富山和子氏は「川ーそれは日本人にとってかけがえのない大地だった」と書いている。含蓄のある分だ。このことについて考察してみる。日本列島が出来たころは乾燥した不毛の大地だった。やがて、太平洋プレートの圧力で盛り上がり、日本列島に背骨のように山脈が形成された。湿気を含む太平洋や日本海からの風が斜面を駆け上がると冷やされて雨や雪が大量に降るようになり、無数の川が形成される。川の河口近くの海は栄養分が豊富に流れ込むために魚貝類が豊富に取れるようになる。人は水なしには生きられない。最初にさがすのは川である。これは縄文時代から形成された日本の精神構造だ。川との戦いから灌漑水利の技術が生まれ文明が始まった。