週刊少女フレンド 昭和38(1963)年1月創刊。前年の12月号で休刊となった月刊誌『少女クラブ』の路線を引き継ぐ週刊誌として誕生した。

週刊マーガレット 昭和38(1963)年5月創刊。この年の5月号で休刊となった月刊誌「少女ブック」に代わる週刊誌として創刊された。創刊後間もない「週刊マーガレット」1巻3号と「週刊少女フレンド」1巻4号を並列してみた。

 

少年週刊誌の創刊に遅れる事4年、昭和38年1月に最初の少女週刊誌『少女フレンド』が発行され、5ヶ月後にライバル誌となる『マーガレット』が創刊された。当時、月刊誌の表紙は日本の少女モデルが飾っていたが、週刊誌は両誌共に外国の少女を起用。

 

 

『マーガレット』の前身誌『少女ブック』は漫画・読み物に加えて芸能記事を前面に打ち出した編集が特徴であった。その編集方針は『マーガレット』にも引き継がれており、少女モデルや映画・テレビの人気者にスポットを当てた記事が充実。

『少女フレンド』「めずらしい世界のハンカチ」と「かわいい世界の王子さま」浩宮様とイランのレザ王子、イギリスのアンドリュー王子、モナコのアルベール王子を紹介。マーガレットの大衆芸能色の強いグラビアと比較して上品な誌面。

 

 

『マーガレット』の巻頭漫画はわたなべまさこ「ミミとナナ」で、前身の「少女ブック」から続く連載である。カラーページが4ページで月刊誌に劣らぬ力の入れ方。

『少女フレンド』の巻頭漫画はちばてつや「ユキの太陽」『少女クラブ』で連載中だった「1・2・3と4・5・ロク」を足早に終了させての新作連載であった。

 

『マーガレット』他の漫画は松本あきらの「川の子守唄」7ページのニ色作品で、作者得意の悲しい動物漫画。関谷ひさしの「チャッコ」秋田書店発行の月刊誌『ひとみ』の巻頭漫画家であったが、いち早く休刊となってしまい、『マーガレット』に登場。『ひとみ』連載の漫画は悲しい少女ものであったが「チャッコ」は元気で明るい女子の話で作者が得意とするジャンルの漫画であった。水野英子は『少女ブック』最終号で連載中作品を締めくくって、和物のサスペンス作品「黒水仙」を連載中。よこたとくおの「マーガレットちゃん」は超長期連載漫画である。

『少女フレンド』他の漫画は赤松セツ子「みならい天使」山田えいじ「草原のメダル」中島利行「カナリア少女」で、3者ともに月刊誌『なかよし』に人気連載漫画を描いた漫画家である。先に創刊された『少女フレンド』の漫画がちばてつや以外、原作付き作品であったのに対して

『マーガレット』は全て漫画家のオリジナル作品であった。

相応の計画期間を持って発行された『少女フレンド』に一足遅れた『マーガレット』は創刊号をPR版として全国の小学生に無料配布した。

 

 

『マーガレット』の小説は浅野寿々子・星由里子がモデルを務める『少女ブック』からの移行作品「白ゆりの丘」『少女フレンド』の小説は「左ぎっちょの歌」真樹日佐夫:文 石原豪人:え

 

 

 

このブログは日本の漫画文化を築く礎になった、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントをお寄せください。よろしくお願いします。

 

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