ま~に~。オフャシィルブログ「酒音色楽」 -9ページ目

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ある町に
∞ちゃん。という小さな女の子が
いました。



彼女には
特別なちからがありました。


それは、話した人の心の中がみえるのです



はっきりみえるわけでは
ないのですが、なんとなく
ぼんやりと色分けするようにみえるのです



∞ちゃんは
そのちからのせいで
人がこわくてこわくて
自分の心を閉じ込めてしまいました。



∞ちゃん。

呼ばれても返事はしません。



∞ちゃん。

わかっていても、聞こえないふり。



∞ちゃん。

誰?∞ちゃんて?




∞ちゃんと、もうひとりの∞ちゃん。



∞ちゃんは
大きくなるごとに
もうひとりの∞ちゃんと交換日記のようなものをするようになりました。


∞ちゃんは
大人になるのに
もうひとりは子供のままでした。



そして大人になったある日
心をみても、色のみえない不思議な男の人に出会いました。



彼が言います。



∞ちゃん
君の中には何人いるの?




え?



この人、私の心がみえてる?




すると彼は
∞ちゃんの頭をポンポンとすると
もうひとりは小さなお嬢さんだね。



なんで?



なんでって、かおにかいてあるよ。




君も、今まで
ひとの心の色をみて生きてきて
人が怖かったでしょう


実は、僕も同じような子供時代を過ごしたのさ。

でも、君の色はみえない。
みえないのは、ひとりじゃないから。


僕たちのちからは
ひとりの人の色しかみえない
だから、ひとりの中に複数の人が入っているとみえなくなっちゃう。


と、分析してみてる。



おー。なるほど
そういうことか。


∞ちゃん、納得。



だから、∞ちゃん
僕の恋人になってよ。




は?



ふたりは、恋人になりました。





手をつなぎました。
はじめて、人の心を気にしないで
手をつなぎました。


人の手の温もり
優しかった。



後ろから抱きつきました。
はじめて心から甘えられました。



そして、はじめて
人を好きになれました。




そして、彼との毎日が
はじまりました。
彼の前では、もうひとりの私も
楽しそうに笑ってました。



でも、今度は不安に襲われます


彼の心がみえないから
私のことが好きなのか
気になります。


気になります。気になります。
一緒にいるのが辛くなりました。



夜の街にでます。
お酒を飲むと、人の心が気にならなくなります。


だって、酔うとみんな
色がぐちゃぐちゃになるから。




そんな時に
飲み屋で、不思議な人に出会います。



この人、何色?
心がみえないんじゃなくて
はじめてみる色。




何個も色のある人



はじめまして。


たまたま隣に座ったのも
運命だったのか。


この不思議な人と話していると
私の全部を話しても許される気がした。



彼と喧嘩してること
私が普通と違うこと
もうひとりのこと


その人は、なるほどね


と、嫌な顔もしないし
色も変化しない


頭のイカれた女だな。みたいな
態度も示さない。



なんなんだろ
この人は。



∞ちゃんは
この不思議な人のことを誰かに話したくて
うずうずした。



彼の家に行った。
私の話をしても、優しく聞いてくれる人に会ったんだ。と言った。



彼は、ヤキモチをやいていた


それは、心がみえなくても
顔に出ていた。ごめん。。




∞ちゃんは
また、あの店に行った。
あの不思議な人がいない。


店員に聞いてみる。
連絡すれば近くで飲んでると思うって



連絡??


聞いていない。




店員さんが、番号を知っていて
どこの店にいるか聞いてくれた。



そこに行ってみた。



楽しそうに
他のお客さんと話していた。



チラッとこっちを見た。


あ、∞ちゃん。
もしかして、あそこの人に
連絡させた?



はい。



このまえ、連絡交換すればよかったね




そう言って
隣の席に誘ってくれた。



なんだか落ち着く。
この人の隣は落ち着く。



でも、この不思議な人は
彼の話を聞いてくる。 


私に魅力がないのかとガッカリもする




彼がヤキモチをやいていた事も言ってみた


そしたら、彼も呼べば?と
言ってきた。




なんか、悔しいから
今度誘うことにした。



不思議な人が言ってきた
∞ちゃん。友達になろうよ。って




友達




友達




友達







友達??
わたし、ひとりもいない。
それはそうだ。相手が私の事を悪く思うとそれがみえてしまうのだ。
友達なんかには、なれない。



でも、この人なら
なれる。




∞ちゃんは
もうひとりの自分以外の友達を
はじめてつくった。



携帯電話のグループに
恋人、仕事、家族、の他に

友達が作られた




彼と喧嘩するたびに
不思議な人は相談にのってくれた



彼と三人でも遊んだ



彼と結婚することになった時
喜んでくれた



結婚するギリギリになって
こわくなった時も
話をしてくれた。




結婚したとき
泣いて喜んでくれた。




でも、引っ越したらなかなか
会えなくなった。



妊娠した。



よけいに会えなくなった

妊娠は内緒にした。



私のこのヘンテコな心じゃ
無事に産めるかわからないから



あの人は、私のことを
本当の妹のように想ってくれている



そんな事になったら
あの人を傷つけてしまう



連絡をやめた。





あの人の誕生日にも
連絡してない





それから数ヶ月
こどもがうまれた。




落ち着いて
次の日に、あの人に連絡した




顔は見えないのに
ニヤニヤしてるのがわかる



どうやら
子供好きみたいだ。





これから、私は
彼と子供と私で生きていかなければいけなくなった。





もうひとりの私は
妊娠してから1度も出てこなかった



不思議な人も
もう、不思議でもなく
私にとって当たり前の友達になった



そして
人の色が見えなくなってきた。



なんでだろう
これって、大切な人が増えたから?


それとも、人を警戒する必要が
なくなったから?



なんでだろう?


彼が言う


それはきっと
君を必要とするひとが生まれたからだよ




そっか
なるほどね。


この話の1番美味しいところを
旦那にとられた。



隣では
娘が気持ちよさそうに寝ていた。




end






小さなBARvoice2015SUMMER81


午前0時
8月を知らせるラジオの音


カウンターには
あの人を待つコースターが
奥の席に用意してある


カランッ♪


マスターに案内され
その席に女性が腰掛ける


彼女が注文をしようとした時
マスターが笑顔で、待って。と
手を開いた


彼女の瞳は
小さな期待とそれを隠そうとする素振りで泳いでいる




彼女を待っていた
コースターに、銅で作られた
マグカップが置かれました。



(NARU)


カップに彫られた彼女の名前



その中には
銅でマグカップにちなんで
モスコミュール。



なるちゃん。
誕生日おめでとうございます



前の誕生日に
ちょっと忘れちゃって
傷つけちゃいましたものね。


今年は、用意してました。
そして、あとは
あなたの来るのを待ってたわけですよ



さぁ
今年は、一緒に楽しみましょう

素敵な日に
そして、素敵な毎日をおくれますよう

なるちゃんの幸せを
祈って作りましたからね。



乾杯しましょう

それでは
ハッピーバースデー☆




小さなBARvoice

2015SUMMER81

end





小さなBARvoice7.13


この、お話しのが
はじめて皆さんの前にでて
もぅ10年が経ちました。

ここに、越して来る前は
毎日、多くの方に来ていただいて
実際に私にお酒の話しをしてくる方や
彼氏の相談。家庭の話し。
なかには、結婚する相談をしてくださった方もいらっしゃいました。

背中を押してあげて
今でも幸せな家庭を育んでる方もいらっしゃるんですよ。不思議なもので
こんな私も、誰かの力になってるんだなぁ。と思うと辞めるにやめられなくて。


そんな、中でも
本当に、たくさんの話しをしてきた女性がいましてね。
昨日、7月13日にお母さんになりました。


その娘とは、もう
10年近い付き合いで

いつも、相談をしてくるわりには
全部自分で決めて、失敗して
後悔するたびにまた
相談にきて。、、の繰り返しで

恋愛の話しや
お母さまのお話し

恋愛の話し、自分の話し
時には、誰も貰い手がいなければ
私のこともらってあげる。なんて言ってくださる優しいけれども、ちょっと危なっかしい女の子。


昨日は、心配で
なんせ、トラブルメーカーなもので
連絡が来るのをまっているのですが
流石に出産後、なかなか連絡きませんよね。


落ち着かなくて
飲みに行くのですが、ぜんぜん
酔えなくて、二時間ほど飲んで
一時間ほど歩いて帰りました。

もぅ、今夜は疲れて寝ちゃおうと
23時には、眠りにつきました。しかし

0時に、起きて携帯みて
3時に起き携帯
5時に起き携帯。。

その後、ゴロゴロしてて
結局、朝ですよ。

そして、7時40分
(ノ_<)きました。出産報告。

昨日の13時27分産まれたよって


なんでしょ。
もっと、泣くのかと思ってました。
私。

でもね、出逢ってからこの娘には
心配しかさせられなかったし
叱ってばかりだったので

震えましたよ。なんでしょ
手とかだけじゃなく
身体が震えたんです。

少しだけ、涙がこぼれて

もぅ、バカなことしないようにと
返事をしたのです。


その娘が、お母さんにも
言われたと。


本当に、この娘のお母さんと
私、一度ゆっくり食事でもしながら
この10年くらいの苦労話しをしたいと思いました。


きっと、この娘は
今まで、心配かけてきた分
子供の事、心配してしかたなくなるのかな、、とか思ってます。


今度こそ、母子三代で幸せになってもらいたいものですね。


あなた達、家族の幸せを
いつまでも、祈り続けていますからね。

新たな命に
素敵な人生がおとずれますように。



親愛なるどうしようもない妹へ
どうしようもない兄より





2015/07/14
13時27分
♪(´ε` )1日遅れだ。


end