パリで暮らすマノンのブログ


チビ姫様が、昨日、国立小児病院の緊急外来でひたいを縫う事件が起きました。


主人の仕事場で、おいしそうにおせんべいを食べていた姫。


何を思ったか下に手を伸ばした瞬間、落下。


ものすごい泣き声と悲鳴と、そして私の悲鳴がフロア中に響きました。


私は何が起きたのか、よく分らないまま悲鳴をあげていたのですが・・・。


反射神経抜群の主人は、ぱっと姫に駆け寄り、悲鳴をあげ続けている姫を抱きあげ、


救急箱から綺麗なガーゼを出しまくり、ひたいを抑えています。


そしてすでに、仕事場のアラームを入れていました。




しっかりして、と言われ、我に返りました。


車の鍵を投げてよこし、無言で乗り込みます。


目指すは一箇所。


パリで一番有名な国立小児病院。 ここの緊急外来には長女も次女もお世話になりっぱなし。


カルテもあるし、私たちが一番信頼している病院です。


出血が止まらないので、警察に捕まること覚悟でチャイルドシートには乗せず、後部座席に


私が抱いて乗り込みました。 もちろん痛みと、私が必要以上の力で抱いていたのが嫌だったのか


ものすごい勢いで、のけぞり泣いています。


そんなときに限ってパリはお昼の大渋滞。


これまた警察に捕まることを覚悟で、タクシーとバス専用道路を走るパパ様。


みな、車の中の様子が分るのか、あっちのほうがすいているよ、とか窓を開けて叫んでくれます。


私は私で、必死で、ひたいを抑えながら、警察を探しました。


警察は、結構市民の味方。 特にパリは、子供に関することは全面的に協力してくれるおまわりさんが


多いのです。車を先導してもらおうと、初めて、必死でおまわりさんを探しました。


でも何とか、そのまま病院へ。


長さはたいしたことないのですが、深さが結構あること、女の子なので、傷口が将来残ると


お母さん恨まれますよ、とのこと(笑)。


その場で縫うことが決まりました。


実は、チビ姫、去年の夏もこの病院で頭の手術を受けています。


またしても、ここでこの小さい子に辛い思いをさせちゃう・・・。


転ぶこと、頭を打つこと、去年の夏以来、長女よりも必要以上に気をつけていたのに・・・。


そう思うと涙が溢れてとまりません。


この病院で、子供の顔専門の外科医がたまたま、もうすぐ手術が終わり手があくとの事。


大きくなって、お化粧をしたいときに、何も分らないようにしてもらおうねーと医師や看護婦さんに


言われ、その場で同意書にサインをしました。


先生がいらっしゃって、説明を受け、道具を見ると、また涙が溢れます。


二人も産んでいるのに、だらしないママですなーと50代の男性の先生に肩を抱かれました。


たくましい黒人女性が二人登場。


ママ、焦ります。何?この人たちは何?


まだ全身麻酔が出来る年ではないので、部分麻酔で手術、このおば様たちはチビ姫を


抑える係り、とのこと。


ママ、おびえます。


手術、いや、処置、というフランス語を使われたこの10分間。


生きた心地がしませんでした。


冷静になって考えてみれば、男の子を持つママなんて、ひたいを縫うくらいの怪我は覚悟の上で


暮らしていなくちゃいけないんですよね。


でも、去年のことがあり、また私自身のだらしなさからか、涙が溢れてとまりませんでした。


ご本人?


痛み止めも抗生物質も、あまーいあまーい、ゼリーと勘違い。


大喜びで薬を飲み、鏡でひたいをみては、片言の日本語で、


いちゃーい。いちゃーい。


でも、笑っています。


チビ姫強し、そしてパパの対応、すばやし。


ママ、弱し。


そんな金曜日でした。