松本零士先生が、13日に亡くなっていた事が発表されました。私の上司もそのニュースが信じられなかった様子で、私がネットでその訃報を目にした時に、「ま、まつもとれいじって誰…?」と聞いてきたりする程でした…松本零士ですよ!
『宇宙戦艦ヤマト』や
『銀河鉄道999』、
『宇宙海賊キャプテンハーロック』といった一連の松本作品は、SFとは縁遠い少年だった頃の我々に、大宇宙へのロマンを教えてくれました。
そして、「男とは何か」という事をも教えてもらいました。
「男にはな、負けると分かっていても行かなければいけない時もある。死ぬと判っていても戦わなければならない時がある(ハーロック)」
「明日の為に今日の屈辱に耐えるんだ、それが男だ!(沖田十三)」
その背景には、松本先生の父の松本 強氏の存在がありました。強氏はかつて陸軍のパイロットで、戦後に同僚の多くが航空自衛隊へと転身を図る中、「敵の機体に乗れるか!」と言って断り、行商を行ないながら家族を養っていた程でした。その誇り高い父親の姿は、後にハーロックや沖田十三のモデルとなりました。松本先生自身も、進駐軍がバラ撒くキャンディーを、食べたいのを我慢して下駄で踏み潰したという逸話があります。もっとも、そうした性格は「頑固」と紙一重とも言え、後に『ヤマト』の著作権裁判で争ったりする事になりました。
今となっては、謹んでご冥福を…と言うべきところでしょうが、その魂は、遠い宇宙へと旅立ったのかもしれません。先日、H3ロケットが射ち上げ直前になってエンジンがストップしましたが、ひょっとして松本先生の魂を待っていたんでしょうか…?