(自分で作ったこぎん刺しのバッグ、ラオスで買った餅米を炊く籠、山椒のあたり鉢等)

 

物を増やすのが得意で、気に入ったものに関しては、手放す、諦める、という事ができない私。長期で海外に滞在するたびに、”今度こそ断捨離!” と、私の中で「かなり貴重」、と
思ったものだけを残し、あとは友達に譲るなり、フリーマーットで売るなり、試みてはきましたが、結局いつでもどこでも、また新たにお気に入りを見つけて物を増やす始末・・・。

 

手放す事もできなければ、置いて来る事も出来ない私。

長期でどこかに滞在、となるとお気に入りのものを一緒に連れて行かずにはいられません。

 

今回のインド滞在に当たっては、インドには工芸品、テキスタイル、その他可愛い雑貨の宝が待っている、とわかってはいたものの、やはり色々と持って来てしまいました。

洋服や食料品なんて全然持って来ませんでしたが、キッチン道具、趣味のこぎん刺しや裁縫道具、和紙類、無くても困らないような品々が私のスーツケースをいっぱいにしました。

 

その中でも、10年、20年、30年も使っている大事なものが何点か。

15年近く使っている、日本のフェアトレードのお店で買った、バングラディッシュ製の竹の茶漉し。何度も折れた持ち手の部分をその度に紐で巻いて修復。1000円もしないものだったし、インドで新しい竹の茶漉しを買ったのにも係らず、ずっと使い続けています。

 

20年前に、インド放浪から帰ってきた友達にお土産でもらった、ミラー付きの小さな袋。

すっかり色が褪せ、アンティーク化してしまい、何に使うわけでもないけれど、形と大きさ、デザインへの愛情は褪せません。

 

今までの人生の誕生日で一番もらって嬉しかった、サーメ族の工芸品、ククサ。
これももう15年以上、私の喉と生活を潤してくれています。コーヒー、ワイン、ありとあらゆる飲み物をこのコップで飲んでいるので、年季が入って大分いい色になりました。

中学校に入るときに、イニシャル入りで父がお祝いとしてくれた、モンブランの万年筆。

物の価値がわからず、シャープペン、ボールペンと3本セットだったのに、万年筆以外を無くしてしまってもなんとも思わなかった私ですが、(それでも10年近くは使いました)万年筆だけは残り、そして今でも愛用しています。

 

そして、今手元にある中で私の歴史上一番古くの付き合いの物も、一緒にいます。

確か、母がクリスマスのプレゼントにくれた、お裁縫セットの針刺し。

かれこれ30年以上になると思います。(ずっと象の形だと今まで思っていましたが、こうやってみると、どうやら鳥っぽいですね・・・・)

高校生の時に、和裁の授業を選択して、なんとか浴衣は仕上げましたが、当時は本当に縫い物が下手で、和裁の先生にも「あなた、不器用ね・・・」 と、言われていました。

そんな私が、今ではこぎん刺しから、すべての縫い物を手で仕上げるまでに裁縫好きになるとは思ってもみませんでした。(今でも決して裁縫上手ではありませんが。)

 

人が飽きれるらい、自分の好きなものに対しては妥協と放棄が出来ない私・・・・。

それでも、人生を共に過ごす覚悟はいつも出来ているのです。