電子書籍で読む宮沢賢治Ⅵ | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.


一昨日から今朝方までに読んだ短編など。

1)グスコーブドリの伝記


これは何度も読んできた作品。
先日読んだ「ネンネンネンネン・ネネムの伝記」がこの作品の
習作だったということを今になって知ったための再読。
登場人物を含めストーリーなどはほとんど一緒でも
表現する言葉の違いで、こんなに印象が異なるものかと思います。

賢治の作品は摩訶不思議な名前や地名が出てきますが
日本という国に限定していなかったという事でしょうか。
ネネムが未完成のため、あちらの終わりが気になりますが
こちらは、自分の生い立ちと同じような人々がなくなるために
行ったブドリの自己犠牲がきっちり描かれています。

絵本もたくさん出版されていますが、絵の助けがなくとも
宮沢賢治の表現力だけで十分堪能できると思います。
絵本は私も好きだけど、何でもいいってわけじゃないので
好きな絵本とか、これだ!ってのはなかなかないですね。


グスコーブドリの伝記/作者不明

¥価格不明
Amazon.co.jp


2)「恋」


ある人への想いを、わずか数行に閉じ込めた詩。
特にその想いを表す(好きとかそんな意味合いの)
言葉は最後の1行にあるのみなのに・・・
詩人ってすごいですね。
こういう奥ゆかしさが私はとても好きだと思う。


恋/作者不明

¥価格不明
Amazon.co.jp


3)「電車」


電車の中で、ふと合った見知らぬ人のその視線に
なにかいや~な感じをもって、目線だけで争った・・・
多分そんな感じの事なんだと思う。
なんとなくそれを知っているような。。。


電車/作者不明

¥価格不明
Amazon.co.jp


4)「月夜のでんしんばしら」

電気が使われ始めた頃のおはなしなのかな。
兵隊のように動く電信柱の表現が、怖くもあり美しくもあり。
未知のものに対する不安感とか。
このリズムのある文章は音読したらなお一層よいのかも。


月夜のでんしんばしら/作者不明

¥価格不明
Amazon.co.jp


5)「税務署長の冒険」

未知の作品。
ある村にやってきた新任の税務署長が村ぐるみの
お酒の密造を暴こうと活躍するお話。
なぜだか、署長よりも結束の固い村人たちに
肩入れしながら読んでしまいました。


税務署長の冒険/作者不明

¥価格不明
Amazon.co.jp


今回は5作品中4作が、未読どころか作品の存在すら知らなかったものばかり。
改めて青空文庫に感謝申し上げます。