満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

          連続テレビ小説再放送  

 

    「無頼人」上映は、わずか1週間で打ち切り。「無頼人パートⅡ」は撮影中止。

     専属俳優は自宅待機となったため、美月はずっと家の中で過ごしていた。お母

     ちゃまは、休学扱いにしてもらっている女子大に戻るよう、美月を説得する。

             そのことはみんな知っていることなのかと問う美月に、滝乃は黙って頷いた。

              なぜなら、大学を休学扱いにしてもらっていることはお母ちゃまの愛情であ

              り、まだ18歳の美月が、間違った道に進みそうになったらすぐ出直せるよ

              う、環境を整えておいてあげることも、パパやママ、お母ちゃまの務めでは

      ないかと固く信じているから。

 

                                                  その頃、佐々木家では

               梓が荷物をまとめて出ていこうとしているところを、愛子が必死で引き止

               めていた。「3畳の部屋で勉強できひん者が、何ができるねん。」とパパ

     は冷たい。

                    梓の考え

     家賃5000円の部屋を見つけたし、中元、暑中見舞いの時期はデパート

     の製品梱包のバイトがいいお金になる。予備校の夏季講習の授業が終わっ

     た後、夜中まで働いたら、やっていける。

 

           身体が持つ訳ないでしょうと、大反対の愛子。

     アパートの住所を渡し、残りの荷物は後で取りに来ることにして梓が家を

     出ようとしているところへ、美月が「ママ~」と飛び込んできた。

                             「私が休学扱いになってること、知ってたん?」

                     実家の佐々木家では、梓が家を出ようとしている・・・

                                                        「こんな風になってたんや」

       

                    「ほっとけ、子供はいつか離れていくんや」「さよならだけが人生や」

                      とパパは英語で呟き、ひたすらタイプの音を響かせていた。

 

                  雀蓮尼の占い

         「何ゆえ、『無頼人』はコケたんでございましょう。」

      「申したはずや。太き幹の一本は、銀幕に新しき光を与えようと。」      

          「まさか、その幹は幸太郎ではなかったと、、。」

      「太秦の野に新しき若竹の萌芽が見ゆる、と申したはずや。太き幹は

       他にもおったやも知れぬ。」 「いずこに、、、」

           「ふ~~ん」 「、、、、」「、、、、」

          「過ぎたことは帰らぬ。ぐだぐだ言うでない。」

      

         「小さき絵に合う、若竹の盆を探しなはれ。」「は」

      「それは、テレビのことでございましょうか。 若竹はいずこに?」

     「あんたらの足元に竹の子が仰山ありますがな~。古い、臭い竹は、みな

      バッサリと切りなはれ。」

                   「御意」

 

                   椿屋にて

       

       「どうも、お久振りでございます。」「当たらへんかったな。」

     「いや、『無頼人』の惨敗、、黒田、生涯の不覚。申し訳ございません。」

       「監督がアホやから、作品もボケるんや。」

       

    「いやいや、しかしながら、それも全てこの黒田の責任。ここは一つ、幹先生

     に役員にお成り頂いてですな~」「やめてくれ。重役にしてもろて喜ぶよう

     な幸太郎やない。」

      

           「役員報酬に加えて、ギャランティも今の~」

    「金やない、作品なんや。問題は、『無頼人』だけやない。大京映画には企

     画力がない。監督も不勉強や。社長には役者として見出してもろたし、仲

     人もしてもろうたし、感謝してます。けど、役者としての将来をあんたに

     託す気にはなれん。」「幹先生、、、」     

    「幸太郎はフリーになって、身一つの身に戻って、自分の新しい道を探って

     いくわ。テレビでもええ。映画には拘らんつもりや。」 

 

               滝乃、コーラを運んでくる。     

       

     「コーラという飲み物も、あんたに初めて飲ましてもろた。懐かしな~。 

      オードリーは撮影所か、会いたいな。」

       

          「こっち入り。」「今晩は、お久振りです。」

              「夜でも ” おはよう ” 言わんとこが、オードリーのええとこや。芸能界の

                垢に染まっとらん。どんな目に会おうとも、卑屈になったらあかんで。

                椿屋の娘であることも、社長の後ろ盾があることも、クリキン先生や俺

                に可愛がられたことも、み~んなオードリーの実力や。お嬢様やからこ

                そできる芸もある。誰に何を言われても、気にするな~。のびのびと生

                きろ。」

                                    「ほんま、辞めはるんですか、大京映画」

 「また、どこかで会おうな。君の瞳に乾杯 ! や。」

           梓も、幹先生も、みんな何処かへ行ってしまう。

 

                               大京映画・黒田社長の決意

      「諸君、このままでは我が大京映画は、大映の二の舞や。この黒田が、

       断腸の思いで決断した。古参監督、スタッフ、役者の数を大幅に削

       減する。」

               

                    「えぇ~」

     「それと、ええか、覚悟して聞いてくれ。我が大京映画は、テレビ界に本

      格参入する。映画は、しばらくの間、休みや。」

      

           「全国の直営館は、どうするんですか?」

        「処分するんやったら、大京ダイナマイツが先でしょう」

        大京ダイナマイツ処分の話が出て、ちょっと寂しそうな関川秘書

     「大京ダイナマイツ、それからオープンセットとステージ、これは何と

      しても売却せずに済むようにせなあかん。」

     「そのために、スタッフとともに若手を抜擢して、製作費を削減する。

      若竹の力で、低予算の新しいテレビ時代劇を作るんや。それを、当て

      るんや。

           それ以外に、我が大京映画が生き残る道はない。」

 

                 カツドウ屋では、、、

           お地蔵さん:古参の契約組はクビやな~。

         ” お地蔵さん ” は、ええがな~。奥さんが看護婦さんやもの、食べる

                     ことには困らへんやん。

             あんたも危ないで~。       一緒にせんといて。

             衣裳のマロさんも、クビやろか。

           社長もバカやない。ああいう人は、残しとくよ。

                

      やっぱりオレらやがな~。    そんなことしたら、社長と差し違えたるわ。  

                             コワ~

                 

                   おれ、高い処から跳び降りることしかできんし、日本語、苦手やし。

                   スタント専門の会社もあるけどな。

                       晋八:そないにみんな悲観せんでもええやないけ~。

      

       晋八の言う通りだよ。今が最大のチャンスかも知れない。

       杉本さんの時代にもなるわ~。いよいよ監督昇進ね。

       

             早速、樹里が杉本さんに足を絡めて来た。

     

       自分を使ってくれ、とばかりにみんな杉本さんに迫っていく。

     

     僕はテレビの監督になるつもりはないよ。映画を作るために大京映画

     に入ったんだから。 まさか、辞めはるんですか?

     判らない。でも、妥協はしたくない。

      

     「ま~、一番安泰はオードリーやな~。社長も、何があってもあの子だけ

      は切らへんやろう。コネも実力のうち、言うけど、なぁ、オードリー」

     「え? (どんな目に遭うても、卑屈になったらあかんで~と言ってくれた

      幸太郎の言葉を思い出して)はい。」

     

            誰に返事したの? 大丈夫?

 

               「カツドウ屋」からの帰り

       ジョーが夜の稽古をしているところへ、通りかかる美月。

      

      

      「錠島さん」「何しに来た」   「ここが好きなんです。これ、私

       の椅子やってん。」「帰れ」

                                    「帰れって、口ぐせなんですね」

                 

                「俺はもう終わりだけど、、、」「私、錠島さん、クビにならへんと思

                   います。」

               「わかった風なこと言うな。俺は他の大部屋より、ギャラがいいんんだ。

                  予算削減なら、まず俺から切るさ。俺が社長でも、」

              

            「何でそんな自信ないんですか?」「お前のような後ろ盾がないからだよ。

               俺はここしか生きる場所がない。役者しか道がない。施設から少年院を

               渡り歩いてきた。学歴もない。家柄もない。何もない。」

       「けど、才能がある。斬られ役でも、衣装を着けて扮装した錠島さんに

                  は華がある。誰にもない輝きが錠島さんにはある。私が社長やったら、

                  絶対錠島さんはクビにしません。」

           お互いの気持ちを初めてぶつけあった錠島と美月

                  そして、二人は、、、