どうも、日本一の教育大生です。
今この文章を読もうとしているあなたは、「英語を得意にしたい!」と意気込んでいることでしょう。そこであなたは、一体英語の勉強を何から始めようとしていますか?
単語帳と付き合う…とか?「1日20個ずつ憶えるぞっ!」と決意しても結局は1週間ももたない。
それゆえに英語は自分に向いていないと錯覚し、自信を失う人も多いでしょう。
このようなことを今まで何度も繰り返してきた人も少なくはないはずです。
まっさらな単語帳がその証拠だ。そして何年も英語を学習しているのに全く習得できないことから、英語は難しいものだと結論を出してしまう。
冗談じゃない。英語は今日世界中で話されている言語だ。英語圏では、お婆ちゃんも、おじいさんも、子供だって話している。
この事実は、英語が科目としても決して難しいものではないということを雄弁に語っている。
では、なぜ英語を苦手とする学生が多くいるのか?
それは、英語が日本語と全くその成り立ち、構造が異なる言語であるからである。それゆえに、たとえ頑張って単語帳の単語を丸暗記できたとしても、英文中で英単語の意味をそのまま日本語に置き換えるだけの勉強方法では、英語が上達するわけがない。
いきなりそうは言っても、英語を苦手としているあなたはピンとこないだろう。だから、今から実際に英語と日本語の構造上の違いをここに示そう。
【1】英語と日本語の違い
日本語:私の母はこの机を200ドルで買った。
英語:My mother bought this desk for $ 200.
上にある同じ文意の英文と和文を見比べてほしい。まず和文は、以下で示しているように
「私の母、この机、200ドル、買った」の4つの単語と、それぞれの単語の後に
「は、を、で」の3つの助辞を伴い、構成されている。
私の母はこの机を200ドルで買った。
日本語では、赤文字部分を助辞という。日本語ではこの助辞によって単語を支え、
文を成立させている。この「単語+助辞」の組み合わせで文意が決定されている。
逆に言えば、同じ単語と同じ助辞のセットを保ってさえおけば自由にそのセットを移動しても
同じ文意になるという特徴が日本語にはある。
その机を $200で 私の母は 買った ↘︎
$200で 私の母は その机を 買った → 同じ意味として、成立している
その机を 私の母は $200で 買った ↗︎
反対に英語はどうだろうか?先述の英文は「My mother 、bought 、this desk 、for 、
$ 200」の5つの単語で構成されている。日本語とは違って、英語には助辞に当たるものが
存在しないのに加え、単語を並べ替えてしまうと、次のように英文として成立しない。
This desk her mother $200 for bought. ←成立していない
このように英語は日本語のような助辞がない。その代わりとして、単語の順番をとても
大事にしている。またこの単語の順番を、英文法の世界では「文型」と呼び、英語を効率
よく学ぶために利用されている。英語の成績を伸ばすには、まず初めに英語と日本語の違い
を正確に知らなければならない。何よりも「文型」の大切さを理解することが先決である。
【2】品詞の理解
英語学習の第一歩が「文型」を理解することだとすると、次にどのようにして「文型」
を勉強していくべきか、という疑問が出てくる。詳細は後日示すとして、「文型」の学習に
は、前提知識として「品詞」を予め理解しておかなければならない。この「品詞」とは、
世界中の言語の単語が、それぞれ予め持っている性質のようなものである。
・次のそれぞれのグループの語を抽象化してみよう。
1. 犬、友達、夢、山、白菜
2. 可愛い、美しい、小さい、大きな
3. ゆっくりと、笑顔で、とても
4. 歩く、泳ぐ、住む、食べる
いきなり「抽象化」と言われても難しいと感じるかもしれないが、決して難しいことではない。
抽象化とは、訓読みすると、「(対)象から抽(ぬ)く」となる。では、一体何を抽き取るのか?
それは、それぞれの語が持つ「共通点」だ。
上の問いのそれぞれの単語から、共通点を抜き出すと以下のようになる。
1. もの・ことを表す語句(名詞)
2. もの・ことの状態や状況を説明する語句(形容詞)
3. もの・こと以外の状態や状況を説明する語句(副詞)
4. 動作を表す語句(動詞)
この品詞の理解こそが、英語学習において重要である。
というのも、英語は品詞ごとに文中での役割(なるべき文の要素)が決まっているからである。
・それぞれの働き
名 詞:S(主語)・O(目的語)・C(補語)・前置詞のO
形容詞:C(補語)・名詞を修飾する
副 詞:名詞以外を修飾する
この品詞の働きは暗記しておこう。むやみに単語を憶えるよりも大切なことである。
【3】動詞について
ここまで英語学習には「文型」の理解が必要であり、品詞の理解が前提となると書いたが、
「文型」の理解のためにはもう一つ重要なことがある。
英語における「動詞」の考え方である。
先に日本語は、助辞により単語が支えられ、文意が決定されると書いた。だが、英語において
は、その役割は全て「動詞」が賄っている。言い換えれば、英語では「動詞」が
文の要素(S・O・C)を支え、文型を決定する。そしてできた文型によって文意が決定される。
例を示そう。
① She ran to that shop. ( 彼女はあの店に走って行った。)
② She runs that shop. ( 彼女はあの店を経営している。)
初めて聞く人もいるかもしれないかもしれないが、動詞 runには「〜を経営する」という
意味もある。一般的な意味として知られている「走る」と、訳出が異なるのは、
「文型」が異なるからである。
日本語であれば「走る」という動詞の意味は、どの場面でどのように使っても「走る」
である。一方、英語の動詞 runは「文型」が異なれば全く異なった意味になってしまう。
ここではあえて①と②の文型の違いについては触れないが、文系が変われば英語の動詞、
もしくは英文の意味が全く異なるということは覚えておいてほしい。さらに言えば、
「文型」は、動詞ごとに予め決まっており「その動詞が取りうる文型のパターン」、つまり
その動詞に予め備わっている性質に従って決定され、その文型が文意を決定するのである。
さて前置きはこれくらいにしよう。次回からは文型についてしっかり学んでいこう。
次回 第2回授業【第一文型< S V >】
〜 see you next class 〜

