悲しきリストラ | マニラではたらく社長のブログ

悲しきリストラ

社内のリストラを社員に通知した・・・・

会社経営者にとっては、最もツライ、苦渋の決断だ。本来ならば、決してやってはいけないこと。何年間か、何ヶ月間か、苦楽を共にしてきた社員達だから。

業績がいい時は、仕事量も多いので、社員を増やす。でも、業績が落ち込むとそれに比例して減らす。あまりにも都合のいい話なのかもしれません。実際今まではそんなことはしたこともない。

が、今回の不況により、顧客サイドの設備投資がパタンと止まり、今回だけはいよいよどうしようもない。売上と利益にあった形で、ダウンサイジングしないと、会社がつぶれてしまうから。

ただ、昨年来より、全く別の収益を生み出すビジネスモデルの企画をずっと進めてきた。好不況の波に飲まれない、画期的なビジネスモデルだと自負しているけど、それは今回の不況を見越したわけでもなく、たまたま。。

会社としての事業の柱を、日系企業や日本にある企業のみに依存するものではなく、フィリピン国内におけるビジネスに転換することで、別のルートでの売上を構築していく。

新しい分野へのチャレンジということで、その仕込みに時間がかかって入るけれど、確実に前に前に進んでいるので、必ず成功すると確信している。人間、一つのことに一生懸命になれば、傍にいる人は必ず付いてきてくれるし、必ず成功に持っていけるものだと思っている。

その成功の時まで、この大不況の中でも如何にしてふんばれるか?が、今の当社の状況であり、その一つの対策が今回の悲しきリストラ。

ただ、フィリピンの場合は、次の仕事を探せるチャンスは日本などとは比較にならないくらい少ない。リストラの対象になった社員達は当然すぐに職探しに奔走するのだろうけど、そうそう見つかるものではない。特に今の時期は企業が一斉に社員を整理し始めているから、尚更大変な時期。かつ仕事を持っているフィリピン人社員には、親兄弟、家族全体の生活がかかっているわけで、その辺のシビアさは日本人とは比べ物にならない。

本来であれば、その分雇用主は雇用者に対して、ひとたび雇用した社員に対しては責任をもたないといけない。

日本でもフィリピンでも雇用調整が社会問題になっているが、小さいながらも、自分の会社が、そして自分自身がその当事者になってみると、今まで頑張ってくれていた社員達に対して本当に申し訳ない気持ちで一杯だ。

多くの犠牲の上に成り立っている会社として、今一度決意を新たにし、赤字部門の事業は早急に黒字化を目指し、新規事業は出来るだけ早く採算ベースに乗せ、そして、残っている社員達には、今まで以上の決意で業務に当たってもらうよう、真剣な空気を社内に作っていかねばならない。

社員が減った分、残った社員個人にかかる負担と責任は当然大きくなる。今まで複数でやっていた仕事も一人でやらないといけないことも多い。ただ、それは当然の流れであり、残った人には大いなる覚悟を要求していかないと、辞めさせられた人間は浮かばれない。犠牲者が出たのにも関わらず、残っている社員でチンタラやっている者、ヘラヘラやっている者がいたら、そいつらは速攻でクビにする。そのくらいの決意で臨まないといけない。


そのためにも一日も早く、新規事業は成立させないといけないし、そして売上と利益に変えていかないといけない。今まで屋台骨を支えてきた事業は縮小モードでも、幸いにして、他の事業については、前向きな話がどんどん来ているわけで、それらをキッチリとビジネスとして成立させることが今の最重要課題だ。

そして一たび、それらが軌道に乗ってきた際には、おそらくまた人が必要になるだろう。その時は必ず、今回のリストラにあった人達にいの一番に声をかけていきたいと思う。そして、元の職場に戻れるようベストを尽くす。

今はそんな気持ちだ。