在宅勤務が続いているので資料を取りに会社に。公共交通機関は使いたくないと言う「言い訳」をしてカブで35km先の会社へ。資料を取った帰宅、と思ったが天気も良いし、ふと子供の頃に住んでいた街(会社から12km)へ。中学1年の時に転校したから、、50年ぶりになる。道々、同級生を思い出そうと考えたが殆ど思い出せない。でも、何人かは名前と特徴が出て来た。街道沿いで薬局の家のT君、足が早くて市の大会で優勝したT君、50年前だから個人商店の薬局はもう無いだろうな、なんて思いながらカブでトコトコ。町が近づいて来たが街並みや景色が変わりすぎていて実感がわかない。本当にここは子供の頃の記憶にある町なのか? でも変わらないものがあった。バス停の名前! この道、昔は市電(チンチン電車)が走っていたんだよなぁ、。T君家のxx薬局は、確かこの辺だったはず。きんだいてきなマンションや建物の間に小さな建家が数件、リフォームはしてあるので古いと言う感じは無いけど周囲の建物が大きいので返って目立って見えたその家屋のうちの1軒の看板、xx薬局! ウソッ!! あった!! どうしよう?って、行くしかないでしょ! カブを停めてヘルメット脱いで、おそるおそる中へ。60前後の薬剤師が1人。「あのぉ〜、突然変な事をお尋ねしますが、xx薬局の息子さんで今年63歳になるT君っておられますでしょうか? 」この瞬間、薬剤師の顔が怪訝な様子。もしかしたら警察、もしかしたら探偵?逆の立場ならそう思うかも。で、続けて、「あっ、私、子供の頃、この辺りに住んででxx中学だったんです、途中転校しちゃったんで、ふと懐かしくて50年ぶりに子供の頃、育った町に。で足の早かったT君を思い出して、もしかしたらと思って訪ねた次第です。」
この時点で薬剤師さんは必死に私の顔を思い出そうと! 無理無理!私もぼんやいと子供の頃の顔しか覚えて無いし、覚えているのは、足が速かった、とか、頭が良かった、とか、そう言う記憶だけだもんね。で、突然の訪問の理由が分かってもらえたとき、奥から奥さんが。話し声が聞こえてたらしく、「そうそう!この人、子供の頃は足が速くて市の大会でも表彰台になんども登ったって自慢してたのよ」って! そう、この薬剤師さん、T君でした!! お互い顔は覚えて無くても昔話をしていると記憶が蘇って来て、あんな奴がいたな、とか、先生の名前やあだ名とか! 個人商店の薬局なので、長居すると仕事の邪魔になるので連絡先を交換して手を振ってバイバイしました。
もう一度、会う事があるのかわからない、でも、50なんまえの自分を知っている人がそこに居ると分かった。例えようのない青空のような心地です。
そうそう、子供の頃は広い道、と思っていた道、大人になった来てみると、こんなに狭い道!って。 カブで来て良かった!