2月よりいらっしゃった利用者さんは変形性膝関節症を患い、廃用症候群も進み、入院されていました。
退院に伴い、立位も困難なため、在宅で生活ができるのか、どうしたらいいのかとご家族からケアマネージャーさんにご相談があり、まんぞくへと通われることになりました。
目的の一つは、他の利用者さんとの交流ができること。
初回の予定は送り出しの際に外出拒否もあり来られず。2回目の際は強い帰宅願望からの不穏がありました。
「こんなところに来るはずじゃなかった。おかしを買いに行くって言ってたのに….。」
そこで、まず送り出しの際に、本当のことを伝えてもらうことにしました。
私たちも「今日はお昼ごはんに○○を皆で作ります。一緒にお願いできますか?」といった声掛けから始めてみました。現在では一品をカットから、IH調理機を使用して炒め、盛り付けるというところまでされるようになりました。
調理やレクリエーションの活動を通じ、また、ご本人の元々気さくな性格から、他の利用者さんと打ち解けるのに時間はかかりませんでした。
もう一つの大きな目的に入浴があります。
小規模のデイサービスであるため、手すりやバスボードはありますが、大きな施設のように機械浴などの施設は整ってはおりません。
女性スタッフの方が多く、身体介護に慣れていないスタッフもいるため、皆で安全に対応できるスキルアップが急務となりました。
まず、お手洗いや車いすから椅子への移乗など、2人介助にてどのスタッフでも介助できるようにしました。
入浴は利用者さんも私たちスタッフもまず慣れるまで、シャワー浴にて対応しました。
「気持ちがいい、さっぱりした」と利用者さんの笑顔が、励みとなります。
週に1回の御利用ですが、何回か重ねていくうちに、利用者さんもスタッフも経験値が積み、支え立ちをしている間、ご本人の足にも力が入ることがわかりました。3ヵ月が経過し、バスボードを使用し、2人介助で湯船へと浸かっていただきました。
「本当に気持ちがいい、はじめてお風呂に入れた」と大変喜んでいただき、更にひと月が経過しようとしています。
次の目標は、つかまり立ちができることです。できたら足の爪にペディキュアを塗りましょうと、ご本人も楽しみにしてもらっています。
まんぞく介護が提供したいサービスは、技術的なものだけでなく、安全で安心を提供できるサービスです。
同時に「心のよりどころ」となれるよう想いを汲み、寄り添う介護を目指しています。
ハマダ