「全日本フィギュアをジャッジしたい」
第2子出産の中野友加里さんが抱く“夢” 4/29(日) 17:42
フィギュアスケート女子の第一線で活躍し、現役引退後はフジテレビで働く中野友加里さん(32)が今春、第2子となる長女を出産した。これまでも仕事と2歳になる長男の育児などを両立してきた中野さんは「平昌五輪のフィギュアスケートを見て、育休中にもっと競技の奥深さを勉強したくなった。将来は全日本選手権にジャッジとして戻りたい」と、新たな目標にも意欲を見せている。
2010年バンクーバー五輪出場を逃して引退した中野さんは今年2月に開催された平昌五輪で、前回のソチ五輪に続いて産経新聞の紙面評論「チェック・アイ」を担当した。
このとき、テレビ解説をしていた元五輪代表の男子スケーター、本田武史さんが、ある選手のスピンのレベルが最高難度4に達していない場面で「要素をもともと入れていないので、レベルが3になっていても『取りこぼし』ではなく、狙い通りです」などと説明していたことにうなずかされたという。
本田さんは指導者としても活躍していて、毎年のようにマイナーチェンジを繰り返すルール変更もしっかりと頭に入っている。「経験者として私ももっとスケートの奥深さを勉強できれば、幅広い目線で解説できるんじゃないか」と刺激を受けた。
中野さんは現在、国内の地方大会で審判ができるB級ジャッジの資格を持つ。A級になれば全日本ジュニア選手権、さらに最上位のN級に昇級すれば、最高峰の大会で五輪代表選考会も兼ねることがある全日本選手権でもジャッジができる。最低でも2~3年はかかるが、「目標を決めたら突き進むタイプ。時間がかかっても将来の五輪選手をジャッジできるようになりたい」と前向きだ。
トップスケーターだった中野さんは引退と同時に競技とは距離を置いた。プロとしてアイスショーに出演したり、振付師や指導者になる道もあったが、自らを「安定志向」と言い切り、大学時代の早朝練習前に見ていたフジテレビの「めざましテレビ」の影響でテレビ局への就職を志した。
入社後、最初に配属されたのは映画事業局。フジテレビが手がける映画の宣伝業務などに携わった。新人時代は弁当の手配から関係者の差し入れ100人分を買いに走ったこともあった。「元スケーターという肩書が役に立つ世界ではない。現場で吸収するしかなかった」とゼロから仕事を学んだ。その後、念願だったスポーツ局に移り、2014年ソチ五輪は現場取材も経験した。
15年に結婚し、翌年8月に長男を出産。育休から復職後は時短勤務で番組予算などを管理する部署で働く。「どうすれば効率よく仕事を終えて、保育園への迎えに遅れないかを考えるようになった。他の社員の皆さんの協力も欠かせません」と打ち明ける。
家事、育児、仕事と忙しい中で、再びフィギュアスケートの勉強もしようと思うきっかけになったのは横浜のカルチャーセンターに講師として招かれたことだった。
「新シーズンから大幅変更があるといわれるルールはどうなるのか」などと熱心な質問が飛び交い、より正確に分かりやすく伝える知識が必要と、これまで以上に実感したという。
同世代のスケーター仲間では荒川静香さんや安藤美姫さん、織田信成さん、小塚崇彦さん、無良崇人さんら子供を持つスケーターも多くなった。
「いつかパパ会、ママ会をしてみたい。昔の懐かしい話をしながら、みんながどんなふうに子育てをしているのか、ぜひ聞いてみたいです」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180429-00000523-san-spo