~黄金聖闘士達のその後~ (聖闘士星矢)
まえがき
このお話は冥界編と天界編との間の話で、ここでは黄金聖闘士が生き返っ思たという設定になっています。
一度、黄金が一般社会で悪戦苦闘しながら働く話をかいてみたいなと、思いついた話です!
話のネタはかなり前に考えていたのですが、今回文章にまとめ公開するまでに至りました。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
レストラン従業員編
冥王ハーデスとの死闘が終わり世界が平和になった・・・
それと同時に聖闘士一同達の役目を終え(要するに暇になったので)一般人に戻りフツーの生活を送ることに。これもアテナ命令らしい・・・
それから戦いで散ったと思われてた黄金聖闘士達も瀕死の状態で見つかり数カ月ののち回復していた・・・因に灰となって散ってしまった者達は肉体を再生され冥界より特別に呼び寄せられてきた。
ジャンプマンガでは、死んだかと思われてた者が蘇ると言うのはもはや当たり前となっているので突っ込みはナシで。
(笑)
星矢達十代組は今まで行けなかった学校へ行くことになった。そして二十代組の黄金聖闘士達と言えば・・・
この度、城戸グループで飲食店を新規出店することになり従業員として抜擢されたのが優秀な・・もとい今となっては暇人の黄金聖闘士一同達。因に童虎は中国でまた監視中・・・
(ちなみに飲食店といってもピンからキリまであるので・・・ここでは中級レベルのお店と思ってください)
カノン「いくら平和になったとはいえ我々黄金聖闘士が飲食店の従業員をやらねばならんのだ!」
ムウ「これもアテナ命令。いたしかた無いでしょう・・・」
カノンはお構い無しに話が進められる。
シャカ「とりあえず配置を決めよう。オープンまで日があまりありませんから。」
ミロ「そうだな、それではおおまかに接客組と厨房組に分けたらどうだ?」
カミュ「私は接客はどうも・・・」
ミロ「カミュのマスクなら十分いけるだろ!」
ムウ「顔だけで決める訳にはいきませんよ、ホスト倶楽部じゃないのですから・・・」
アイオリア「・・・で、どう決めるんだ?」
シャカ「それはもう接客向きそうな者と不向きそうな者とで。」
ミロ「ムウ、アルデバラン、サガ、カノン、デスマスク、アイオリア、シャカ、ミロ、シュラ、カミュ、アフロディーテだが・・・」
サガ「ムウとシャカとミロは接客向きそうじゃないか?」
アイオリア「・・・ムウはともかく他は向いてそうか?」
サガ「しかし他の者に接客スマイルを求めるのはかなり無謀なものが・・・」
カノン「ってことは他の奴らは無愛想だとでもいいたそうだな・・・」
ミロ「その通りだ!特にお前ッッ!」
サガ「カノン、お前は独房・・・いや厨房決定だ!」
ムウ「カノン程無愛想な男はいないでしょう。」
カノン「お前ら言いたい放題言ってやがるだろ~っ!」
アフロディーテ「ああっ!わたし程美しい男はいない~。わたしが一瞬で千人の客を集めてみせるさ~。」
一同「誰だ!こいつを冥界から呼び寄せたのは・・・」
・・・数分後。
ムウ「皆の意見をある程度考慮の上、役割を決めました。」
ムウがレポート用紙に書いたものをテーブルに置く。
そして気になる配置は・・・
ムウ 接客係
アルデバラン 荷物整理・格納(力仕事)
サガ 店長
カノン 食器洗浄・清掃(いわゆる雑用)
デスマスク 調理係
アイオリア 調理係
シャカ 接客係
ミロ 接客係
シュラ 調理係
カミュ 受付・レジ係
アフロディーテ 接客係(本人の強い希望により)
カミュ「私が受付をやるのか?」
ミロ「なんたって受付は店の顔だからな・・カミュは適任だと思うが。」
シュラ「女性客がわんさか押し掛けてきそうだ・・」
カノン「おい待て!なぜサガが店長で俺が雑用なんだ!」
ムウ「サガが店長なのはもともと決まっていたことですよ。」
アルデバラン「でも妥当な配置ではないか。」
シュラ「そうだな。」
シャカ「カノンやデスマスクに接客させたら三秒で客を殴りかねないからな・・・」
カノン「どいつもこいつも言いたい放題言いやがって~!」
ミロ「しかしデスマスクが調理というのも・・・料理に毒でも盛りかねんな。」
アイオリア「しかし我々はこういう仕事など生まれてこのかた、やったことがない。何をすればよいのか・・・」
サガ「それなら心配いらない。研修期間があるからな。」
半ば無謀とも思えるが、わずか一週間という短期間でレストラン従業員のノウハウを叩き込まれることになる。
~そしてあっという間にオープン初日!
城戸グループの財力をまざまざと見せつけるような超ド派手な宣伝のおかげで十時の開店前から長蛇の列ができていた。
アルデバラン「オープン前から凄い人だな。流石グラード財団の宣伝効果だ・・・」
シュラ「しかし俺らだけで大丈夫なのか?」
ムウ「何とかするしか無いでしょう。」
アイオリア「そろそろ時間だ。」
ドアを開く。と、一斉に人が流れ込んでくる、その勢いに押され潰される黄金聖闘士一同・・・
ミロ「冥界での戦いよりも壮絶ッ!」
それから黄金聖闘士一同てんてこまいで動いていた。厨房組も大忙し!
そしてトラブルは突然やってくる・・・
暫くしてからお客の一人がたまたま横を通りかかったカノンに声をかける。
客「そこの兄ちゃん!随分前に頼んモンがまだこねーんだけどさ。」
カノン「俺は注文なんか聞いて無いぞ。そんなことよりこっちは忙しいんだ!!」
客「あんたには言ってなくても他のモンに頼んであるんだ!大体客に向かってその態度はなんだ!」
開店間もないというのに早速トラブル発生!・・・しかも原因はやはりカノン!!
そこにつかさず支配人であるサガが歩み寄りお客にお詫びをする。
そしてカノンの肩をガッチリ掴み厨房へ連れて行く。
カノン「何だよ、サガ!」
サガ「・・・今後一歩も厨房から出るな!」
そしてキレかかってるサガの髪の色が黒くなりかけていた・・・
厨房組「やばいッ!悪サガになりかけてるぞ!」
アルデバラン「こんなところで悪になられたら・・・」
シュラ「店など一瞬で木っ端微塵!」
流石のカノンも危険を感じたのかサガに
カノン「サガ、俺が悪かった・・・。」
・・・一時の間。
サガ「そうか!分かってくれたか。やはり私の弟だ!」
先程までの態度とは一気に豹変し、善人顔に戻っていた・・・そして溜め息をつくカノン。
カノン「客よりてめーが一番厄介だよ・・・。」
入り口がやけに騒がしいのでそっちに目を向けるとやたら騒がしい大柄な男が他の客を押しのけ入ってきた。
辰巳「沙織お嬢様のお通りだ!そこを空けろ!」
沙織「辰巳、何もそこまでしなくても・・・」
サガ「アテナ!!」
サガの一言に黄金聖闘士一同が振り向く。
辰巳「お嬢様用に特等席は用意してあるだろうな・・・」
サガ「アテナ自ら来られるとは思ってなかったので席は・・・」
辰巳「何̃ッ!!お嬢様の店でお嬢様の席がないとはなんたることだ~ッ!!・・・」
ささいなことでイチャモン付ける客の如く長い説教が続く・・・
そんなやり取りを店の隅で見ていた二人。
カミユ「いつまであの男の相手をする気だ・・・サガは?」
ミロ「今すぐにこの場から消えて欲しいと思ってる顔だ。アテナがいなかったら今頃アナザーディメーションで異次元に飛ばしてるだろうさ・・・」
~午後三時も過ぎた頃、ようやく食事休憩を順番で回ることになった。
・・・生ける屍と化した休憩組一同、あちらこちらに横たわっている。
ムウ「やっと休憩ですね・・・」
ミロ「冥界での戦いよりキツイ・・・」
アイオリア「ああ、全くだ。」
アフロディーテ「何、皆で倒れているんだ?これしきのことで疲れるとは・・・全くトシだな~、はぁ。」
一同「貴様はたいしたことしてないだろ!!」
カミユ「しかしだな・・・」
ミロ「客の相手よりアテナの相手するほうが数十倍疲れたな・・・」
サガ「全くだ。」
会話のタイミング良く!?ドアを開け休憩室に入って来たサガ。
クソ忙しいというのにわざわざアテナ用の席を準備し(しかも一部貸し切り)
貴重な食材を使い(数十グラムで数万円)
挙げ句、二時間くらい粘られた・・・これでは営業妨害もいいところである。
やはりお嬢様は世間一般常識から遠~く、遠~くかけ離れているらしい・・・
そのころ、調理場では・・・
デスマスク「クソッ!!なかなか切れねぇ!!」
下ごしらえの最中、肉をカットしようとしたところ包丁が骨でひっかかり苛つくデスマスク。
その様子を横で見ていたシュラが横から助け舟を出す。
デスマスク「そうか、お前の右腕なら牛の骨だろうが人間の骨だろうがバッサバッサ斬れるからな~、それじゃここはイッチョ頼むぜ!」
アイオリア「人間の骨って・・・」
早速まな板にのってる肉の塊に向かってシュラの右腕が唸る!(笑)
シュラ「聖剣エクスカリバー!!」
素晴らしい斬れで肉を裂き、骨を切断、剰えまな板を貫通し、調理台をも真っぷたつ。
~間~
アイオリア「・・・いくら何でもやり過ぎではないか。」
アルデバラン「この厨房は有名なインテリアデザイナーが手がけたブランド品らしいぞ・・・修理代いくらかかるんだ・・・」
シュラ「まさかここの修理代、給料から天引きってことはないだろうな・・・」
アイオリア「そんなことになったら一年くらいタダ働きだな・・・」
デスマスク「厨房までインテリア思考か!全く世界の億万長者に名を連ねるモンの考ることはワカラン。」
~午後七時。
夕食時の最高潮ピークの忙しいときにまたまた騒がしい客がやってきた。
客A「○○でさー。」
客B「うっそー、しんじらんなーい!!」
入り口付近が騒がしいので厨房から店内の様子を見てみるとそこにはいかにも男目当てで来たようなミーハー女共が並んでいる。
客A「さっきなつみ(仮名)がココ来てさ、イケメン店員がいるってケータイで教えてくれたんだけどさ~。」
客B「ホントにー!どこどこ~。」
客C「ねぇ、あそこ!受付のとこ。」
客D「マジー!長髪のイケメンじゃん!!」
客A「あっ、向こうにも。こっちにもいるよ。」
客B「この店の男、レベル高くなーい?」
客C「うん、うん。」
周りの目など一切気にせずカメラ付き携帯でパチパチ撮りまくり。
しかし周りにいる他のお客はかなり迷惑している様子。
そこで店長のサガは止む無しに注意をする。
サガ「店内では他のお客様のご迷惑になりますので携帯は禁止となっております・・・」
一同、サガを見るなり
客A「この人、超イケメンじゃん!!」
客B「きゃー!!」
客C「アップで撮らせて貰おう~っと。」
客A「ケータイ番号教えて~。」
客B「サインくださ~い!」
客C「握手して~!」
カノン「やかましいぞ、貴様等!!いい加減にしろッツ!!」
厨房に押し込められてたカノンだったがあまりの騒がしさについにキレた。
この一言で一瞬、騒ぎが収まったかのように思えたが・・・
客A「この人、同じ顔してる~。」
客B「ってことはもしかして双子?」
客C「でもこっちのほうは目付き悪くなーい?」
カノン「目付きが悪い・・・。」
客A「なんか愛想もなさそうだしぃ~。」
カノン「愛想なさそう・・・。」
客B「まぁこの人でもいいや、同じ顔だしぃ~。」
カノン「この人でもいいや、だぁ~。」
ブチキレたカノン。店内騒然!!一時避難を余儀なくされた客・・・
騒動の原因はまたしてもカノン!!
ミーハー女共は逃げるように去っていった・・・
これだけの騒動を起こせば誰でもキレそうなものだが、状況が状況なだけに皆、怒る気にはなれなかったようだ。
アルデバラン「やれやれ、嵐が去っていったか・・・」
シュラ「喧しい女共だったな・・・」
デスマスク「レストラン止めてホストクラブにでもした方が儲かるんじゃねーか?」
アフロディーテ「その通り!そしてこの私がNO,1ホスト~。」
シュラ「おい、お前ッ!接客はどうした!!」
~それから
午後九時が回った頃、五~六人の中年集団が店に入ってきた。
見るからに品性のなさそうな連中の集まりだがお客故、丁重に案内をするサガ。
しかし客は席に着くなり何か適当なのを見繕ってと注文。
はぁ?
と思いながらこのセットなどがオススメですがと説明し、じゃあそれでいいわと客は納得。
・・・しかし暫くすると男女は突然痴話げんかをはじめ、一気に注目の的に。
・・・痴話げんかしてる横で一緒に入って来た仲間らしきものは禁煙の店で堂々とタバコを吸っている。
ムウ「マナーの悪い人はどこにでもいるものですが・・・」
喫煙行為に不快な思いをしているお客の表情が見える。
喫煙してる客の前に歩み寄り、角が立たないように注意をするサガ。
サガ「申し訳ございません。当店では全席禁煙となっております。他のお客様にも迷惑になりますので・・・」
と、言い灰皿を差し出す。しかし・・・
客「今だけ吸わせてちょーだい!!」
サガ「・・・・・・。」
少し離れたところで様子を見守るシャカとミロ。
ミロ「質の悪い客だな・・・」
シャカ「おい、サガの髪の色見てみろ。微妙だか黒くなりかかっているぞ。」
ミロ「キレかかってるのが一目瞭然だな。非常に分かりやすいよ・・サガって。」
それから居座ること二時間・・・
ワインを大量に飲んでベロンベロンに酔っぱらって人一倍騒がしい。
そしてしまいには嘔吐するものまで!!
客「うわっ、ゲロ吐きやがった!!」
閉店時間も過ぎてるというのに中年集団は席を立つ気配さえない
・・・言い加減しびれをきらしたカノンが客に
カノン「閉店時間過ぎましたので申し訳ございませんが・・・」
ミロ「カノンが客を丁重に追い出そうとしているぞ。少しは成長したようだな・・・」
カミユ「ああ。」
カノン心の声「さっさと帰りやがれ。そして二度と来んな!!」
説得すること三十分・・・ようやく店を出た中年酔っぱらい集団。
二度と来ないでくれることを祈る従業員一同であった。
なんだかんだで一日いろんなことがたくさんあった・・・
一日目でこの調子ではこれから先どうなるんだろ?と思う一同であった。
そして無事!?閉店。
一同は厨房内の清掃をすることに・・・
カノン「汚ねぇ!一時期は悪の道を極め海界の王ポセイドンさえ欺いたこの俺様が下水掃除なんぞしなければならんのだ!」
ミロ「煩いぞカノン。もう少し静かに仕事できないのか・・・」
シュラ「こやつに仕事をさせるという自体相当無理があるのでは・・・」
サガ「・・・私の育て方が間違っていたのかカノンよ。兄は悲しいぞ。」
カノン「てめーのせいでこんなになったんだよッッ!スニオン岬の岩牢なんぞに閉じ込めやがって!」
ムウ「一言で言えば監禁ですからね。性格のひとつやふたつおかしくなっても不思議では無いでしょう。」
カノン「サガ以上に厄介な奴がここにも・・・」
下水道の汚れた網を流しで洗浄中、汚れカスがはねて隣にいたデスマスクの顔に付く。
カノン「悪い。」
デスマスク「おい!キタねーだろ!!、悪いの一言で済むと思ってんのか」
カノン「何だ、貴様その態度は・・・」
デスマスク「屁の役にも立たない奴が何言ってんだ~ぁ、雑用係!!」
カノン「年下のくせに生意気すぎんだ!!」
デスマスク「歳のわりに大人になりきれない馬鹿よりマシだよ。」
カノン「そんな口、二度と言えぬようにしてくれる!!」
デスマスク「返り討ちにしてやる!!」
激突!!カノン対デスマスク!
カノン「ギャラクシアンエクスプロージョン!」
デスマスク「積尸気冥界波ーッッ!」
一同「こんなとこで大技ぶちかますな!店が壊れるだろーッッ!」
ドォォォォォン!
・・・早朝のニュース
「昨夜未明より、城戸グループの経営する飲食店が何者かによって爆破されました。
尚、現在犯人は逃走中で~、あーッ!!ゾンビらしきモノがそこら辺を徘徊中。
何と言うことでしょうか!!」
アルデバラン「どうするんだ!こんな大騒ぎになってしまって!」
ムウ「このことがアテナに知れたら・・・」
アイオリア「もう、とっくに知られてると思うが・・・全国ネットで流れてるニュースだぞ。」
シャカ「この現場の状況、誰が犯人か一目瞭然だな・・・」
そして荷造りをし逃走するカノンとデスマスク。
黄金達の社会進出は一体いつになるのか定かではない・・・というか
無理!?
完
あとがき
やっぱりこんなオチになっちゃいました・・・
なんかカノンとデスマスクってめちゃくちゃトラブルメーカータイプだよな~と思うんですよ(笑
なので個人的にこれを書いていて結構楽しめました。
ちなみにマナーの悪い客の話は管理人が飲食店で働いていたときに実際あった事をかいてみました・・・(吐血
このお話は冥界編と天界編との間の話で、ここでは黄金聖闘士が生き返っ思たという設定になっています。
一度、黄金が一般社会で悪戦苦闘しながら働く話をかいてみたいなと、思いついた話です!
話のネタはかなり前に考えていたのですが、今回文章にまとめ公開するまでに至りました。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
レストラン従業員編
冥王ハーデスとの死闘が終わり世界が平和になった・・・
それと同時に聖闘士一同達の役目を終え(要するに暇になったので)一般人に戻りフツーの生活を送ることに。これもアテナ命令らしい・・・
それから戦いで散ったと思われてた黄金聖闘士達も瀕死の状態で見つかり数カ月ののち回復していた・・・因に灰となって散ってしまった者達は肉体を再生され冥界より特別に呼び寄せられてきた。
ジャンプマンガでは、死んだかと思われてた者が蘇ると言うのはもはや当たり前となっているので突っ込みはナシで。
(笑)
星矢達十代組は今まで行けなかった学校へ行くことになった。そして二十代組の黄金聖闘士達と言えば・・・
この度、城戸グループで飲食店を新規出店することになり従業員として抜擢されたのが優秀な・・もとい今となっては暇人の黄金聖闘士一同達。因に童虎は中国でまた監視中・・・
(ちなみに飲食店といってもピンからキリまであるので・・・ここでは中級レベルのお店と思ってください)
カノン「いくら平和になったとはいえ我々黄金聖闘士が飲食店の従業員をやらねばならんのだ!」
ムウ「これもアテナ命令。いたしかた無いでしょう・・・」
カノンはお構い無しに話が進められる。
シャカ「とりあえず配置を決めよう。オープンまで日があまりありませんから。」
ミロ「そうだな、それではおおまかに接客組と厨房組に分けたらどうだ?」
カミュ「私は接客はどうも・・・」
ミロ「カミュのマスクなら十分いけるだろ!」
ムウ「顔だけで決める訳にはいきませんよ、ホスト倶楽部じゃないのですから・・・」
アイオリア「・・・で、どう決めるんだ?」
シャカ「それはもう接客向きそうな者と不向きそうな者とで。」
ミロ「ムウ、アルデバラン、サガ、カノン、デスマスク、アイオリア、シャカ、ミロ、シュラ、カミュ、アフロディーテだが・・・」
サガ「ムウとシャカとミロは接客向きそうじゃないか?」
アイオリア「・・・ムウはともかく他は向いてそうか?」
サガ「しかし他の者に接客スマイルを求めるのはかなり無謀なものが・・・」
カノン「ってことは他の奴らは無愛想だとでもいいたそうだな・・・」
ミロ「その通りだ!特にお前ッッ!」
サガ「カノン、お前は独房・・・いや厨房決定だ!」
ムウ「カノン程無愛想な男はいないでしょう。」
カノン「お前ら言いたい放題言ってやがるだろ~っ!」
アフロディーテ「ああっ!わたし程美しい男はいない~。わたしが一瞬で千人の客を集めてみせるさ~。」
一同「誰だ!こいつを冥界から呼び寄せたのは・・・」
・・・数分後。
ムウ「皆の意見をある程度考慮の上、役割を決めました。」
ムウがレポート用紙に書いたものをテーブルに置く。
そして気になる配置は・・・
ムウ 接客係
アルデバラン 荷物整理・格納(力仕事)
サガ 店長
カノン 食器洗浄・清掃(いわゆる雑用)
デスマスク 調理係
アイオリア 調理係
シャカ 接客係
ミロ 接客係
シュラ 調理係
カミュ 受付・レジ係
アフロディーテ 接客係(本人の強い希望により)
カミュ「私が受付をやるのか?」
ミロ「なんたって受付は店の顔だからな・・カミュは適任だと思うが。」
シュラ「女性客がわんさか押し掛けてきそうだ・・」
カノン「おい待て!なぜサガが店長で俺が雑用なんだ!」
ムウ「サガが店長なのはもともと決まっていたことですよ。」
アルデバラン「でも妥当な配置ではないか。」
シュラ「そうだな。」
シャカ「カノンやデスマスクに接客させたら三秒で客を殴りかねないからな・・・」
カノン「どいつもこいつも言いたい放題言いやがって~!」
ミロ「しかしデスマスクが調理というのも・・・料理に毒でも盛りかねんな。」
アイオリア「しかし我々はこういう仕事など生まれてこのかた、やったことがない。何をすればよいのか・・・」
サガ「それなら心配いらない。研修期間があるからな。」
半ば無謀とも思えるが、わずか一週間という短期間でレストラン従業員のノウハウを叩き込まれることになる。
~そしてあっという間にオープン初日!
城戸グループの財力をまざまざと見せつけるような超ド派手な宣伝のおかげで十時の開店前から長蛇の列ができていた。
アルデバラン「オープン前から凄い人だな。流石グラード財団の宣伝効果だ・・・」
シュラ「しかし俺らだけで大丈夫なのか?」
ムウ「何とかするしか無いでしょう。」
アイオリア「そろそろ時間だ。」
ドアを開く。と、一斉に人が流れ込んでくる、その勢いに押され潰される黄金聖闘士一同・・・
ミロ「冥界での戦いよりも壮絶ッ!」
それから黄金聖闘士一同てんてこまいで動いていた。厨房組も大忙し!
そしてトラブルは突然やってくる・・・
暫くしてからお客の一人がたまたま横を通りかかったカノンに声をかける。
客「そこの兄ちゃん!随分前に頼んモンがまだこねーんだけどさ。」
カノン「俺は注文なんか聞いて無いぞ。そんなことよりこっちは忙しいんだ!!」
客「あんたには言ってなくても他のモンに頼んであるんだ!大体客に向かってその態度はなんだ!」
開店間もないというのに早速トラブル発生!・・・しかも原因はやはりカノン!!
そこにつかさず支配人であるサガが歩み寄りお客にお詫びをする。
そしてカノンの肩をガッチリ掴み厨房へ連れて行く。
カノン「何だよ、サガ!」
サガ「・・・今後一歩も厨房から出るな!」
そしてキレかかってるサガの髪の色が黒くなりかけていた・・・
厨房組「やばいッ!悪サガになりかけてるぞ!」
アルデバラン「こんなところで悪になられたら・・・」
シュラ「店など一瞬で木っ端微塵!」
流石のカノンも危険を感じたのかサガに
カノン「サガ、俺が悪かった・・・。」
・・・一時の間。
サガ「そうか!分かってくれたか。やはり私の弟だ!」
先程までの態度とは一気に豹変し、善人顔に戻っていた・・・そして溜め息をつくカノン。
カノン「客よりてめーが一番厄介だよ・・・。」
入り口がやけに騒がしいのでそっちに目を向けるとやたら騒がしい大柄な男が他の客を押しのけ入ってきた。
辰巳「沙織お嬢様のお通りだ!そこを空けろ!」
沙織「辰巳、何もそこまでしなくても・・・」
サガ「アテナ!!」
サガの一言に黄金聖闘士一同が振り向く。
辰巳「お嬢様用に特等席は用意してあるだろうな・・・」
サガ「アテナ自ら来られるとは思ってなかったので席は・・・」
辰巳「何̃ッ!!お嬢様の店でお嬢様の席がないとはなんたることだ~ッ!!・・・」
ささいなことでイチャモン付ける客の如く長い説教が続く・・・
そんなやり取りを店の隅で見ていた二人。
カミユ「いつまであの男の相手をする気だ・・・サガは?」
ミロ「今すぐにこの場から消えて欲しいと思ってる顔だ。アテナがいなかったら今頃アナザーディメーションで異次元に飛ばしてるだろうさ・・・」
~午後三時も過ぎた頃、ようやく食事休憩を順番で回ることになった。
・・・生ける屍と化した休憩組一同、あちらこちらに横たわっている。
ムウ「やっと休憩ですね・・・」
ミロ「冥界での戦いよりキツイ・・・」
アイオリア「ああ、全くだ。」
アフロディーテ「何、皆で倒れているんだ?これしきのことで疲れるとは・・・全くトシだな~、はぁ。」
一同「貴様はたいしたことしてないだろ!!」
カミユ「しかしだな・・・」
ミロ「客の相手よりアテナの相手するほうが数十倍疲れたな・・・」
サガ「全くだ。」
会話のタイミング良く!?ドアを開け休憩室に入って来たサガ。
クソ忙しいというのにわざわざアテナ用の席を準備し(しかも一部貸し切り)
貴重な食材を使い(数十グラムで数万円)
挙げ句、二時間くらい粘られた・・・これでは営業妨害もいいところである。
やはりお嬢様は世間一般常識から遠~く、遠~くかけ離れているらしい・・・
そのころ、調理場では・・・
デスマスク「クソッ!!なかなか切れねぇ!!」
下ごしらえの最中、肉をカットしようとしたところ包丁が骨でひっかかり苛つくデスマスク。
その様子を横で見ていたシュラが横から助け舟を出す。
デスマスク「そうか、お前の右腕なら牛の骨だろうが人間の骨だろうがバッサバッサ斬れるからな~、それじゃここはイッチョ頼むぜ!」
アイオリア「人間の骨って・・・」
早速まな板にのってる肉の塊に向かってシュラの右腕が唸る!(笑)
シュラ「聖剣エクスカリバー!!」
素晴らしい斬れで肉を裂き、骨を切断、剰えまな板を貫通し、調理台をも真っぷたつ。
~間~
アイオリア「・・・いくら何でもやり過ぎではないか。」
アルデバラン「この厨房は有名なインテリアデザイナーが手がけたブランド品らしいぞ・・・修理代いくらかかるんだ・・・」
シュラ「まさかここの修理代、給料から天引きってことはないだろうな・・・」
アイオリア「そんなことになったら一年くらいタダ働きだな・・・」
デスマスク「厨房までインテリア思考か!全く世界の億万長者に名を連ねるモンの考ることはワカラン。」
~午後七時。
夕食時の最高潮ピークの忙しいときにまたまた騒がしい客がやってきた。
客A「○○でさー。」
客B「うっそー、しんじらんなーい!!」
入り口付近が騒がしいので厨房から店内の様子を見てみるとそこにはいかにも男目当てで来たようなミーハー女共が並んでいる。
客A「さっきなつみ(仮名)がココ来てさ、イケメン店員がいるってケータイで教えてくれたんだけどさ~。」
客B「ホントにー!どこどこ~。」
客C「ねぇ、あそこ!受付のとこ。」
客D「マジー!長髪のイケメンじゃん!!」
客A「あっ、向こうにも。こっちにもいるよ。」
客B「この店の男、レベル高くなーい?」
客C「うん、うん。」
周りの目など一切気にせずカメラ付き携帯でパチパチ撮りまくり。
しかし周りにいる他のお客はかなり迷惑している様子。
そこで店長のサガは止む無しに注意をする。
サガ「店内では他のお客様のご迷惑になりますので携帯は禁止となっております・・・」
一同、サガを見るなり
客A「この人、超イケメンじゃん!!」
客B「きゃー!!」
客C「アップで撮らせて貰おう~っと。」
客A「ケータイ番号教えて~。」
客B「サインくださ~い!」
客C「握手して~!」
カノン「やかましいぞ、貴様等!!いい加減にしろッツ!!」
厨房に押し込められてたカノンだったがあまりの騒がしさについにキレた。
この一言で一瞬、騒ぎが収まったかのように思えたが・・・
客A「この人、同じ顔してる~。」
客B「ってことはもしかして双子?」
客C「でもこっちのほうは目付き悪くなーい?」
カノン「目付きが悪い・・・。」
客A「なんか愛想もなさそうだしぃ~。」
カノン「愛想なさそう・・・。」
客B「まぁこの人でもいいや、同じ顔だしぃ~。」
カノン「この人でもいいや、だぁ~。」
ブチキレたカノン。店内騒然!!一時避難を余儀なくされた客・・・
騒動の原因はまたしてもカノン!!
ミーハー女共は逃げるように去っていった・・・
これだけの騒動を起こせば誰でもキレそうなものだが、状況が状況なだけに皆、怒る気にはなれなかったようだ。
アルデバラン「やれやれ、嵐が去っていったか・・・」
シュラ「喧しい女共だったな・・・」
デスマスク「レストラン止めてホストクラブにでもした方が儲かるんじゃねーか?」
アフロディーテ「その通り!そしてこの私がNO,1ホスト~。」
シュラ「おい、お前ッ!接客はどうした!!」
~それから
午後九時が回った頃、五~六人の中年集団が店に入ってきた。
見るからに品性のなさそうな連中の集まりだがお客故、丁重に案内をするサガ。
しかし客は席に着くなり何か適当なのを見繕ってと注文。
はぁ?
と思いながらこのセットなどがオススメですがと説明し、じゃあそれでいいわと客は納得。
・・・しかし暫くすると男女は突然痴話げんかをはじめ、一気に注目の的に。
・・・痴話げんかしてる横で一緒に入って来た仲間らしきものは禁煙の店で堂々とタバコを吸っている。
ムウ「マナーの悪い人はどこにでもいるものですが・・・」
喫煙行為に不快な思いをしているお客の表情が見える。
喫煙してる客の前に歩み寄り、角が立たないように注意をするサガ。
サガ「申し訳ございません。当店では全席禁煙となっております。他のお客様にも迷惑になりますので・・・」
と、言い灰皿を差し出す。しかし・・・
客「今だけ吸わせてちょーだい!!」
サガ「・・・・・・。」
少し離れたところで様子を見守るシャカとミロ。
ミロ「質の悪い客だな・・・」
シャカ「おい、サガの髪の色見てみろ。微妙だか黒くなりかかっているぞ。」
ミロ「キレかかってるのが一目瞭然だな。非常に分かりやすいよ・・サガって。」
それから居座ること二時間・・・
ワインを大量に飲んでベロンベロンに酔っぱらって人一倍騒がしい。
そしてしまいには嘔吐するものまで!!
客「うわっ、ゲロ吐きやがった!!」
閉店時間も過ぎてるというのに中年集団は席を立つ気配さえない
・・・言い加減しびれをきらしたカノンが客に
カノン「閉店時間過ぎましたので申し訳ございませんが・・・」
ミロ「カノンが客を丁重に追い出そうとしているぞ。少しは成長したようだな・・・」
カミユ「ああ。」
カノン心の声「さっさと帰りやがれ。そして二度と来んな!!」
説得すること三十分・・・ようやく店を出た中年酔っぱらい集団。
二度と来ないでくれることを祈る従業員一同であった。
なんだかんだで一日いろんなことがたくさんあった・・・
一日目でこの調子ではこれから先どうなるんだろ?と思う一同であった。
そして無事!?閉店。
一同は厨房内の清掃をすることに・・・
カノン「汚ねぇ!一時期は悪の道を極め海界の王ポセイドンさえ欺いたこの俺様が下水掃除なんぞしなければならんのだ!」
ミロ「煩いぞカノン。もう少し静かに仕事できないのか・・・」
シュラ「こやつに仕事をさせるという自体相当無理があるのでは・・・」
サガ「・・・私の育て方が間違っていたのかカノンよ。兄は悲しいぞ。」
カノン「てめーのせいでこんなになったんだよッッ!スニオン岬の岩牢なんぞに閉じ込めやがって!」
ムウ「一言で言えば監禁ですからね。性格のひとつやふたつおかしくなっても不思議では無いでしょう。」
カノン「サガ以上に厄介な奴がここにも・・・」
下水道の汚れた網を流しで洗浄中、汚れカスがはねて隣にいたデスマスクの顔に付く。
カノン「悪い。」
デスマスク「おい!キタねーだろ!!、悪いの一言で済むと思ってんのか」
カノン「何だ、貴様その態度は・・・」
デスマスク「屁の役にも立たない奴が何言ってんだ~ぁ、雑用係!!」
カノン「年下のくせに生意気すぎんだ!!」
デスマスク「歳のわりに大人になりきれない馬鹿よりマシだよ。」
カノン「そんな口、二度と言えぬようにしてくれる!!」
デスマスク「返り討ちにしてやる!!」
激突!!カノン対デスマスク!
カノン「ギャラクシアンエクスプロージョン!」
デスマスク「積尸気冥界波ーッッ!」
一同「こんなとこで大技ぶちかますな!店が壊れるだろーッッ!」
ドォォォォォン!
・・・早朝のニュース
「昨夜未明より、城戸グループの経営する飲食店が何者かによって爆破されました。
尚、現在犯人は逃走中で~、あーッ!!ゾンビらしきモノがそこら辺を徘徊中。
何と言うことでしょうか!!」
アルデバラン「どうするんだ!こんな大騒ぎになってしまって!」
ムウ「このことがアテナに知れたら・・・」
アイオリア「もう、とっくに知られてると思うが・・・全国ネットで流れてるニュースだぞ。」
シャカ「この現場の状況、誰が犯人か一目瞭然だな・・・」
そして荷造りをし逃走するカノンとデスマスク。
黄金達の社会進出は一体いつになるのか定かではない・・・というか
無理!?
完
あとがき
やっぱりこんなオチになっちゃいました・・・
なんかカノンとデスマスクってめちゃくちゃトラブルメーカータイプだよな~と思うんですよ(笑
なので個人的にこれを書いていて結構楽しめました。
ちなみにマナーの悪い客の話は管理人が飲食店で働いていたときに実際あった事をかいてみました・・・(吐血
- 車田 正美
- 聖闘士星矢 全15巻
- バンダイビジュアル
- 聖闘士星矢 DVD-BOX 1 ペガサスBOX
- バンダイビジュアル
- 聖闘士星矢 冥王 ハーデス十二宮編(1)
頭文字D(イニシャルD 1巻~
- しげの 秀一
- 頭文字(イニシャル)D (1)
過去にアニメでは観てたけど、これが面白い。
コミックスはただ今、職場の人から借りて読んでいるところです。
とりあえず15巻まではよみ終えました。
現在30巻くらいまで発売されてるようでまだまだ先は長い・・・
ちなみに今まで読んだ中で私のお気に入りエピソードは秋名峠での拓海vs涼介のバトル、池谷と真子ちゃんの話、啓介がバトルするとこ全部(笑)と、その啓介にべったりのケンタとか。
ハチロク同士のバトルもよかったなぁ。
BLEACH 1~18巻
















