最近韓流ブームで私も韓流ドラマをすごく観ていたのですが、その中でコン・ユンさん主演で映画化もされたこの作品を映画からではなく、まず小説から読んでみたいと思い手をとりました。今回はこの本を読んだ、主婦目線、女性目線からの感想を書きたいと思います。
キム・ジヨン33歳。2歳の娘。専業主婦。これが今回の主人公。大学も出て、就職難の中やっとの思いで就職し、セクハラ、パワハラも受けつつも必死で働いてきた20代。結婚と妊娠を期に退職し専業主婦をしている。
ここまでの短文だと結婚してゆっくり専業主婦できてよかったじゃない、なんて思う人が大半。
しかし、この物語は平凡に見える日常の中で、実は様々な問題を抱えながら必死に毎日をもがいて生きている一人の女性を描いた作品だ。
ジヨンは、世の中の女性が経験したであろう事を一通り経験している。
はじまりは学校での先生からの男女差別。女だからとか男だからとかで学校の規則が厳しく、それに反発する女の子は皆先生からお叱りをうけた。電車やバスでの通学をしだすと今度は痴漢や変質者にも遭遇し、怖い思いをするのである。
男性である父からはお前の態度や身なりが悪いと言われ自分のせいにされてしまう。
もちろん加害者側が圧倒的に悪いのだか男性からみたらこちらにも非がある、といったところだろう。私も痴漢にあったことがあるのでよくわかるが、やっている方が圧倒的に悪い。通学の痴漢が酷すぎで通えなくなってしまった同級生もいた。最近になってようやく女性専用車両が出てきたが、それでも悪気もなく乗ってくる男性も多い。
形見の狭い思いをしながら我慢を強いられた青春時代はジヨンとかぶる部分があってすごく共感できた。
その後も頑張って入った大学での就職活動も二流や三流大学だと圧倒的に男性の方が就職率がよく、部活に入っている男性は先輩に雇用枠をもらえるのだ。大半はそれ目的が多い。そんな中で就職活動をするが、私もジヨンのように行き詰まりながらやっと就職。
就職難で就職したのだから、残業も我慢し土日も出勤はもちろんあった。ジヨンも同じようだった。
同級生で集まれば、給料の話になり同じ一線にたって同じ仕事をこなしていても差がついていて正直ショックだったのを覚えている。でもやはり男女で違う給料の差もしょうがない。
その一言で済んでしまったのも幼少期からの男性は大黒柱の印象の刷り込みもあったのかもしれない。
絶対に負けないという女友達もいたが、私はなんだが呆然と将来は結婚して主婦になるし。という考えが頭の片隅にあったのでそこまで競争心はなかった。
これもきっと自分の母が専業主婦で結婚したら働かずにできるだけ子育てに専念するのが良い母親というボヤッとした刷り込みもあったのかもしれない。
ジヨンは私と違って、会社も辞めたくないし、子供もまだ授かる気はないと言った感じが描かれていたが、結婚すると姑の圧力でなくなく子供をもうけることとなる。
妊婦で吐き気や眠気、体の節々の変化が苦痛でしょうがないのに会社はそれに対応してくれない。
それでも産休まで働き続けたジヨンは素晴らしいと思った。
私も妊娠中の出勤はかなりしんどかったけれど、妊婦だからと言って朝のラッシュは誰も譲ってくれないし、みんなそんな余裕はないのだ。
わかっているけど辛かったし、たまにおばあさんが譲ってあげると席を空けられるのも恥ずかしくて結局立っていた、そんな経験はジヨンも一緒だった。
子育ても日中一人でずっとワンオペ状態。
産後鬱も母親なら誰しもが少なからず経験しているはず。
そんな毎日の少しずつの辛い、疲れた、しんどい、の積み重ねでジヨンは多重人格のようになってしまった。
ここはある意味ファンタジーのような話だなと思ったけれど、それに似たようにここから少しでも離れて一人になりたい、現実逃避したいというのは少し共感できた。
子供が保育園に入れる年齢になると、どことなく働いてるママの方が偉いという頭の思考になり、専業主婦は暇人扱いされ、世間から認められてないと勝手に思い、どこかへ働きに行きたくなる。もちろん社会との繋がりも持ちたいし、一人の人間として認めてもらいたいという気持ちもあるのは確かだ。
気持ちだけ先走るがなかなか就職先は見つからない。
焦るがこの気持ちは夫に打ち明けたところで共感はされない。
短時間で、週に2、3日働く先を見つけるだけで苦労する世の中なのだ。
だからと言ってフルタイムで働ける余裕な時間もなく。
また地団駄踏む。
これが専業主婦の実態だ。
結局この物語は、一人の女性のうちに秘めた想いが交差され、それが歪みとなって多重人格のようになってしまった。
それは産後鬱の渦からいつの間にか抜け出せなくなった一人の人間の姿のようにも映った。問いかけのように終わってしまい、キムジヨンがその後救われたかまでは描かれていない。
朝一番に起きて、洗濯物を畳み、朝食を作り、子供の支度をさせて送りだし、息つく間も無く家の家事をこなし、パートに出発。お昼に何を食べたのかも思い出せないまま夕方帰宅して、すぐに子供の習い事の送迎や宿題、学校の提出物に目を通して、夕飯を作り、風呂を沸かし子供たちを入れて寝る支度をさせる。
これが優雅な専業主婦の現実。
夫は自分の疲れたーを全面にだして帰ってきて、家のことは一切しない。
お疲れ様、今日も頑張ってるね、の一言だけでも欲しいのにそれも最初だけ。
最後は愚痴のようになってしまったが、毎日頑張っている自分をもっと褒めよう。
気持ちに余裕がないのはしょうがない。たまに旦那に八つ当たりもしょうがない。しょうがないで、乗り切らなきゃいけない世の中に少しでも幸福がありますように