止となった。販促用のポスターに書かれた言葉に浅田選手側が難色を示したのが理由だという。
浅田選手の著書「大丈夫、きっと明日はできる」は当初2012年2月8日にポプラ社から発売予定だったが、1月12日、ポプラ社サイトで、中止が発表された。
■「ママ、ほんとうにありがとう」の部分が問題
「一部宣伝方法」に著者本人の意志とはそぐわない部分があったためだといい、浅田選手の公式サイトでも「本の宣伝、告知について、私の思いと異なるもので進められたところがあり、出版を中止させていただくことになりました」と説明していた。
これまで明らかになっている情報をまとめると、同書は209ページのファンへの「メッセージブック」。1年以上前から出版が企画されていた。バンクバー五輪から現在までの浅田選手の歩みが綴られていて、書店からは10万部を超える予約があったという。
一体何が問題だったのか。浅田選手に近い関係者は「ポスターに書かれていた『ママ、ほんとうにありがとう』という言葉が原因です」と明かす。
■「前向きに生活するコツ」といった話のエッセイ本
浅田選手の母親、匡子さんは2011年12月に死去した。カナダで行われたグランプリファイナル直前のことだっただけに連日大きく報道されていた。
関係者によると「大丈夫、きっと明日はできる」は、浅田選手の「前向きに生活するコツ」といった話をまとめたエッセイ本で、自己啓発本的な要素が強い。母親に関する部分は一部だという。
「『ママ、ありがとう』といったポスターだと、本の内容は違うのに、母親へのメッセージブックだと勘違いされてしまうし、母親の死を売り物にしていると思われてしまいます」
ということらしく、浅田選手本人の希望で中止になったという。
ポプラ社広報によると、同書が日を改めて発売されるかどうかは「未定」。発売中止となったことで、これまで同書にかけていた販促費用などが無駄になってしまうが、浅田選手側に損害賠償を請求するということは「全く考えていません」としている。
ポプラ社といえば、最近は2010年に第5回ポプラ社大賞を受賞した俳優・水嶋ヒロさんの小説「KAGEROU」を出版して話題になった。今回の浅田選手の件も2ちゃんねるやツイッターで話題になり、
「無難な宣伝をしていれば浅田真央の本というだけでも十分売れたのに」
「これは真央ちゃんが正しい」
「この若さで、流されないのはいい事だ」
「『KAGEROU』に続き浅田真央、ポプラ社のイメージが悪くなっていく」
といった反応が寄せられていた。
読みたかった~(泣)
ファンとしては、凄く残念です
こんな宣伝しなくたって
真央ちゃん初の自己啓発本なら絶対売れたはず!!
あんな宣伝文句さえなかったら!!
あれじゃアンチがみたら「真央ちゃんがお母さんの死を売りにしてる」って
喜び勇んで書き立てるでしょうね
ポプラ社の宣伝担当に一言、言ってやりたいです><
やまびこスケートの森アイスアリーナに行ってきました!!

二十数年ぶりにスケートをしました
子供の頃のようにはもう滑れません
今回初めてフィギュア用の靴で滑ったんですが
エッジが下記のようになっていまして↓

片足でまっすぐ滑るのが凄く難しい!!
インかアウトかどちらかのエッジにのるので精一杯で
どちらかに曲がってしまいます
全日本のエキシビジョンでコヅが
まっすぐなイーグルしていたのを思い出しました
コヅはもちろんスケーターみんなを尊敬します!!
ネットでスピンの仕方とか研究していったけど
私の後ろすべりがヘボすぎて話になりません><
リンクサイドで止まっていたら知らない子が後ろから突っ込んできて
めちゃひっくり返りました
おかげで首が鞭打ち&手首捻挫です><
すっごい難しいけどすっごい楽しかった!!
また行きたいです
■やまびこスケートの森アイスアリーナ
http://www.yamabiko.co.jp/facility/arena/index.html
TEL 0266-24-2494 FAX 0266-24-1198
〒394-0055 長野県岡谷市字内山4769-14
■冬季滑走料
大人1,020円 高校生820円 中学生以下410円
■貸し靴510円(年間レンタル2,000円)
新年のご挨拶
新年明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします
今年も真央愛一筋で頑張ってゆきます
よろしくお願いいたします
早速、真央ちゃんの初すべりのニュースや
真央ちゃんの初の語りおろし『大丈夫、きっと明日はできる』が
初版10万部とかいろいろニュースがありましたが
個人的に1/9に私も初すべりしてきます><
小学生のとき以来だから20年ぶり・・・・(泣)
しかも小学生のときは長野っ子らしく靴がスピードスケートでした
憧れのフィギュアの靴デビューです!!
今年は自分でも滑ってみたり
もっとショーや試合を見に行けるよう頑張ります!!
本年もよろしくお願いいたします
今年も真央愛一筋で頑張ってゆきます
よろしくお願いいたします
早速、真央ちゃんの初すべりのニュースや
真央ちゃんの初の語りおろし『大丈夫、きっと明日はできる』が
初版10万部とかいろいろニュースがありましたが
個人的に1/9に私も初すべりしてきます><
小学生のとき以来だから20年ぶり・・・・(泣)
しかも小学生のときは長野っ子らしく靴がスピードスケートでした
憧れのフィギュアの靴デビューです!!
今年は自分でも滑ってみたり
もっとショーや試合を見に行けるよう頑張ります!!
優勝を争う浅田・鈴木・村上の三つ巴と、世界ジュニア出場をめぐる大混戦
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/text/201112270002-spnavi_1.html
全日本選手権2011年女子は、例年以上の特別な空気に包まれていた。優勝争いは、母の逝去直後ながら出場を決めた浅田真央と、鈴木明子、村上佳菜子の三つ巴。世界ジュニア選手権の3枠争いは、候補の7選手の実力が拮抗。それぞれが特別なプレッシャーと戦い、フリーでは全24選手がミスをするという、緊張感の張りつめた2日間となった。
■浅田真央への取材陣の“壁”となった佐藤信夫コーチ
ふたを開けば、浅田の5度目の優勝――。優勝決定後、“いつもとは違う特別な思いがあるか”という記者のちょっと意地悪な質問に「うれしいです。(母も)喜んでくれていると思う」と言うと目を潤ませた。大会期間中、浅田が記者の前で声を詰まらせたのはこの瞬間だけ。悲しみの中、どうやって浅田は気持ちを強く演技をまとめられたのか。その裏には佐藤信夫コーチの姿があった。
浅田が出場を決めたのは12日。GPファイナルから帰国後、練習を4日間休んでいた。「欠場は考えなかった」と言い、自ら佐藤に電話して、出場の意思を伝えた。佐藤は「芯の強い人だなと思った」と感じ、浅田には「きちんと気持ちを切り替えて頑張りましょう」とだけ伝えた。
佐藤は決して母の話題に触れないようにした。むしろ不自然なくらいで、「かえって私が気を使い過ぎているのかも」と言う。「普段どおりの練習をさせよう」と佐藤が考えると、浅田も「普段どおりという言葉を大切にしたい」と語り、師弟は同じ気持ちでこの全日本に臨んだ。
非公式練習後、ショート後、フリー後、世界選手権の出場決定後、一夜明け、と浅田は5回のインタビューの場があった。どれも、母のことはタブーという“かん口令”が敷かれた場だ。さらに浅田は、弱音を吐かないのが信条。演技でミスをしても、廊下でいったん泣いて涙を乾かしてから笑顔でメディアの前に現れるような人だ。「母」という言葉を避けて話す様子は、哀悼報道で盛り上がるメディアにとっては消化不良の内容だった。
だからこそ。この大会、佐藤は記者の前に出て、よく喋った。いつもよりも長く、10分でも20分でも。浅田の様子を知りたい取材陣の壁となり、記者が満足するまでとことん取材に応じていたのだ。「カナダから帰国する時は泣いていた?」「練習再開後の真央の様子は?」。浅田にこの手の質問がいかないよう、一手に引き受けていた。
また試合内容についても、浅田は「いつもと違う感じがしましたし、見守られている気がして助けになりました」と言う。そこを佐藤は「実際には、注目されたことで期待に応えないとと思ってプレッシャーを感じていると思う」とフォローする。浅田が演技後「ホッとしました」とテレビの前で笑顔をつくると、佐藤は「ホッとしたということはないと思います。決してテレビに映っている顔どおりではないと思います」と言う。
浅田は決して言い訳をしないが、佐藤はいつもより言葉を駆使してメディアに訴えかけていた。国民が復活劇を期待していること自体が、過度な願いであることを。そして「内心はそっとして置いてほしいというのがあります」と最後に言った。
佐藤は、少しでも普段通りの環境を浅田に与えることで師としての役割を果たした。そして浅田は、佐藤の指導方針通りダブルアクセルを含む優雅な演技で、ショート2位、フリー2位と演技をまとめての優勝。お互いの立場を尊重し合っての結果だった。
「4日間も休んだわりに体力もジャンプも問題なかった。信夫先生とずっと一緒に積み重ねたものが出ました。スポーツ選手としてやるべきことをしっかりできました」と浅田。佐藤とともに新たな一歩を記した。
■悔しさをにじませた鈴木
村上と鈴木は、難しい大会をよく戦った。試合直前に4日間も休んだ浅田の調子を考えれば、今回こそ優勝のチャンスだ。しかも国民が浅田の優勝を期待する特殊な状況下。プレッシャーは、やはり大きかった。
「うまくいかないなぁ……っていう気持ちです。練習ではできているのでこのジャンプ構成できているのに」。ショート3位から巻き返しを図った鈴木は、フリーの後半、トリプルルッツが1回転に。優勝を狙うなら痛恨のミスだった。
ショートでは「トリプルトゥループ+トリプルトゥループ」が「3+1」になり、3位発進。「できるんだから見せたい、という気持ちが強すぎました」と、気持ちが空回りしてしまったという。「気持ちがふっきれた」というフリーは、スピードもキレもある鈴木らしい演技を披露したが、後半でのジャンプミス。「今シーズンはプログラムを評価されて(演技構成点が高い)手応えもあるのに、技術点が乗らない。ちゃんと両方そろえないと」と悔しさをにじませる。
自身の後に滑った浅田の演技を見ると「いろいろあった中でいつも通り試合でできるというのは素晴らしい強さです」と言い目を潤ませた。「優勝を目指していたけれど、私はこの出来なら仕方ないです。練習ではできているので、シーズン後半もこのジャンプ構成でやり通したい」。完成すれば世界の表彰台を狙えるジャンプ構成を武器に、世界選手権へと挑む。
■ショート1位の村上、フリーでは本領発揮できず
一方の村上は今季、靴のトラブルで不調だったものの、11月のフランス杯後、足に合う靴が見つかったという。ショートでは「トリプルトゥループ+トリプルトゥループ」を決めると、本来のパワーとスピードのある演技で堂々の首位発進となった。「たくさん練習してこれたので自信もありました」と言い、ノープレッシャーの様子で笑顔を見せた。
しかしフリーは違った。「1位だったのはマグレなんで」と繰り返し、重圧をはねのけようとしたが、最終滑走の順番を待っている間に緊張は高まっていった。「縄跳びしたり走ったりして、体がなまらない様にしていた」が、動きが固かった。課題のループは、1回転と、3回転の回転不足に。ステップで転ぶなど、本領発揮とはいかなかった。演技を終えた瞬間は泣き出しそうな表情。「練習でやってきたことを出せないのはつらかったけれど、良い経験になりました。もっとたくさん練習して、1日にノーミスを2、3回できるようにします」と誓った。
■世界ジュニアは佐藤未生、宮原知子、庄司理紗の3人に
熾烈な争いとなった世界ジュニア選手権の候補者は、全日本ジュニア選手権から推薦出場となった、宮原知子、友滝佳子、庄司理紗、鈴木春奈、大庭雅、佐藤未生の6人と、西野友毬の7人。うちジュニアGPファイナルに出場したのは庄司のみだ。
この大舞台で見事に才能を開花させ、世界ジュニア初出場をつかんだのは、山田満知子コーチの門下生、佐藤。ジャンプの高さや飛距離はシニアの選手を凌ぐほど。フリーは伊藤みどりがアルベールビル五輪で踊ったのと同じラフマニノフの「ピアノ協奏曲」で、伊藤をほうふつさせる思いきりの良いジャンプを決めた。「ダブルアクセル+トリプルトゥループ」も成功すると、村上佳菜子や今井遥をしのぐフリー4位で、総合5位となった。「ジャンプは流れの中で跳んで、大きな演技ができたと思います」と笑顔。新人賞も獲得する活躍だった。
またジュニア女王の宮原も意地を見せた。ショートはジャンプミスで15位発進となったが、フリーは一転、「トリプルルッツ+トリプルトゥループ」と「ダブルアクセル+トリプルトゥループ」に挑戦するなどジャンプ力を発揮。ジュニアとは思えない不思議な空気感をかもし出せる演技派でもあり、未知数の可能性を感じさせる。「フリーはうれしい気持ち、悲しさ、うれしさと変化する曲。気持ちを込めて踊りました。緊張は考えないようにしました。世界ジュニアではもっと良い演技をしたいです」と目を輝かせた。
ジュニアの前年度女王、庄司もショート11位からばん回し、フリーは大きなミスのない演技を披露。「トリプルサルコウ+トリプルトゥループ+ダブルトゥループ」や「ダブルアクセル+トリプルトゥループ」などの大技を盛り込み、昨季よりも滑らかになったスケーティングも冴えわたる。総合7位で世界ジュニアの切符を勝ち取った。
惜しくも世界ジュニア出場はならなかったが、西野友毬はショートで「トリプルルッツ+ダブルトゥループ」などを決め、ノーミスの演技で4位。フリーは小さなミスが重なり11位、総合8位に。スケーティングの雄大さや伸びやかさは一段とアップし、シニアでも十分に通用する演技内容を見せた。
また佐藤信夫コーチの門下生として注目を集める鈴木も、無駄のないきれいなスケーティングで観客を魅了。スピンの回転の速さやポジションは、現日本女子のなかでもトップといえる秀逸なもので、総合力が光り9位と健闘した。
■ジュニア勢が大躍進、次期エースへの顔ぶれ出そろう
終わってみれば、優勝争いの3人と、今季からアメリカの佐藤有香コーチのもとに移った今井遥の上位シニア4人の後は、5~9位、11位、13位がジュニア選手が占めるという、ジュニア大躍進の展開となった。2014年ソチ五輪(ロシア)、2018年平昌五輪(韓国)への争いは確実に始まっている。そのプレッシャーのなか全24選手がミスをし、課題と反省を胸に、大会は幕を閉じた。2年後、この緊張感のなかで実力を発揮したものが五輪切符を手にする。今回は、その顔ぶれが出そろい、伸びしろの大きさを感じさせる大会となった。
<了>
全日本選手権2011年女子は、例年以上の特別な空気に包まれていた。優勝争いは、母の逝去直後ながら出場を決めた浅田真央と、鈴木明子、村上佳菜子の三つ巴。世界ジュニア選手権の3枠争いは、候補の7選手の実力が拮抗。それぞれが特別なプレッシャーと戦い、フリーでは全24選手がミスをするという、緊張感の張りつめた2日間となった。
■浅田真央への取材陣の“壁”となった佐藤信夫コーチ
ふたを開けば、浅田の5度目の優勝――。優勝決定後、“いつもとは違う特別な思いがあるか”という記者のちょっと意地悪な質問に「うれしいです。(母も)喜んでくれていると思う」と言うと目を潤ませた。大会期間中、浅田が記者の前で声を詰まらせたのはこの瞬間だけ。悲しみの中、どうやって浅田は気持ちを強く演技をまとめられたのか。その裏には佐藤信夫コーチの姿があった。
浅田が出場を決めたのは12日。GPファイナルから帰国後、練習を4日間休んでいた。「欠場は考えなかった」と言い、自ら佐藤に電話して、出場の意思を伝えた。佐藤は「芯の強い人だなと思った」と感じ、浅田には「きちんと気持ちを切り替えて頑張りましょう」とだけ伝えた。
佐藤は決して母の話題に触れないようにした。むしろ不自然なくらいで、「かえって私が気を使い過ぎているのかも」と言う。「普段どおりの練習をさせよう」と佐藤が考えると、浅田も「普段どおりという言葉を大切にしたい」と語り、師弟は同じ気持ちでこの全日本に臨んだ。
非公式練習後、ショート後、フリー後、世界選手権の出場決定後、一夜明け、と浅田は5回のインタビューの場があった。どれも、母のことはタブーという“かん口令”が敷かれた場だ。さらに浅田は、弱音を吐かないのが信条。演技でミスをしても、廊下でいったん泣いて涙を乾かしてから笑顔でメディアの前に現れるような人だ。「母」という言葉を避けて話す様子は、哀悼報道で盛り上がるメディアにとっては消化不良の内容だった。
だからこそ。この大会、佐藤は記者の前に出て、よく喋った。いつもよりも長く、10分でも20分でも。浅田の様子を知りたい取材陣の壁となり、記者が満足するまでとことん取材に応じていたのだ。「カナダから帰国する時は泣いていた?」「練習再開後の真央の様子は?」。浅田にこの手の質問がいかないよう、一手に引き受けていた。
また試合内容についても、浅田は「いつもと違う感じがしましたし、見守られている気がして助けになりました」と言う。そこを佐藤は「実際には、注目されたことで期待に応えないとと思ってプレッシャーを感じていると思う」とフォローする。浅田が演技後「ホッとしました」とテレビの前で笑顔をつくると、佐藤は「ホッとしたということはないと思います。決してテレビに映っている顔どおりではないと思います」と言う。
浅田は決して言い訳をしないが、佐藤はいつもより言葉を駆使してメディアに訴えかけていた。国民が復活劇を期待していること自体が、過度な願いであることを。そして「内心はそっとして置いてほしいというのがあります」と最後に言った。
佐藤は、少しでも普段通りの環境を浅田に与えることで師としての役割を果たした。そして浅田は、佐藤の指導方針通りダブルアクセルを含む優雅な演技で、ショート2位、フリー2位と演技をまとめての優勝。お互いの立場を尊重し合っての結果だった。
「4日間も休んだわりに体力もジャンプも問題なかった。信夫先生とずっと一緒に積み重ねたものが出ました。スポーツ選手としてやるべきことをしっかりできました」と浅田。佐藤とともに新たな一歩を記した。
■悔しさをにじませた鈴木
村上と鈴木は、難しい大会をよく戦った。試合直前に4日間も休んだ浅田の調子を考えれば、今回こそ優勝のチャンスだ。しかも国民が浅田の優勝を期待する特殊な状況下。プレッシャーは、やはり大きかった。
「うまくいかないなぁ……っていう気持ちです。練習ではできているのでこのジャンプ構成できているのに」。ショート3位から巻き返しを図った鈴木は、フリーの後半、トリプルルッツが1回転に。優勝を狙うなら痛恨のミスだった。
ショートでは「トリプルトゥループ+トリプルトゥループ」が「3+1」になり、3位発進。「できるんだから見せたい、という気持ちが強すぎました」と、気持ちが空回りしてしまったという。「気持ちがふっきれた」というフリーは、スピードもキレもある鈴木らしい演技を披露したが、後半でのジャンプミス。「今シーズンはプログラムを評価されて(演技構成点が高い)手応えもあるのに、技術点が乗らない。ちゃんと両方そろえないと」と悔しさをにじませる。
自身の後に滑った浅田の演技を見ると「いろいろあった中でいつも通り試合でできるというのは素晴らしい強さです」と言い目を潤ませた。「優勝を目指していたけれど、私はこの出来なら仕方ないです。練習ではできているので、シーズン後半もこのジャンプ構成でやり通したい」。完成すれば世界の表彰台を狙えるジャンプ構成を武器に、世界選手権へと挑む。
■ショート1位の村上、フリーでは本領発揮できず
一方の村上は今季、靴のトラブルで不調だったものの、11月のフランス杯後、足に合う靴が見つかったという。ショートでは「トリプルトゥループ+トリプルトゥループ」を決めると、本来のパワーとスピードのある演技で堂々の首位発進となった。「たくさん練習してこれたので自信もありました」と言い、ノープレッシャーの様子で笑顔を見せた。
しかしフリーは違った。「1位だったのはマグレなんで」と繰り返し、重圧をはねのけようとしたが、最終滑走の順番を待っている間に緊張は高まっていった。「縄跳びしたり走ったりして、体がなまらない様にしていた」が、動きが固かった。課題のループは、1回転と、3回転の回転不足に。ステップで転ぶなど、本領発揮とはいかなかった。演技を終えた瞬間は泣き出しそうな表情。「練習でやってきたことを出せないのはつらかったけれど、良い経験になりました。もっとたくさん練習して、1日にノーミスを2、3回できるようにします」と誓った。
■世界ジュニアは佐藤未生、宮原知子、庄司理紗の3人に
熾烈な争いとなった世界ジュニア選手権の候補者は、全日本ジュニア選手権から推薦出場となった、宮原知子、友滝佳子、庄司理紗、鈴木春奈、大庭雅、佐藤未生の6人と、西野友毬の7人。うちジュニアGPファイナルに出場したのは庄司のみだ。
この大舞台で見事に才能を開花させ、世界ジュニア初出場をつかんだのは、山田満知子コーチの門下生、佐藤。ジャンプの高さや飛距離はシニアの選手を凌ぐほど。フリーは伊藤みどりがアルベールビル五輪で踊ったのと同じラフマニノフの「ピアノ協奏曲」で、伊藤をほうふつさせる思いきりの良いジャンプを決めた。「ダブルアクセル+トリプルトゥループ」も成功すると、村上佳菜子や今井遥をしのぐフリー4位で、総合5位となった。「ジャンプは流れの中で跳んで、大きな演技ができたと思います」と笑顔。新人賞も獲得する活躍だった。
またジュニア女王の宮原も意地を見せた。ショートはジャンプミスで15位発進となったが、フリーは一転、「トリプルルッツ+トリプルトゥループ」と「ダブルアクセル+トリプルトゥループ」に挑戦するなどジャンプ力を発揮。ジュニアとは思えない不思議な空気感をかもし出せる演技派でもあり、未知数の可能性を感じさせる。「フリーはうれしい気持ち、悲しさ、うれしさと変化する曲。気持ちを込めて踊りました。緊張は考えないようにしました。世界ジュニアではもっと良い演技をしたいです」と目を輝かせた。
ジュニアの前年度女王、庄司もショート11位からばん回し、フリーは大きなミスのない演技を披露。「トリプルサルコウ+トリプルトゥループ+ダブルトゥループ」や「ダブルアクセル+トリプルトゥループ」などの大技を盛り込み、昨季よりも滑らかになったスケーティングも冴えわたる。総合7位で世界ジュニアの切符を勝ち取った。
惜しくも世界ジュニア出場はならなかったが、西野友毬はショートで「トリプルルッツ+ダブルトゥループ」などを決め、ノーミスの演技で4位。フリーは小さなミスが重なり11位、総合8位に。スケーティングの雄大さや伸びやかさは一段とアップし、シニアでも十分に通用する演技内容を見せた。
また佐藤信夫コーチの門下生として注目を集める鈴木も、無駄のないきれいなスケーティングで観客を魅了。スピンの回転の速さやポジションは、現日本女子のなかでもトップといえる秀逸なもので、総合力が光り9位と健闘した。
■ジュニア勢が大躍進、次期エースへの顔ぶれ出そろう
終わってみれば、優勝争いの3人と、今季からアメリカの佐藤有香コーチのもとに移った今井遥の上位シニア4人の後は、5~9位、11位、13位がジュニア選手が占めるという、ジュニア大躍進の展開となった。2014年ソチ五輪(ロシア)、2018年平昌五輪(韓国)への争いは確実に始まっている。そのプレッシャーのなか全24選手がミスをし、課題と反省を胸に、大会は幕を閉じた。2年後、この緊張感のなかで実力を発揮したものが五輪切符を手にする。今回は、その顔ぶれが出そろい、伸びしろの大きさを感じさせる大会となった。
<了>
日本男子、4回転時代の幕開け 本番で見せたスターの資質
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/text/201112260002-spnavi.html
全日本選手権の男子シングル。それは、かつてない世界的にも高レベルなジャンプ合戦となった。ショートでは、高橋大輔が練習では全く挑戦していなかった「4回転+3回転」をクリーンに成功。それに刺激されたのか、フリーでは4人が4回転ジャンプをクリーンに成功させた。稀に見る4回転のオンパレード。技術力や精神力に加え、ここ一番の大会で大技を決めるスターとしての資質を、多くの選手が示す大会となった。
■高橋大輔「ここで守るより攻めた方が良い」 見せた勝負師の勘
たった1本のジャンプで、今回の男子大会のすべてを手中にしてしまったのが高橋だ。ショートプログラムで、2005年世界選手権以来となる「4トゥループ+3トゥループ」をクリーンに成功。公式練習では全く練習していない「4+3」の成功に、会場は興奮の渦に包まれた。
25歳。フィギュアスケート選手としてはベテランの域に入った高橋の念頭にあるのは、ソチ五輪の金メダルだ。すべての試合は、そのためのステップ過ぎない。パトリック・チャン(カナダ)が昨季から確実に決めている「4+3」が必要という思いは強かった。
高橋は、公式練習で4回転トゥループをクリーンに成功。調子が上がっている手応えをつかむと、ここ一番で勝負に出た。
「いつかはやる日がくるなら、こういった緊張感の中でやる方が自分のためになる。ここで守るより攻めた方が良い。自分でも半信半疑で不安でしたが、これを越えていかないと、と思ってやりました」
もちろん闇雲に跳んだわけではない。成功への布石は、オフシーズンに磨いた基礎スケーティングだ。膝のボルトを取る手術のあと、「しばらくジャンプの練習ができないなら」と、フランスでアイスダンスの元世界王者らのもと、スケーティングやエッジワークの指導を受けた。「スケーティングに関する考え方が変わった」と高橋。氷に吸い付くような滑らかなすべりと、瞬時に深いエッジに乗りかえるエッジワークを身につけた。
ジャンプを成功させるための条件には、(1)エッジへの適切な体重のかけ方、(2)踏み切るタイミング、(3)スピードなどがある。エッジワークが安定したことで(1)の条件を確実に満たし、それが4回転の成功率アップにつながった。だからこそ、単なる4回転の成功ではなく、さらにレベルの高い「4+3」につながったのだ。
「スケーティングが良くなった事でジャンプに集中できているし、今回はタイミングが全て合っていた」
ショートで96.05と高得点をマークしたが、フリーはジャンプミスを連発し3位。ショートの得点に助けられ254.60で逃げ切りの優勝を果たした。「こんな演技をしている場合ではない。GPファイナルの疲れが出てしまい、自分の調整ミス」と反省。天才的な演技の後に、弱さが出る演技で次への課題をつくるあたりもまた、スターの証か。ソチの金メダルへとつながる一歩を記した。
■小塚崇彦「コントロールできた」新たな4回転のステップへ
小塚崇彦は、彼らしい、堅実に成果を積み上げていく試合を見せた。今シーズンはGPで本領を発揮できず、ファイナル進出を逃しての全日本。11月のNHK杯後、新調したばかりだった靴もやっと足になじみ、しっかり練習に集中できた。練習を自信にするタイプ。だからこそ、自信と、自身への期待があった。
「すごい緊張した。スピンでは足が震えていて波打っていた」というショートでは、4回転を回避し、今季初となるノーミスの演技。「練習を確実に積んできて、やっと今シーズン自分のすべりができました」。
そして一番の技術的課題である4回転で、新たな一歩を記す。フリーの朝の公式練習では、身体のキレが良く、スケーティングのスピードがいつもより増していた。4回転ジャンプはミスが続いた。しかし、練習量をこなしていたからこそ、普段との違いに気づいた。
「スピードが出すぎていた。スピードさえ抑えれば、あとの部分はコントロールできている。不安要素はない」。
そう考えるとフリー本番は、助走のスピードを調整し、これまでの全試合で最もクリーンな4回転トゥループを決めた。「コントロールの中にある4回転だった」。成功する術を手にした瞬間だった。
「やっと今シーズンのスタートに立てたという気持ち」と小塚。銀メダルを手にすると、世界トップスケーターとしての小塚の顔を取り戻していた。
■羽生結弦、フリー1位も「悔しい」
最終滑走となったショート。高橋の4回転成功、小塚の4回転回避を受けての登場。羽生は迷わず4回転トゥループに挑んだ。しかし、力んで空中で身体がバラけると3回転で両足着氷に。「6分間練習では4回転+3回転が入っていたのに。納得できない。力がまだ余ってる」と4位発進を悔やんだ。
そしてフリー。今季、確実にしつつある4回転トゥループを見事に成功させ、波に乗った。トリプルアクセル2本など次々とジャンプを決めていく。ところが最後の最後、決して彼にとっては難しくない3回転サルコウが1回転になった。
「気持ちが空回りしてましたね。1回転になって、空中で時間が止まりました。ああ、これどうしよう、やっちゃった?って」。演技直後は、何度も膝をたたいて、全身で悔しがった。
終わってみればショート4位、フリー首位で総合3位。「サルコウが1回転になっても点が出たのは成長した証。この悔しさを持って世界選手権に臨みたい」と力強く語った。
■町田樹「どんなジャンプでもファイトで降りる」
トップスケーターにとって一番必要な能力を、とうとう今季身につけたのが町田樹だ。その能力とは、「感触が良くないジャンプでも何とか成功させる」という能力だ。踏み切った後に感触が良く綺麗に回ったジャンプだけを成功させているのでは、いつまでたってもジャンプは一か八かになってしまう。どんな踏み切りになっても空中でまとめる能力は、トップに行くために必ず必要になる。
「今シーズンは、『危ないジャンプでもファイトで降りる』という練習をしてきました。やっと踏みとどまるパワーがついてきたと思います。ものすごい緊張のなか焦らずに耐えられたのが、成長できたところです」
ショート3位、フリー6位、総合4位と、ファイトでつかんだ四大陸選手権の切符。同選手権の舞台となるアメリカでは、ひと回り成長した演技を披露するつもりだ。
■日本一の雄大さ 4トゥループの無良崇人、4サルコウの村上大介
日本男子の中でも、高さと飛距離のあるパワフルな4回転を持つ、無良崇人と村上大介。その2人ともがショートの失敗から巻き返し、フリーで完璧な4回転を披露するなど、存在感を示した。
ショートから果敢に4回転トゥループに挑んだ無良。しかしタイミングが合わず2回転になってしまうなどミスが続き12位と出遅れた。しかしフリーでも臆することなく挑戦。誰よりも高さとスピードのある雄大な4回転トゥループを成功させ、意地を見せた。フリー4位、総合で5位に食い込むと四大陸選手権への切符も獲得。次の大舞台ではショート、フリーともに4回転をそろえ、力を発揮したい。
日本で唯一、4回転サルコウを持つのが村上だ。ショートではうまく回転軸に入れず転倒したが、フリーではスカッとする切れ味の良い4回転サルコウを成功させた。「今シーズンは確率が高くなっていたので、絶対にショートから入れたかった。フリーでは不安ななかで何とかベストを尽くせたのが良かった」と村上。ショート9位、フリー5位で総合6位。「来年はショート1本、フリー2本を入れたい」と誓った。
■混戦、世界ジュニアの切符は田中、宇野、日野が獲得
世界ジュニア選手権(2月27日~3月4日・ベラルーシ)の代表は、全本ジュニア選手権、ジュニアGPファイナル、全日本選手権の3つの総合結果で判断される。結果的に選出されたのは、全日本という大舞台で力を発揮した上位3人の、田中刑事、宇野昌麿、日野龍樹だった。
全日本ジュニア王者の日野は、トリプルアクセルをショートで1本、フリーで2本降り、昨シーズンより確実に上がったジャンプ力を示した。フリーは大きなミスなく最後まで集中力を保つと、終わった瞬間は感無量といった様子を見せ、総合10位につけた。
昨季の世界ジュニア銀メダリストの田中も、トリプルアクセルを計3本そろえる貫禄の演技で総合7位。「男子がみな4回転を跳んでいるので焦っているけれど、まずはトリプルアクセルを確実に跳んでいくこと。フリーは最終グループの緊張に負けなかった」と手応えをつかんだ様子だった。
総合9位に入った宇野はまだトリプルアクセルはないが、身体が小さいわりにスピードのあるスケーティングや、音感のある演技に大きな伸びしろを感じさせる逸材。「全日本の選手はやっぱりみんなうまい。トリプルアクセルを早く跳べるようになりたい」と強い決意をみせた。
■ジャンプを本番で決める“スター性”
世界と戦うには、やはり男子はジャンプが必須条件だ。そのためには、安定した基礎スケーティングや体力を練習で身につけ、さらには本番への集中力や勝負勘も必要になる。
試合だけを見てしまうと、ジャンプで失敗した選手はもともと跳べないように感じられてしまうが、誰もが普段の練習ではノーミスの演技をしているからこそ、本番でもそのジャンプ構成に挑んでいる。練習でできたことが本番で出せるか――。その“本番力”を全日本選手権という大舞台で発揮してこそ、魅力あるスケーターとして認められる。
2009年も2010年も全日本選手権での4回転成功者はゼロだった。しかし、「4+3」を決めた高橋、初めて4回転のコントロール術をつかんだ小塚、ショートでの4回転の失敗というプレッシャーを乗り越えた羽生、無良、村上――。4回転ジャンパーが5人も現れた2011年は、日本男子のスター性のきらめきに心を奪われる大会となった。
<了>
全日本選手権の男子シングル。それは、かつてない世界的にも高レベルなジャンプ合戦となった。ショートでは、高橋大輔が練習では全く挑戦していなかった「4回転+3回転」をクリーンに成功。それに刺激されたのか、フリーでは4人が4回転ジャンプをクリーンに成功させた。稀に見る4回転のオンパレード。技術力や精神力に加え、ここ一番の大会で大技を決めるスターとしての資質を、多くの選手が示す大会となった。
■高橋大輔「ここで守るより攻めた方が良い」 見せた勝負師の勘
たった1本のジャンプで、今回の男子大会のすべてを手中にしてしまったのが高橋だ。ショートプログラムで、2005年世界選手権以来となる「4トゥループ+3トゥループ」をクリーンに成功。公式練習では全く練習していない「4+3」の成功に、会場は興奮の渦に包まれた。
25歳。フィギュアスケート選手としてはベテランの域に入った高橋の念頭にあるのは、ソチ五輪の金メダルだ。すべての試合は、そのためのステップ過ぎない。パトリック・チャン(カナダ)が昨季から確実に決めている「4+3」が必要という思いは強かった。
高橋は、公式練習で4回転トゥループをクリーンに成功。調子が上がっている手応えをつかむと、ここ一番で勝負に出た。
「いつかはやる日がくるなら、こういった緊張感の中でやる方が自分のためになる。ここで守るより攻めた方が良い。自分でも半信半疑で不安でしたが、これを越えていかないと、と思ってやりました」
もちろん闇雲に跳んだわけではない。成功への布石は、オフシーズンに磨いた基礎スケーティングだ。膝のボルトを取る手術のあと、「しばらくジャンプの練習ができないなら」と、フランスでアイスダンスの元世界王者らのもと、スケーティングやエッジワークの指導を受けた。「スケーティングに関する考え方が変わった」と高橋。氷に吸い付くような滑らかなすべりと、瞬時に深いエッジに乗りかえるエッジワークを身につけた。
ジャンプを成功させるための条件には、(1)エッジへの適切な体重のかけ方、(2)踏み切るタイミング、(3)スピードなどがある。エッジワークが安定したことで(1)の条件を確実に満たし、それが4回転の成功率アップにつながった。だからこそ、単なる4回転の成功ではなく、さらにレベルの高い「4+3」につながったのだ。
「スケーティングが良くなった事でジャンプに集中できているし、今回はタイミングが全て合っていた」
ショートで96.05と高得点をマークしたが、フリーはジャンプミスを連発し3位。ショートの得点に助けられ254.60で逃げ切りの優勝を果たした。「こんな演技をしている場合ではない。GPファイナルの疲れが出てしまい、自分の調整ミス」と反省。天才的な演技の後に、弱さが出る演技で次への課題をつくるあたりもまた、スターの証か。ソチの金メダルへとつながる一歩を記した。
■小塚崇彦「コントロールできた」新たな4回転のステップへ
小塚崇彦は、彼らしい、堅実に成果を積み上げていく試合を見せた。今シーズンはGPで本領を発揮できず、ファイナル進出を逃しての全日本。11月のNHK杯後、新調したばかりだった靴もやっと足になじみ、しっかり練習に集中できた。練習を自信にするタイプ。だからこそ、自信と、自身への期待があった。
「すごい緊張した。スピンでは足が震えていて波打っていた」というショートでは、4回転を回避し、今季初となるノーミスの演技。「練習を確実に積んできて、やっと今シーズン自分のすべりができました」。
そして一番の技術的課題である4回転で、新たな一歩を記す。フリーの朝の公式練習では、身体のキレが良く、スケーティングのスピードがいつもより増していた。4回転ジャンプはミスが続いた。しかし、練習量をこなしていたからこそ、普段との違いに気づいた。
「スピードが出すぎていた。スピードさえ抑えれば、あとの部分はコントロールできている。不安要素はない」。
そう考えるとフリー本番は、助走のスピードを調整し、これまでの全試合で最もクリーンな4回転トゥループを決めた。「コントロールの中にある4回転だった」。成功する術を手にした瞬間だった。
「やっと今シーズンのスタートに立てたという気持ち」と小塚。銀メダルを手にすると、世界トップスケーターとしての小塚の顔を取り戻していた。
■羽生結弦、フリー1位も「悔しい」
最終滑走となったショート。高橋の4回転成功、小塚の4回転回避を受けての登場。羽生は迷わず4回転トゥループに挑んだ。しかし、力んで空中で身体がバラけると3回転で両足着氷に。「6分間練習では4回転+3回転が入っていたのに。納得できない。力がまだ余ってる」と4位発進を悔やんだ。
そしてフリー。今季、確実にしつつある4回転トゥループを見事に成功させ、波に乗った。トリプルアクセル2本など次々とジャンプを決めていく。ところが最後の最後、決して彼にとっては難しくない3回転サルコウが1回転になった。
「気持ちが空回りしてましたね。1回転になって、空中で時間が止まりました。ああ、これどうしよう、やっちゃった?って」。演技直後は、何度も膝をたたいて、全身で悔しがった。
終わってみればショート4位、フリー首位で総合3位。「サルコウが1回転になっても点が出たのは成長した証。この悔しさを持って世界選手権に臨みたい」と力強く語った。
■町田樹「どんなジャンプでもファイトで降りる」
トップスケーターにとって一番必要な能力を、とうとう今季身につけたのが町田樹だ。その能力とは、「感触が良くないジャンプでも何とか成功させる」という能力だ。踏み切った後に感触が良く綺麗に回ったジャンプだけを成功させているのでは、いつまでたってもジャンプは一か八かになってしまう。どんな踏み切りになっても空中でまとめる能力は、トップに行くために必ず必要になる。
「今シーズンは、『危ないジャンプでもファイトで降りる』という練習をしてきました。やっと踏みとどまるパワーがついてきたと思います。ものすごい緊張のなか焦らずに耐えられたのが、成長できたところです」
ショート3位、フリー6位、総合4位と、ファイトでつかんだ四大陸選手権の切符。同選手権の舞台となるアメリカでは、ひと回り成長した演技を披露するつもりだ。
■日本一の雄大さ 4トゥループの無良崇人、4サルコウの村上大介
日本男子の中でも、高さと飛距離のあるパワフルな4回転を持つ、無良崇人と村上大介。その2人ともがショートの失敗から巻き返し、フリーで完璧な4回転を披露するなど、存在感を示した。
ショートから果敢に4回転トゥループに挑んだ無良。しかしタイミングが合わず2回転になってしまうなどミスが続き12位と出遅れた。しかしフリーでも臆することなく挑戦。誰よりも高さとスピードのある雄大な4回転トゥループを成功させ、意地を見せた。フリー4位、総合で5位に食い込むと四大陸選手権への切符も獲得。次の大舞台ではショート、フリーともに4回転をそろえ、力を発揮したい。
日本で唯一、4回転サルコウを持つのが村上だ。ショートではうまく回転軸に入れず転倒したが、フリーではスカッとする切れ味の良い4回転サルコウを成功させた。「今シーズンは確率が高くなっていたので、絶対にショートから入れたかった。フリーでは不安ななかで何とかベストを尽くせたのが良かった」と村上。ショート9位、フリー5位で総合6位。「来年はショート1本、フリー2本を入れたい」と誓った。
■混戦、世界ジュニアの切符は田中、宇野、日野が獲得
世界ジュニア選手権(2月27日~3月4日・ベラルーシ)の代表は、全本ジュニア選手権、ジュニアGPファイナル、全日本選手権の3つの総合結果で判断される。結果的に選出されたのは、全日本という大舞台で力を発揮した上位3人の、田中刑事、宇野昌麿、日野龍樹だった。
全日本ジュニア王者の日野は、トリプルアクセルをショートで1本、フリーで2本降り、昨シーズンより確実に上がったジャンプ力を示した。フリーは大きなミスなく最後まで集中力を保つと、終わった瞬間は感無量といった様子を見せ、総合10位につけた。
昨季の世界ジュニア銀メダリストの田中も、トリプルアクセルを計3本そろえる貫禄の演技で総合7位。「男子がみな4回転を跳んでいるので焦っているけれど、まずはトリプルアクセルを確実に跳んでいくこと。フリーは最終グループの緊張に負けなかった」と手応えをつかんだ様子だった。
総合9位に入った宇野はまだトリプルアクセルはないが、身体が小さいわりにスピードのあるスケーティングや、音感のある演技に大きな伸びしろを感じさせる逸材。「全日本の選手はやっぱりみんなうまい。トリプルアクセルを早く跳べるようになりたい」と強い決意をみせた。
■ジャンプを本番で決める“スター性”
世界と戦うには、やはり男子はジャンプが必須条件だ。そのためには、安定した基礎スケーティングや体力を練習で身につけ、さらには本番への集中力や勝負勘も必要になる。
試合だけを見てしまうと、ジャンプで失敗した選手はもともと跳べないように感じられてしまうが、誰もが普段の練習ではノーミスの演技をしているからこそ、本番でもそのジャンプ構成に挑んでいる。練習でできたことが本番で出せるか――。その“本番力”を全日本選手権という大舞台で発揮してこそ、魅力あるスケーターとして認められる。
2009年も2010年も全日本選手権での4回転成功者はゼロだった。しかし、「4+3」を決めた高橋、初めて4回転のコントロール術をつかんだ小塚、ショートでの4回転の失敗というプレッシャーを乗り越えた羽生、無良、村上――。4回転ジャンパーが5人も現れた2011年は、日本男子のスター性のきらめきに心を奪われる大会となった。
<了>
フィギュアスケート 氷上の華
http://number.bunshun.jp/articles/-/183657/
母と一緒に滑った浅田が全日本でV。
男子は最強の世界選手権代表トリオ。
大阪・なみはやドームに集まった5千人あまりの観客たちが、静まり返った。大勢集まったカメラマンたちのシャッターの音も、心なしか遠慮がちに聞こえる。
12月24日、クリスマスイブの日に開催された全日本選手権、女子ショートプログラム。氷の上にいるのは、浅田真央だ。12月9日に最愛の母親を亡くしたばかりの彼女は、以前よりもさらにほっそりし、顔色が少し沈んで見える。それでもこの大会に出てきたのは、本人の希望だった。報道陣には、「選手への質問は競技のことのみ」とあらかじめ日本スケート連盟から規制がしかれていた。
演技終了後、天から見守る母に向かって微笑むようだった浅田。
シェヘラザードのメロディがはじまり、滑りはじめる。2アクセル、3フリップ+2ループ、3ループ。ノーミスだった。観客たちもほっとしたようで、ようやく惜しみない歓声と拍手が沸き起こった。
「いつもと違う緊張があった。でも音楽が鳴り始めたら、いつも通りに滑れたと思います。終わってほっとしています。次につながる演技ができたかと思います」
普段はキラキラとよく光る瞳は、やはり少し元気がない。それでもけなげにときおり笑顔を見せながら、メディアの質問に答えた。勢いのあるすばらしい演技を見せた村上佳菜子に次いで、僅差の2位スタートになった。
そして翌日のクリスマスは、フリーの決勝だった。浅田真央は、最終グループ6人中4番目の滑走だった。「愛の夢」のメロディに合わせて、3フリップ+2ループ、2アクセル+3トウループなどを着氷していった。後半のサルコウとループが2回転になり、いくつかほかにも回転不足になったジャンプはあったものの、最後まで大きく崩れることのないまとまった演技だった。
演技が終わった浅田真央は、ほっとしたように天井を見上げた。まるで天から見守る母に向かって微笑んだように見えた。
逆転優勝。2年ぶり、5度目の全日本タイトルだった。
「選手として、やるべきことをやらなくてはならなかったので」
「得意なループで失敗したのはすごく悔しかったです。スタミナは問題なかったけれど、パーフェクトに滑れるかと思って気持ちがあせってしまって」
SPの後のときよりも、少しだけ表情が明るかった。GPファイナルを棄権した後、4日間練習を休み、再開したときは筋肉痛もあったという。
「とにかく試合まで時間がなかったので、余計なことを考えている暇がなかった。選手として、やるべきことをやらなくてはならなかったので」
そう言いながら、浅田真央は何度かぐっと何かをこらえるように唾をのみこんだ。これまでじっくり悲しむ暇もなく集中してきた緊張感が、少しだけ溶けてきたのだろうか。
「ずっと近くにいてくれているような気がしていた」
亡くなった浅田匡子さんは、ある時私にこう言ったことがある。
「フィギュアスケートは、勝った、負けたではないと思うんです。その人の生きざまをどう氷の上で見せるか。それがフィギュアスケートではないですか」
そして浅田真央は、この日なみはやドームの氷の上で、私たちに彼女の生きざまをしっかりと見せてくれた。悲しいとか、つらいということは、最後まで一切口にしなかった。
「いつもと違う状況の中で、今までやってきたことを出せればいいなと思って滑りました」
世界選手権代表が発表された後、会見の最後にこういう質問が出た。
「いろいろあった中で世界の代表に選ばれたことを、お母さんにどのように報告しますか?」
ほんの一瞬、関係者の間に緊張感が漂った。トリノ五輪で似たような質問をされた安藤美姫が泣き出してしまった一件が頭をよぎった。だがそれは、杞憂だった。
「ずっと近くにいてくれているような気がしていたので、何も報告しなくてもわかってくれていると思います」
浅田真央は、曇りのない笑顔でそう答えた。周りが思っているよりも、彼女はずっと強い。結果的に5度目のタイトルになったけれど、彼女にとってはこの場に出てきて本人らしい演技をすることだけで、大きな勝利だったのだと思う。
今シーズン最悪の出来ながら優勝を果たした高橋の覚悟。
男子は、高橋大輔が5度目の優勝を果たした。
SPでは数年ぶりに4+3のトウループコンビネーションを成功させて、96.05という高得点を獲得。演技終了後に、ガッツポーズを見せた。
だがフリーでは3度転倒という、今シーズン最悪の出来だった。それでもSPで10ポイント以上の点差をつけていた小塚崇彦をふりきり、トップを保った。
「SPでは自分でも思っていなかったほどの滑りができて、欲がでてしまった。優勝はできたけれど、演技には納得していません」
フリー後の会見で、高橋大輔はそう語った。
「今季はいろいろ新しいことにチャレンジしているので、3位以内を目指していたけれど優勝はできると思っていなかった。結果よりも内容にこだわって滑ろうと思った。最終的にはソチ五輪に行きたいし、行くのなら勝ちたい。そのために不十分なところをすべて見直していきます」
男子の世界選手権日本代表チームは世界最強!!
フリーでは羽生結弦、小塚崇彦、そして高橋の順で、特に羽生は最後のサルコウの失敗を除くとほぼ完ぺきの、素晴らしい演技だった。
この3人は、一国の世界選手権代表として、おそらく世界でも最強のチームだろう。
会見に来た高橋は、「今日はどうもありがとうございました」と、記者たちに向かってごく自然な様子で頭を下げた。2位の小塚も、3位に入賞した羽生も、チャンピオンを見習うように「ありがとうございました」と口にした。
フィギュアスケートのようなスポーツでは、品格のある立ち振る舞いの手本を見せることもまた、一流選手には求められる。
その意味でもやはりまだ日本のエースは高橋大輔だ。
王座交代はいつか起きることでも、もう少し先のことになると感じさせる大会だった。
田村明子 = 文
母と一緒に滑った浅田が全日本でV。
男子は最強の世界選手権代表トリオ。
大阪・なみはやドームに集まった5千人あまりの観客たちが、静まり返った。大勢集まったカメラマンたちのシャッターの音も、心なしか遠慮がちに聞こえる。
12月24日、クリスマスイブの日に開催された全日本選手権、女子ショートプログラム。氷の上にいるのは、浅田真央だ。12月9日に最愛の母親を亡くしたばかりの彼女は、以前よりもさらにほっそりし、顔色が少し沈んで見える。それでもこの大会に出てきたのは、本人の希望だった。報道陣には、「選手への質問は競技のことのみ」とあらかじめ日本スケート連盟から規制がしかれていた。
演技終了後、天から見守る母に向かって微笑むようだった浅田。
シェヘラザードのメロディがはじまり、滑りはじめる。2アクセル、3フリップ+2ループ、3ループ。ノーミスだった。観客たちもほっとしたようで、ようやく惜しみない歓声と拍手が沸き起こった。
「いつもと違う緊張があった。でも音楽が鳴り始めたら、いつも通りに滑れたと思います。終わってほっとしています。次につながる演技ができたかと思います」
普段はキラキラとよく光る瞳は、やはり少し元気がない。それでもけなげにときおり笑顔を見せながら、メディアの質問に答えた。勢いのあるすばらしい演技を見せた村上佳菜子に次いで、僅差の2位スタートになった。
そして翌日のクリスマスは、フリーの決勝だった。浅田真央は、最終グループ6人中4番目の滑走だった。「愛の夢」のメロディに合わせて、3フリップ+2ループ、2アクセル+3トウループなどを着氷していった。後半のサルコウとループが2回転になり、いくつかほかにも回転不足になったジャンプはあったものの、最後まで大きく崩れることのないまとまった演技だった。
演技が終わった浅田真央は、ほっとしたように天井を見上げた。まるで天から見守る母に向かって微笑んだように見えた。
逆転優勝。2年ぶり、5度目の全日本タイトルだった。
「選手として、やるべきことをやらなくてはならなかったので」
「得意なループで失敗したのはすごく悔しかったです。スタミナは問題なかったけれど、パーフェクトに滑れるかと思って気持ちがあせってしまって」
SPの後のときよりも、少しだけ表情が明るかった。GPファイナルを棄権した後、4日間練習を休み、再開したときは筋肉痛もあったという。
「とにかく試合まで時間がなかったので、余計なことを考えている暇がなかった。選手として、やるべきことをやらなくてはならなかったので」
そう言いながら、浅田真央は何度かぐっと何かをこらえるように唾をのみこんだ。これまでじっくり悲しむ暇もなく集中してきた緊張感が、少しだけ溶けてきたのだろうか。
「ずっと近くにいてくれているような気がしていた」
亡くなった浅田匡子さんは、ある時私にこう言ったことがある。
「フィギュアスケートは、勝った、負けたではないと思うんです。その人の生きざまをどう氷の上で見せるか。それがフィギュアスケートではないですか」
そして浅田真央は、この日なみはやドームの氷の上で、私たちに彼女の生きざまをしっかりと見せてくれた。悲しいとか、つらいということは、最後まで一切口にしなかった。
「いつもと違う状況の中で、今までやってきたことを出せればいいなと思って滑りました」
世界選手権代表が発表された後、会見の最後にこういう質問が出た。
「いろいろあった中で世界の代表に選ばれたことを、お母さんにどのように報告しますか?」
ほんの一瞬、関係者の間に緊張感が漂った。トリノ五輪で似たような質問をされた安藤美姫が泣き出してしまった一件が頭をよぎった。だがそれは、杞憂だった。
「ずっと近くにいてくれているような気がしていたので、何も報告しなくてもわかってくれていると思います」
浅田真央は、曇りのない笑顔でそう答えた。周りが思っているよりも、彼女はずっと強い。結果的に5度目のタイトルになったけれど、彼女にとってはこの場に出てきて本人らしい演技をすることだけで、大きな勝利だったのだと思う。
今シーズン最悪の出来ながら優勝を果たした高橋の覚悟。
男子は、高橋大輔が5度目の優勝を果たした。
SPでは数年ぶりに4+3のトウループコンビネーションを成功させて、96.05という高得点を獲得。演技終了後に、ガッツポーズを見せた。
だがフリーでは3度転倒という、今シーズン最悪の出来だった。それでもSPで10ポイント以上の点差をつけていた小塚崇彦をふりきり、トップを保った。
「SPでは自分でも思っていなかったほどの滑りができて、欲がでてしまった。優勝はできたけれど、演技には納得していません」
フリー後の会見で、高橋大輔はそう語った。
「今季はいろいろ新しいことにチャレンジしているので、3位以内を目指していたけれど優勝はできると思っていなかった。結果よりも内容にこだわって滑ろうと思った。最終的にはソチ五輪に行きたいし、行くのなら勝ちたい。そのために不十分なところをすべて見直していきます」
男子の世界選手権日本代表チームは世界最強!!
フリーでは羽生結弦、小塚崇彦、そして高橋の順で、特に羽生は最後のサルコウの失敗を除くとほぼ完ぺきの、素晴らしい演技だった。
この3人は、一国の世界選手権代表として、おそらく世界でも最強のチームだろう。
会見に来た高橋は、「今日はどうもありがとうございました」と、記者たちに向かってごく自然な様子で頭を下げた。2位の小塚も、3位に入賞した羽生も、チャンピオンを見習うように「ありがとうございました」と口にした。
フィギュアスケートのようなスポーツでは、品格のある立ち振る舞いの手本を見せることもまた、一流選手には求められる。
その意味でもやはりまだ日本のエースは高橋大輔だ。
王座交代はいつか起きることでも、もう少し先のことになると感じさせる大会だった。
田村明子 = 文
派遣選手まとめ
■世界選手権(2012.03.26 - 2012.04.01)フランス
男子:髙橋大輔、小塚崇彦、羽生結弦
女子:浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子
ペア:高橋成美&マーヴィン・トラン
アイスダンス:キャシー・リード&クリス・リード
■四大陸選手権(2012.02.07 - 2012.02.12)アメリカ
男子:髙橋大輔、町田樹、無良崇人
女子:浅田真央、村上佳菜子、今井遥
ペア:高橋成美&マーヴィン・トラン
アイスダンス:キャシー・リード&クリス・リード
■世界ジュニア選手権(2012.02.27 - 2012.03.04)ベラルーシ
男子:田中刑事、宇野昌磨、日野龍樹
女子:佐藤未生、宮原知子、庄司理紗
男子:髙橋大輔、小塚崇彦、羽生結弦
女子:浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子
ペア:高橋成美&マーヴィン・トラン
アイスダンス:キャシー・リード&クリス・リード
■四大陸選手権(2012.02.07 - 2012.02.12)アメリカ
男子:髙橋大輔、町田樹、無良崇人
女子:浅田真央、村上佳菜子、今井遥
ペア:高橋成美&マーヴィン・トラン
アイスダンス:キャシー・リード&クリス・リード
■世界ジュニア選手権(2012.02.27 - 2012.03.04)ベラルーシ
男子:田中刑事、宇野昌磨、日野龍樹
女子:佐藤未生、宮原知子、庄司理紗
全日本選手権
http://www.skatingjapan.jp/National/2011-2012/fs_j/national/index.htm
■男子結果
1. 高 橋 大 輔 関西大学 (1 3) 254.60
2. 小 塚 崇 彦 トヨタ自動車 (2 2) 250.97
3. 羽 生 結 弦 東北高校 (4 1) 241.91
4. 町 田 樹 関西大学 (3 6) 213.48
5. 無 良 崇 人 中京大学 (12 4) 204.21
6. 村 上 大 介 陽進堂 (9 5) 203.41
7. 田 中 刑 事 岡山理大附高校 (6 7) 201.45
8. 中 村 健 人 立教大学 (5 9) 195.94
9. 宇 野 昌 磨 グランプリ東海クラブ (7 10) 190.42
10. 日 野 龍 樹 中京大中京高校 (11 8) 188.30
■女子結果
1. 浅 田 真 央 中京大学 (2 2) 184.07
2. 鈴 木 明 子 邦和スポーツランド (3 1) 179.27
3. 村 上 佳菜子 中京大中京高校 (1 6) 172.69
4. 今 井 遥 日本橋女学館 (5 5) 166.67
5. 佐 藤 未 生 グランプリ東海クラブ (7 4) 163.86
6. 宮 原 知 子 関西大学中・高スケート部 (15 3) 163.85
7. 庄 司 理 紗 西武東伏見FSC (11 7) 156.47
8. 西 野 友 毬 武蔵野学院 (4 11) 156.45
9. 鈴 木 春 奈 新横浜プリンスFSC (9 8) 156.23
10. 村 元 哉 中 神戸PFSC (6 9) 154.11
■ペア結果
1. 高 橋 成 美 マーヴィン トラン 木下クラブ・カナダ (1 1) 164.97
■アイスダンス結果
1. ブリナ オ イ 水 谷 太 洋 十条FSC・長野市スケート協会 (1 1) 114.21
2. 平 井 絵 己 マリオン デ ラ アソンション 関西大学・BFSC (2 2) 106.99
3. 竹 井 杏 奈 玉 田 裕 也 愛媛イヨテツSC・愛媛イヨテツSC (3 3) 75.16
■男子結果
1. 高 橋 大 輔 関西大学 (1 3) 254.60
2. 小 塚 崇 彦 トヨタ自動車 (2 2) 250.97
3. 羽 生 結 弦 東北高校 (4 1) 241.91
4. 町 田 樹 関西大学 (3 6) 213.48
5. 無 良 崇 人 中京大学 (12 4) 204.21
6. 村 上 大 介 陽進堂 (9 5) 203.41
7. 田 中 刑 事 岡山理大附高校 (6 7) 201.45
8. 中 村 健 人 立教大学 (5 9) 195.94
9. 宇 野 昌 磨 グランプリ東海クラブ (7 10) 190.42
10. 日 野 龍 樹 中京大中京高校 (11 8) 188.30
■女子結果
1. 浅 田 真 央 中京大学 (2 2) 184.07
2. 鈴 木 明 子 邦和スポーツランド (3 1) 179.27
3. 村 上 佳菜子 中京大中京高校 (1 6) 172.69
4. 今 井 遥 日本橋女学館 (5 5) 166.67
5. 佐 藤 未 生 グランプリ東海クラブ (7 4) 163.86
6. 宮 原 知 子 関西大学中・高スケート部 (15 3) 163.85
7. 庄 司 理 紗 西武東伏見FSC (11 7) 156.47
8. 西 野 友 毬 武蔵野学院 (4 11) 156.45
9. 鈴 木 春 奈 新横浜プリンスFSC (9 8) 156.23
10. 村 元 哉 中 神戸PFSC (6 9) 154.11
■ペア結果
1. 高 橋 成 美 マーヴィン トラン 木下クラブ・カナダ (1 1) 164.97
■アイスダンス結果
1. ブリナ オ イ 水 谷 太 洋 十条FSC・長野市スケート協会 (1 1) 114.21
2. 平 井 絵 己 マリオン デ ラ アソンション 関西大学・BFSC (2 2) 106.99
3. 竹 井 杏 奈 玉 田 裕 也 愛媛イヨテツSC・愛媛イヨテツSC (3 3) 75.16

