新橋演舞場 「花の生涯」 | 満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

              新橋演舞場 「花の生涯」
 
                  6月29日(土) 夜の部
 
    
     【 花の生涯 】   ~3~
     ナレーション: 柴田侊彦
 
     世に言う 「 安政の大獄 」 である。
      主膳は文字通り ” 鬼 ” となった。
            直弼の夢を実現するため、取り締まりは京、江戸にとどまらず、水戸
      斉昭公、橋本左内、吉田松陰、遠く薩摩の西郷吉之助など、攘夷派の
      志士のみならず、町人、公家に至るまで、容赦なく刑罰が科されていった。
                            
 
      井伊直弼襲撃のうわさが飛び交っていた。
 
 
            そして、安政7(1860)年、3月3日
 
 
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     面白や
     頃は弥生の半ばなれば 
     波もうららに 海のおも
 
     霞わたれる 朝ぼらけ
 
     のどかに通ふ 舟の道         
     
        
 
 
                
                            
                                  安政7年、3月3日朝
 
    (佐登)     今朝のご登城は、お控えなされては、、。
              鼓がこのように破れては、あまりに不吉にございます。
              それに弥生というのにこの雪、、。
                      
          (直弼)    今朝は、思いのほか鼓がよう鳴ってな。
              いつまでも修行が足りんな。
              いま、この国を動かすことができるのはこの男のみじゃと、まあな
              こう思うて登城するのもいいものだ。
 
      (佐登)        それは、もののふの本懐ではありましょうが、お命を狙われてまでも、、。
 
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    佐登の心配を振り切るように、
  直弼は姫の”雛の祝い”を皆で
   するよう支度を言いつけた。 
 
 
 
 
       そこへ、密偵となっていた御高祖頭巾姿の ” たか” が直弼の行列襲撃
    情報を掴んで、登城を思いとどまるよう、身の危険を知らせに忍んできた。
 
   (直弼)      久しいのう。
 
    (たか)   ながの後無沙汰でございました。
 
    (直弼)     変わらぬな。 京での働き、心の中で手を合わせておったぞ。
 
    (たか)   あれは、わたくしの道楽でございます。 もう、おやめくださいまし。
 
 
         おとりの駕籠を出すことも、万一のためにと、”たか”が差し出す拳銃も
       直弼は断る。
 
 
    (直弼)   わたしは、ただ自分らしくありたいのだ・・・・ありがとう。
            
    (たか)  直弼さま
 
    (直弼)   たか
 
 
         万感の思いで直弼の名を呼ぶ”たか”に、直弼は深くうなずいて、
         決然と江戸城へ向かうのであった。
 
                これから直弼の身の上に降りかかるであろう運命を予感して、
        大きな不安のまま立ち尽くす”たか”。
 
        冷たい雪が舞い上がっていった。
 
 
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