出会ってからのデートは、必ず夜8時にいつものラブホで待ち合わせ。
20時に入って23時前には、さよなら。
最初は何も思わなかったが、20時は遅いんじゃないかと疑い始めてしまった。
【何で20時なの?もっと早くは会えないの?もしかして・・・結婚してる?】
【お母さんが入院してて、夕食を見てるから・・・】
妹さんは居るけど、あまり料理が得意ではないみたいで・・・
それから会うたび私がご飯を作って、ホテルでご飯を食べた。彼は、いつもおいしいと言って食べてくれた。
10月中旬、私が本社で会議があった。
金曜日だと話したら、迎えに行くと言われた。家まで送ると・・・
嬉しかった。
11月は彼とお母さんの誕生月。
彼の大好きな、チーズケーキ。お母さんには体の事を思って、かぼちゃのきんつば。
筑前煮に、その他のおかずも。
初めて昼間に会った。短い時間だったけど、昼間に会えたことが嬉しかった。
11月中旬。彼の誕生日だったので、しゃぶしゃぶを食べに行った。
待ち合わせは19時。
次の日からのご飯のおかずも作っていった。手紙も添えて。
次の日に、
【あの手紙は、おまえの本当の気持ち?】
【うん。ただ、ありがとうを伝えたかったの。】
【俺の気持ちは分かった。まさかこうなるとは思わなかったから嘘を付いてたけど、おまえと一緒に居たいと思うし、毎日おいしいご飯が食べたい。】
そんなメール初めてだった。嬉しくて嬉しくて、涙が溢れた。
その後も、
自宅は、私に伝えていた場所よりも遠いと言う事。
仕事は、消防じゃなくて工場だと言う事。
年齢は、29歳じゃなくて33歳と言う事。
【何でちゃんと、教えてくれたの?】
【好きだから、ちゃんと教えたんだよ。】
全部話してくれた。
全てを教えてくれたと思っていた。
あの日までは・・・