当店の研修生は現在3名。
アシスタントの2名を含めると、5名のスタッフがいます。
スクールを卒業して、現場のサロンワークを勉強したいとやってきた人、
卒業後、自宅サロンをしていた人、
サロン勤務数年を経験したものの、自分の技術に自信が持てなかった人、
スクールも行かなかったけど、
独学で学んでいた人、
さまざまです。
いろんな場所で、いろんな方法で学ぶことはできると思うのですが、
「プロのネイリスト」となるためには必要なことがあります。
スタッフみんなが当店に来た頃のよくある出来事。
「
わたし結構できるんです」
「これは(この技術は)できるんです」
「スクールの検定練習では
褒められました」
と言っている。(もしくは空気で伝わってくる。笑)
もちろん、みんな必死で頑張って練習して検定1級とか取得したんですよね。
そこに自信を持つのはいい。
でも、
「
検定合格しました」
ということと、
「サロンワークで
お客様にお金をいただけるレベル」
は
全然違う。技術レベルが。このふたつ、
「
なにが違うのかわかる」人は、プロ意識のある方だと思います。
もし、
なにが違うの? 現場で通用するのが検定合格レベルなのでは?
と、疑問に思う方がいらっしゃったら
もう一度、考えていただきたい。
学校では、就職のことなども考えて
まずは
検定に合格することを優先的に指導してもらいます。
でないと、就職して現場に出ることができないから。
サロンワークに関するイロハはどうしても後回しぎみに。
ところが、
現場で必要なことは、もっともっと多く
もっともっと高いレベルが求められる。
検定で試験官の方がほんの数秒チェックするのとは違い、
サロンワークでの技術レベルを
判断するのは お客様。
お客様は
数週間かけて技術の良し悪しを判断されるのですから。
仕上がったネイルに見とれながら、
あらゆる方向から眺め、
出来上がった時だけ美しければよいのではない、
数週間後も美しい状態で居られるのか、
良い気分で過ごせるのか。
そのほかたくさんのことを、サロンで体感された上で
ネイルサロンとネイリストを選ばれるのがお客様。
そしてその
全てに対して、責任を持つことができるのかどうか、がプロです。
お金をいただく以上、
それが多くても少なくても、
100円でも10000円でも、
お客様からしてみたら、プロのネイリスト。
自分のネイリストとしての技術に責任が持てるでしょうか。
そもそも責任を持つとはどういうことか。
お金をいただくって、とても大変なことです。
お客様はご自分が(もしくはご家族が)一生懸命働いて稼いだお金を
サロンで支払ってくださるのです。
数千円、1万円を働いて稼ぐことが、どれほど大変なことか。
けっして、
ネイリストのお小遣い稼ぎに協力してくれているのではない。
お客様に対してどれだけ真剣に向き合って
どれだけ喜んでもらえるか、に集中する。
ネイリストとして12年働き続けていても
まだまだ完璧には程遠く、勉強するべきことがたくさんです。
技術に、接客に完璧なんてないのかもしれない。
でも、
「わたしできてる」って思わないこと
がまず第1歩。
お客様にたいして真剣に向き合う、責任を持つ、
自分に足りないところがあることを自覚し、
それを埋めるべく、ひたすら精進する。
それがプロ意識かなと思います。