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青銅の仮面 連載第1回 江原 伸『マーガレット』1964年50・51合併号 少女雑誌に初めて描かれたストーリー漫画は手塚治虫「リボンの騎士」であったと言われる。以降、少女漫画はそれまでのユーモア漫画に加えて”かなしいとこわい”が描かれるようになる。だが、少女が事件に巻き込まれるという作品が大半であった”こわいまんが”に『少女フレンド』連載「ねこ目の少女」楳図かずお作品が登場すると”こわいまんがの”の世界は一変し、以降、怪奇、ホラー、SF作品など多くのジャンルの作品が発表されることになる。本作は『マーガレット』誌上で発表された少女を主人公にした謎解きものの”こわいまんが”である。この時期江原伸は同類の作品を複数発表しており、多くの読者たちから指示を得ていたことが窺える。だが、少年読者も巻き込む勢いの『少女フレンド』楳図作品の登場に影響を受け『マーガレット』は古賀新一を起用して、亜流とも取れる作品を次々に掲載した。2021年8月4日江原 伸:1939年生まれ、秋田出身。『少年マガジン』でデビュー。その後『少年』『少年サンデー』『マーガレット』学習誌、その他多数で連載。代表作に「シャカの十大弟子」がある。ぶきみな仮面をめぐるおそろしい殺人事件‼︎おなじみ水川記者の探偵シリーズ、またまた登場‼︎1ヶ月さきの公演をひかえてはりきる晴子!でも、おにいさんはとつぜんの電話で家を出て⁉︎もしや、なにか⁉︎な、なんということを‼︎高木博士は、仮面どろぼうの犯人を、おにいさんだときめつけているのです‼︎晴子は、床にもはいらず、おにいさんのかえりをまっていたのです!でも、おにいさんは・・・⁉︎「赤いくつ殺人事件」や「黒い白鳥」でおなじみの少女、三井美紀と、晴子は親友だったのです‼︎おにいいさんが、おそろしい人殺しを⁉︎でも、高木博士をさらっていった男の横顔は、おにいさんに・・・‼︎人殺しと、誘拐犯人。とうとう新聞まで、おにいさんを犯人だと・・・⁉︎晴子の心は、ひどくいたみます‼︎なにかにおびえたような、おかしなことをいうおにいさんの声‼︎おにいいさんは、はたして犯人なのでしょうか。青銅の仮面『マーガレット』1965年2号いままでのお話・・・ぶきみな青銅の仮面をぬすみ、通行人を射殺した犯人のうたがいをかけられたままゆくえをくらました小島力造の妹晴子は、兄の無実を信じ、水川記者にすくいを求めた。犯人の一味は、小島のもつもうひとつの仮面をうばうため、晴子をゆうかいした。晴子の身をすくった水川の弟五郎少年は一味のかくれ家へ!赤いネコのひみつ『マーガレット』1965年11号いままでのお話・・・財界の大もの水野清氏が、深夜帰宅のとちゅう、自動車の事故で急死した。悲しみにくれる娘の水野広美は、その直後、水野家を呪う赤いネコの脅迫状をうけとり、名探偵のうわさ高い水川記者に救いを求めた。水川記者の弟が、水野家にとんで調査をはじめたその夜、三階の部屋で髪をみだした広美の姿を・・・⁉︎灰色の館『マーガレット』1965年24号いままでのお話・・・少女モデル美紀は、軽井沢で知りあった青年画家東俊也の絵のモデルをひきうけた。村の人びとが”きちがい館”とよぶ俊也の館についた美紀は、その夜、下男の音吉に首をしめられそうになった。よく日、病弱な俊也をたずねた看護婦の木村は、医者をよびにいくとちゅう、なにものかにさし殺されてしまった。マーガレット 1964年(昭和39年)50・51号 青銅の仮面 江原伸 連載第1回掲載号ameblo.jpこのブログは日本の漫画文化の礎を築いた、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントでお知らせください。よろしくお願いします。
少 年 1968年(昭和43年)3月最終号月刊少年雑誌として1946年(昭和21年)11月に創刊。創刊当時はA5版の読み物中心の編集であった。江戸川乱歩作の読物として少年探偵団シリーズが連載され、読者の喝采を浴びた。その後競合他誌と同様に漫画や絵物語を中心とした編集になるとB5版になり部数も伸ばした。1852年に連載を開始した手塚治虫「鉄腕アトム」が多くの読者の支持を得たうえ、1955年には横山光輝「鉄人28号」の連載も開始され、二大ロボット漫画の人気で人気月刊誌の地位を不動のものとした。さらに30年代後半には白土三平「サスケ」関谷ひさし「ストップ!にいちゃん」藤子不二雄「忍者ハットリくん」などの人気作を生み出し、少年雑誌No.1の地位を『少年画報』から奪い取った。しかし1959年(昭和34年)に創刊された週刊誌『少年サンデー』と『少年マガジン』が続々と人気連載を生み出し、掲載漫画がテレビ化されることになると少年たちの娯楽は週単位になり、月刊誌が果たしてきた役割を終えたとして休刊となった。Cocoon版で紹介しました。〈Cocoon版〉『少年』1968年(昭和43年)3月休刊号 -1946年(昭和21年)11月創刊の『少年』最終号 。二大ロボット漫画「鉄腕アトム」「鉄人28号」のほか多くのmanga-bookshelf.comCocoon版トップのリンク画像表紙・まんが作品・別冊付録グランプリ野郎 少年版最終回と少年ブック版新連載・最終回少年版最終回 ブックレット少年ブック版新連載 ブックレットで紹介少年ブック版最終回 ブックレットで紹介ストップ!にいちゃん 最終回 関谷ひさし 鉄腕アトム 最終回 手塚治虫Cocoon版をよろしくお願いします。ここからは2021年11月4日紹介のAmeba版ですグランプリ野郎 横山光輝 39頁 折込カラー表紙突然の『少年』休刊により連載を終了した本作は、掲載誌を『少年ブック』に変えて1968年(昭和43年)4月号より連載を開始した。だが、わずか1年後『少年ブック』もまた『週刊少年ジャンプ(隔週刊)』に統合され、『少年ジャンプ』に引き継がれることなく終了した。グランプリ野郎 新連載 横山光輝 31頁『少年ブック』1968年(昭和43年)4月号MANGA bookshelf amebloグランプリ野郎 最終回 横山光輝 29頁『少年ブック』 1969年(昭和44年)4月号MANGA bookshelf amebloファン諸君、長いあいだご声援ありがとう!そして横山光輝先生ありがとう。ザ・シャドウマンさいとうたかを 43頁 カラー表紙 さいとうたかを・・・〈超人となりながらも悩む主人公を描いた〉貸本屋向けまんがに未練を持っていた私は、貸本やの三和土に座り込んで客の観察をしたことがある。その多くはブルーカラーで、年齢層は当然高い。この世界に入った時から青年コミックを描きたいと思っていたから、少年まんがに魅力を感じていなかっただけでなく、描くことで青年コミックを描くのに不都合が出るのではという不安も感じていた。そんな私が少年まんがに手を染めたのは、貸本業界が冷えきって二進も三進もいかなくなったからだ。『少年』からの依頼はスーパーマン物。だから読者の中には「ザ・シャドウマン 」をSFだと思っている人も多い。私もマニアといわれるほどのSF好きだが、この時はドラマの面白さを狙っての設定だった。冠をM・S・F 劇画(ミステリアス・スーパーマン・フィクション)としたのも、私の拘りの表れだといっていい。描いている時の私の心底には、”黒人礼讃”があった。スポーツ観戦で黒人選手の洗練された肉体とその強靭ぶりが焼き付けられ、やがてスポーツ界は黒人選手に席巻されると思った。そんな予感を仮託したのが和製スーパーマンのシャドウマンなのだ。超人となりながらも自らの肉体の変化に悩む主人公・・・ドラマとしての面白さを狙ったが少しうるさ過ぎた感もある。少年物なのだから単純明解にしておけば人気ももっと取れたと思う。この「ザ・シャドウマン 」の経験が、私の少年物で唯一成功した「バロム1」に結実しているのだ。インタビュー『少年』オール復刻OX読者のみなさん〈ザ・シャドウマン 〉が、百年も千年も続かなくて、ごめんネ‼︎〈少年〉編集部一同地獄くんムロタニ・ツネ象 21頁おわび・・・今月号かぎりで『少年』休刊のため、「地獄くん」は話のとちゅうですが、これでおわらせていただきます。ムロタニ先生をはじめ、ファンのみなさんにおわびするとともに、ご了承いただきたいと思います。ご愛読ありがとうございました。「少年」編集部ワイルド・ヒック篠田ひでお 15頁ヒックとガバワニのまきおこす笑いの旋風も、これでおわりです。いつも笑いをわすれないでね‼︎ストップ!にいちゃん関谷ひさし 24頁 カラー表紙みなさん、ながいあいだのご愛読ありが当ございました。怪人20面相とわんぱく探偵団大野ゆたか 原作 江戸川乱歩 20頁〈わんぱく探偵団〉の、つぎのお話は雑誌『ぼくら』にのることになりました。ぜひ読んでね‼︎鉄腕アトム手塚治虫 21頁アトムくん、長い間ありがとう。ぼくらはおとなになっても、けっして、きみを忘れないよ!大マシン泉ゆき雄 27頁 2色表紙ご愛読ありがとうございました。大マシンは諸君の心にながく残るでしょう。さようなら・・・明治くんのなんでも100年ボクシング吉田ゆたか 6頁1年間ご愛読いただいた「明治くん」も、かっこいいボクシングでラスト・ラウンド!吉田先生ありがとう‼︎光速エスパーあさのりじ 17頁 カラー表紙あさのりじ版『少年』1966年(昭和41年)1月号ー1968年(昭和43年)3月号連載もともとは1964年、家電メーカー東芝がマスコットキャラクターのデザインをあさのりじに依頼したのが誕生の由来で、系列電気店のシャッター図案や広告用としてのものであった。その後『少年』で発表したまんが作品が人気となり、1967年8月から半年間子供向け特撮ドラマとして放送された。『少年』の休刊で一旦終了するが間も無く始まったドラマ再放送に合わせて、松本零士による新たな連載漫画が1968年から1970年にかけて登場した。SF性と緻密さを高めた作画、緊迫したストーリー描写が好評を博し不動の人気を得た。松本零士版は『少年ブック』1968年(昭和43年)6月号ー1969年(昭和44年)4月号の連載であったが、これもまた同誌の『少年ジャンプ』との統合(休刊)により『少年ジャンプ』へと引き継がれ、1969年(昭和44年)9号ー1970年(昭和45年)30号連載(全18回・別冊少年ジャンプ掲載分を含む)で終了した。のちに主人公名が『宇宙戦艦ヤマト』に流用され、主人公の境遇は『銀河鉄道999』の星野鉄郎のキャラクター原型の一つとなるなど、松本SF漫画のルーツとしても捉えられている。この松本版も東芝のオフィシャルなものとして扱われ、広告や系列電気店のシャッター図案も後期は松本のデザインしたキャラクターに差し替えられている。wikipedia光一くんの意外な悪銭で、さすがのギロン星人も、恐ろしいキリとともに消え去ったのだ!影丸譲也劇場 鉄砲弥太影丸譲也 79頁 カラー表紙ファン諸君、長いあいだご声援ありがとう!少 年 休刊のごあいさつ光文社創業60周年企画『少年』1962年(昭和37年)4月号オール復刻BOX13大ふろく ①オルゴールレコード ②鉄人28号 ③シルバークロス ④サスケ ⑤ナガシマくん ⑥鉄腕アトム ⑦ストップ!にいちゃん⑧テスターZ ⑨宇宙人マッハ〈本誌とじこみ⑩銀河R3⑪少年台風⑫がらくたくん〉⑬びっくり魔法セット別冊付録 横山光輝「鉄人28号」・藤子不二雄「シルバークロス」・白土三平「サスケ」・わちさんぺい「ナガシマくん」・手塚治虫「鉄腕アトム」・関谷ひさし「ストップ!にいちゃん」・九里一平「テスターZ」・一峰大二「宇宙人マッハ」このブログは日本の漫画文化の礎を築いた、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントでお知らせください。よろしくお願いします。
『少年画報』1960年(昭和35年)10月号再編してmanga-bookshelf Cocoon版で紹介しました「まぼろし探偵」「ビリーパック」「天馬天兵」「赤胴鈴之助」「白馬童子」、人気連載作品を多数掲載し、この年の1月号は月刊誌史上初の80万部を売り切った月刊誌黄金期の一冊です新連載「Xマン」桑田次郎作品をブックレットで紹介しました『少年画報』1960年(昭和35年)10月号 -新連載 Xマンまぼろし探偵ビリーパック天馬天平白馬童子赤胴鈴之助新連載 スーパーヒューリー快傑鷹の羽 桑田次郎manga-bookshelf.comここからは2021年12月9日紹介分です少年画報 1960年(昭和35年)10月号 前年の1月号で80万部を発行して戦後少年雑誌の新記録を樹立した。連載まんがに「まぼろし探偵」「ビリーパック」「天馬天兵」「赤胴鈴之助」を揃えてその勢いは昭和36年まで続く。その後人気連載漫画の終了に伴い発行部数が伸び悩み、追随する『少年』にトップランナーの位置を奪われることになるが、昭和40年以降に連載を開始した「怪物くん」「マグマ大使」「ロボタン」などテレビとのタイアップ作品の人気で盛り返し、少年月刊誌を牽引し続けた。まぼろし探偵 桑田次郎 8頁(4色4+2色4)+別冊・1957年3月号-1961年12月号作品は・・・少年画報者の少年記者・富士進は、仲間の十郎と一緒に難事件を追っかけている。難局になると、紅い帽子に黒い目隠しマスク、黄色いマフラーといういでたちのまぼろし探偵がバイクに乗って現れ、拳銃の扱いも鮮やかに、事件解決に力を貸す。その正体は、警視庁の鬼警部である父親すら知らない。少年・進が姿を変えての活躍だった。事件を追う記者で秘密探偵という、冒険好きの少年にとっての憧れの職種を一人二役でこなすスーパーヒーローが少年だったところも、読者に痛快な読後感を与えた。ビリーパック 河島光弘 8頁(4色4+4)+別冊・1954年10月号-1962年6月号作品は・・・アメリカ人を父に、日本人を母にもつ少年探偵ビリー・パックが麻薬の密輸団などの悪を相手に活躍する。ハンチングにトレンチコートというファッションとスピーディなアクションが子どもたちの評判となり、武内つなよしの「赤胴鈴之助」と人気を二分、ラジオやテレビで放送された。また、日米親善というテーマから、日本の人気児童漫画として、アメリカのCBSネットワークで全米に紹介された。61年3月、著者の急死により、途中から手伝っていた矢島利一が続筆した。天馬天平堀江卓 8頁(2色+4)・1957年6月号-1959年7月号 ※1960年5月5日からのテレビドラマ放送に合わせて再連載(期間未確認)作品は・・・江戸時代、長崎で蘭学を学んだ医者の天馬天兵が、悪人相手に鞭をふるって活躍するアクション時代劇。油田の地図をめぐる争いではまだおとなしいものだが、長州藩の財宝をねらう怪盗龍騎隊や、将軍の姫君をさらおうとする唐の国の海賊・吸血黒手組などの陰謀団が敵として登場すると、大がかりなからくりがつぎつぎと繰り出されるようになり、とくいのけれん味とスピード感あふれるダイナミックな堀江アクションが展開されていく。初期の代表作で、テレビドラマ化もされた。スパーヒューリー新連載 伊東章夫 16頁(4色4+12)昭和35年10月号-昭和36年8月号Xマン 新連載 桑田次郎 口絵折込Xマン 新連載 桑田次郎 16頁(2色4+12)昭和35年10月号-昭和37年8月号白馬童子 南村喬 原作 結城三郎・田辺虎男 8頁(4色4+4)+別冊・1960年2月号-12月号お笑い一心太助福田三郎 16頁 昭和35年4月号-12月号赤胴鈴之助 武内つなよし(連載第1回のみ福井英一) 15頁(2色4+11)1954年8月号-1960年12月号『少年サンデー』版1972年16号-35号作品は・・・主人公の金野鈴之助は師範代の横車推之助に連れられ、江戸の名門・千葉周作の道場に入門した。周作に厳しい修行をつけられ、昇段試合で竜巻雷之進を破るが、雷之進は破門させられ、鈴之助のライバルとなる。鈴之助は槍の宝蔵院流の岳林坊と野試合をしているを周作に見つかり、心の修行を命じられる。そんな鈴之助を陰ながら見守るのが母親のお鈴と少女のさゆりだった。その後、鈴之助は真空切りを考案し、悪と闘う。本作はラジオドラマ化、映画化され、一大ブームとなる。スーパーマン 最終回 吉田竜夫 16頁 昭和34年9月号-昭和35年10月号怪傑鷹の羽 矢野ひろし 原作 田辺虎男 16頁 昭和35年7月号-12月号5郎10郎 下山長平 16頁 昭和35年10月号-昭和36年8月号まんが寄席 古沢日出夫 板井れんたろう 藤山のぼる 福田三郎古沢日出夫板井れんたろう藤山のぼる福田三郎犯人はあいつだ 新連載 山口よしひろ 16頁 昭和35年10月号-昭和36年2月号月影剣士 植木金矢 16頁 昭和35年3月号-昭和35年12月号笛吹童子 益子かつみ 16頁 昭和35年6月号-昭和35年11月号時代小説 あばれ剣法え石原豪人山手樹一郎このブログは日本の漫画文化の礎を築いた、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントでお知らせください。よろしくお願いします。
りぼんカラーシリーズ21「火の花の丘」牧美也子:作manga-bookshelf Cocoon版で紹介しましたブックレット式で読める構成ですシリーズ21「火の花の丘」 -りぼんカラーシリーズ21は『りぼん』誌上で、長期に渡って巻頭まんがを描いた牧美也子作品。本作の発表は、「りぼんmanga-bookshelf.comここから下は2020年1月23日紹介記事です火と花の丘 りぼんカラーシリーズ21は『りぼん』誌上で、長期に渡って巻頭まんがを描いた牧美也子作品。本作の発表は、「りぼんのワルツ」1963年5月号 - 1964年12月号の連載が終了した翌月、1965年1月号である。続く連載は、「虹にねがいを」1965年2月号 - 1966年11月号であった。キリスト教が禁教になり、迫害を逃れてたどり着いた地で信仰に生きる人々の愛を描いた名作である。『りぼんカラーシリーズ』はB6版、130頁の別冊ふろくの体裁を定番としていたが、中に三作イレギュラー作品がある。「火の花の丘」はその中の一作であり、98頁の作品であった。青年次郎と妹のさつきが滝壺のそばで助けた娘の胸元に、兄の次郎が身につけているのと同じクルスが・・・・ふたりの祖父、加平次は他言を禁じ、娘をふたりのいとことしてかくまうという。娘の名前は由加・・・貿易商京極屋の娘で、一家はキリシタンであった。父母はめしとらえられ、由加は追手を逃れて豊後や長崎の信者を頼ったが、その先々まで追われ・・・・さつきと次郎、そして加平次の三人も追われる身であることがあかされる。さつきと次郎は兄妹ではなく、また、ふたりの両親もキリシタンであった。次郎の父に仕える身だったさつきの祖父加平次は、キリシタン狩りの目を逃れて次郎とさつきをつれだし・・・・おなじ運命を背負いこの地にたどり着いた次郎とさつき、由加に安息の日々が訪れるかに見えた。浜の長、庄兵衛の息子庄吉はさつきに思いを寄せていたが、次郎と兄妹ではないこと知ったさつきは自分の思いにとまどう・・・・・干魚を売るために町の市に行ったさつきはイエスやマリアの像を足で踏ませる、キリシタン改めが行われることを知る。やがて、キリシタン改めが行われ、加平次、由加と踏み絵が進む中で、何者かの密告によりマリア観音の像が発見される。それは、次郎が母を思いながら彫った像であった。母の像を踏むことを拒む次郎。さつきもまた次郎の母の像を踏むことが出来ず、ふたりはキリシタンとみなしてとらえられる。沖の島で燃え上がる十字架とともに行われるふたりの処刑。役目を負うと願いでたのは浜の長、庄兵衛であった。さつきに思いを寄せる息子の庄吉が、さつきの次郎への思いを知り、次郎を陥れるために密告したと悟った惣兵衛は、さつきの祖父のもとを訪れ、十字架に縛られて燃え上がっているのは人形であると告げる。そして加平次に、由加と船で島へ渡り、ふたりを待つ次郎とさつきとともに南にあるであろう安息の地に逃げるよう促す。一方、由加は慚愧にたえられず・・・・・『別冊りぼん』 1966年(昭和41年)夏の号 作品の頁数がイレギュラー作品であった「火の花の丘」は、シリーズ中、読者支持の高かった作品2作を再録したA5版の雑誌、季刊『別冊りぼん』に、新たなエピソードが描き加えられて130頁の作品として収録されている。このブログは日本の漫画文化の礎を築いた、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントをお寄せください。よろしくお願いします。20201131 100ピクセル/インチ 見出+13画像20210208HTML
manga-bookshelfCocoon版に『ぼくら』1964年(昭和39年)4月号を紹介しました新連載 辻なおき作品「なげろ健一」をブックレットで紹介諏訪栄(小島剛夕)作品「忍びのヒデト」連載中ぼくら 1964年(昭和39年)4月号 -まんが 新連載 なげろ健一 山の子一平 ATOMICゴロー 忍びのヒデト ゼロ戦特攻隊 進めボロチン部隊 オmanga-bookshelf.comここからは2022年4月4日の紹介記事です。ぼくら 1964年(昭和39年)4月号 辻なおき「なげろ健一」新連載号。武内つなよし「少年ジェット」、吉田竜夫「スーパージャイアンツ」、松本あきら「電光オズマ」の人気連載漫画を掲載して幼年期少年の支持が高かった『ぼくら』だが、これらの作品が連載終了すると誌面に精彩がなくなってしまう。辻なおき「なげろ健一」はこの号から連載を開始し読者支持が再燃する契機となった。以降、伊東章夫「オオカミ少年ケン」、久松文雄「風のフジ丸」、堀江卓「スパイキャッチャーJ3」、水木しげる「カッパの三平」など人気連載作が続々登場する。辻なおきは「なげろ健一」終了後「ばくはつ五郎」にタイトルを変えアニメ化もされた「ばくはつ大将」を連載し、『ぼくら』休刊時は「タイガーマスク」を連載中で、作品は後継誌『ぼくらマガジン』に移行連載された。ついに出た!新案だいふろく!ぜったい楽しいぼくら五月号 ①あるきまわってかくしづつをうつ忍者ロボット ②銀の十方手裏剣 ③別冊 なげろ健一 ④別冊 大空三四郎 ⑤別冊 山の子一平 ⑥別冊 アトミックゴロージャイアンツ巨砲三人男読売巨人軍V9に大きく貢献した3選手、本塁打王をねらう王・打撃王をねらう長嶋・盗塁王をねらう柴田。この3人を擁して翌1965年から1973年までの9年間、プロ野球日本シリーズを制覇した。別冊ふろく大空三四郎吉田竜夫 原作:高森朝雄 B6版66頁なげろ健一 新連載辻なおき 8頁(4色4+4)大阪にある浪川高校野球部の橘健一はエースで4番打者である。高校野球で優勝を目指す健一に、父は肩を負傷して野球の道から退いたという自分の過去の経験から、学業も優秀な健一には大学へ進み一流企業に就職することを望んでいる。その父が不慮の事故あい・・・そして亡くなる間際に残したのは「なげろ健一」という言葉だった。健一は叔父に引き取られ東京へ向かう列車の中で再び甲子園に帰ってくることを心に誓う。辻なおき・・・1935年、京都府に生まれる。54年、「魔王の目」でデビュー。少年雑誌の挿し絵などを経て、漫画家に転身。「0戦太郎」「0戦はやと」のヒットで戦記ブームの一翼を担うほか、原作者の梶原一騎と組んだ「タイガーマスク」「ジャイアント台風」などスポ根漫画ヒット作も手がける。97年没。別冊ふろくなげろ健一B6版66頁山の子一平佐藤ひろはる 原作:八木基克9頁(2色5+4)別冊ふろく山の子一平B6版66頁アトミックゴロー楠たかはる 原案:関沢新一 原作:新井豊 7頁(4色3+4)別冊ふろくアトミックゴローB6版66頁忍びのヒデト 諏訪栄 33頁(4色1+32)小島剛夕(諏訪栄)・・・1928年三重県に生まれる。父親が肖像画家のため幼少より絵を描いたが、さまざまな職業を転々とする。58年に上京して紙芝居画家に。58年「かげろう殺法」で貸本デビューし、ひばり書房より貸本時代劇を発表、静かな支持を集める。白土三平の赤目プロのアシスタントとして「カムイ伝」などの作画に協力。その後『週刊漫画アクション』連載の「子連れ狼」が大ヒットとなる。「乾いて候」「半蔵の門」など数々の作品を青年誌に発表した。現代漫画博物館ペンネーム諏訪栄・・・その由来については本人が次のように語っている。漫画家として仕事も軌道にのりはじめた頃専属契約を結んでいた出版社との契約関係で小島剛夕という本名では仕事ができず、ペンネームが必要になったことがあった。剛夕は故郷の三重県・四日市市にある県社・諏訪神社に名を借り、諏訪の街が栄えてくれることを願って諏訪栄と名乗った。あ諏訪栄の少女漫画 読切 悲しい白鳥なかよし 1967年(昭和42年)5月号 悲しい白鳥 諏訪栄 作品掲載号MANGA bookshelfゼロ戦特攻隊木村光久 32頁(2色4+28)すすめ‼︎ボロチン分隊宇田八郎 8頁よたろうくんやまねあかおに15頁オーケー学校藤子不二雄 16頁ぱっちり赤ちゃん読切 森田拳次8頁このブログは日本の漫画文化の礎を築いた、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントでお知らせください。よろしくお願いします。
少 女 1957年(昭和32年)12月号それまで少女漫画はユーモア作品で占められていたが、昭和30年に『なかよし』と『りぼん』が創刊されると、少女誌の多くの頁を漫画が占めることになり、少女漫画にストーリー作品というジャンルを持ち込んだ手塚治虫、うしおそうじに続く漫画家が現れる。本誌には牧美也子「白いバレエぐつ」、わたなべまさこ「金のうろこ」の読切短編が掲載されている。牧美也子、わたなべまさこはこの時期に注目され、牧美也子は『少女』で「青い十字架」の連載を開始、わたなべまさこは競合誌『少女ブック』に「山びこ少女」の連載を開始する。巻頭まんがは4月号から連載を開始した横山光輝「母さんふたり」で、生みの母と育ての母の間で揺れ動く少女の心情を描いた物語は多くの読者の支持を得た。高橋真琴の「のろわれたコッペリア」は昭和30年代中盤以降、各誌の境界を超えて絵物語や口絵で誌面を飾った作者の、数少ない読切まんがである。manga-bookshelf Cocoon版で紹介アニメーションとブックレットを使用して見やすい構成にしました↓クリックして進んでください少女 1957年(昭和32年) 12月号 -まんが 母さんふたり のろわれたコッペリア 小鳩くるみちゃん 白鳥の祈り 青い真珠 なまちゃん クラスおてんmanga-bookshelf.comダイジェストここからは2022年2月21日紹介分です少女 新年号は6大ふろくつきです ①バレエブローチ ②カレンダー ③お手紙セット ④まんがの本 母さんふたり ⑤まんがの本 松島トモ子実話まんが ⑥シネスコ型絵はがき母さんふたり 横山光輝 9頁(4色1+2色4+4)お母さんがふたりいるかえでちゃん!でも、そんなことを知らないかえでちゃんのむじゃきさ!母さんふたり 横山光輝 少女 1958年(昭和33年)1月号 別冊付録MANGA bookshelfのろわれたコッペリア読切 高橋真琴 2色7頁のろわれたコッペリア 全7頁紹介 少女 1957年(昭和32年)12月号掲載MANGA bookshelf小鳩くるみちゃん水谷武子 2色4頁手にもっていったカール人形のおかげで、とんだ事件がもちあがってしまいました。白鳥の祈り 新連載 わたなべくにお 作:谷元次郎 2色9頁青い真珠おざわあきら 2色10頁”青い真珠”は、あくまの真珠なのでしょうか?ふってわいたようなみさおちゃん一家の不幸⁉︎なまちゃん中村初江 2色2頁東京の中学一年の中村初江さんがかいたまんがです。みんなで中村さんをおうえんしてあげてください。クラスおてんば日記今村洋子 2色9頁わかれのワルツ新連載 松本あきら作:島守俊夫 8頁あたらしくはじまった、こわいまんが「わかれのワルツ」・・・夜、ひとりでよんではいけません!さと子のおかあさんは人ごろしの犯人でした。さと子には、あんなにやさしいおかあさんが・・・!きえたおねえさん最終回 うちのすみお 9頁おねえさん、あきらちゃん、おかあさん、三人のすがたがみえなくなった!ほんとうに、きえてしまったのでしょうか?ウララちゃん水谷武子 4頁 ウララちゃんが、学校からかえったら、おうちのなかに、大きなしゃもじがいっぱいありました。さて・・・牧場は夕やけ横山まさみち 9頁白いバレエくつ読切 牧美也子 8頁白いバレエぐつ 読切 牧美也子 全8頁紹介少女 1957年(昭和32年)12月号掲載MANGA bookshelfミサ子さんは、あるさむい日、うら山へスケッチに行きました。ところが・・・金のうろこ読切 わたなべまさこ 原案:津々見じゅん 7頁こぐまの小石最終回 9頁かおりちゃんのおとうさんは、わるものたちのなかまにはいってしまうのでしょうか?さあ、はやくよみましょう。このブログは日本の漫画文化の礎を築いた、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントをお寄せください。よろしくお願いします。
漫画王 1969年(昭和34年)3月号 1952年2月号から連載を開始した手塚治虫「ぼくのそんごくう」が7年を超える連載の最終回をむかえる。1956年貸本漫画「嵐をこえて」でデビューした赤塚不二夫が商業誌で活躍する転機となった作品「ナマちゃん」連載中。ムロタニ・ツネ象「わんぱくター坊」は『漫画王』を代表するユーモアまんがである。ストーリーまんがの代表作に「地獄くん」があり、『少年サンデー』で掲載されたのち『中一時代』を経て『少年』での連載を開始したが1963年3月号の休刊により未完に終わった。manga-bookshelf Cocoon版で紹介アニメーションとブックレットを使用し見やすい構成にしました漫画王 1959年(昭和34年)3月号 漫画王 1969年(昭和34年)3月号 1952年2月号から連載を開始した手塚治虫「ぼくのそんごくう」manga-bookshelf.com付録①磁石つき立体大ずもうゲーム ②黒わし少年 ③みみずく頭巾 ④かっぱ大将 ⑤ジェット・キング ⑥黒帯先生 ⑦バクダン二等兵 ⑧ハッタリくん ⑨モウさん 本誌とじこみ名選手えはがき 稲尾天然色カレンダーまたまたはなつ・・・10大サービス すごいぞ‼︎漫画王 4月号付録①スーパージェットハヤブサ号 ②わんぱくター坊 ③バットくん④怪力クリ太郎 ⑤カチグリくん⑥バクダンタンク郎 ⑦チョンマゲ三等兵⑧わんぱくカッチン ⑨ジャングル太郎⑩天然色カレンダー日本一横綱若乃花の土俵入り漫画王スコープ天然色漫いざこの槍うけてみよ‼︎たのしい日曜日巨人軍の王選手と共にXけんじ 武内つなよし 8頁(4色4+4)凸凹忠臣蔵つぶて小僧大野きよし14頁(4色1+2色7+6)大野きよし・・・1915年に生まれる。戦前より、大阪の出版社から単行本を描き下ろし、戦後、メンコの絵描きを経て、「熱砂の果」などの赤本漫画を多数執筆し、自宅で勉強会を開くなど多くの若い漫画家に慕われる。木川かえる、泉ゆき雄は門下生。その後『少年クラブ』『日の丸』など少年誌に「くろしおの王者」「少年さるとび佐助」などを発表。代表作に「鉄仮面」などがある。現代漫画博物館わんぱくター坊ムロタニ・ツネ象16頁(4色4+12)ぼくのそんごくう最終回 手塚治虫 7頁(4色3+4)超能力を持つ石猿の孫悟空が、三蔵法師とともに、魔物を退治しながらインドへの冒険の旅をする、手塚版「西遊記」。2000年もの昔、中国の奥地にある華果山(かかざん)の山頂の石から、1ぴきの黄金色をしたサルが生まれました。このサルは、かしこく勇敢で、やがて仙人の弟子となって魔法をおぼえました。しかし彼は、天界で大あばれをしたため、おシャカ様に岩牢へとじこめられてしまいました。それから五百年のち、唐の国から、王の命令で貴重なお経をもらいに天竺(インド)へ行く偉いお坊さん・三蔵がその岩牢の前をとおりかかりました。三蔵に助けられたサルは孫悟空と名づけられ、三蔵の供をしてインドへ行くことになります。途中、悟空は豚の顔をした妖怪・猪八戒や、河童の妖怪・沙悟浄と戦い、彼らも三蔵の家来にします。三蔵と魔法を使う3人の家来は、奇妙で驚異的な旅をつづけることになります。TEZUKA OSAMU OFFICIALジェット・キングおしらせつばなり右近植木金矢8頁(4色4+4)ぶんぶんブンちゃんわちさんぺい 8頁バットくん板井れんたろう18頁(4色1+17)ナマちゃん赤塚不二夫 6頁)べんけいくん園山俊二内つなよし 13頁ドンチャカ兄弟武きくと三夫 18頁(4色1+17)ばくだんタンク郎新連載 石川球太 9頁白虎頭巾最終回 松碕光8頁かわうそサブくん つのだじろう2頁カチグリくん大泉映児8頁このブログは日本の漫画文化の礎を築いた、主に昭和三十年代を舞台に活躍した漫画家とその作品が、時の経過に埋もれることなく今の時代に語られる事を願って、昭和三十年代の漫画雑誌と作品を紹介してます。ご意見、ご指摘がありましたら、メッセージまたはコメントでお知らせください。よろしくお願いします。
Cocoon版manga-bookshelf 望月あきら 別冊付録 アップしました。1957年に貸本単行本でデビューし、上京後少女誌に作品を発表。1960年発表の『少女』連載作品「あしたは土曜日!」10回連載中の9回は本誌と別冊付録、1回は頁数を多くした別冊付録で連載された。1964年発表の『なかよし』連載作品「海の星山の星」は巻頭を飾る人気連載となった。以降「ジュリエッタ」など6作品を足掛け4年間に渡り連載。アニメーション効果を使用して全10冊を紹介しました。望月あきら 別冊付録 -望月あきら 1937年、静岡県に生まれる。定時制高校に通いながら社会人経験を重ねたのち、57年、貸本単行本「黎manga-bookshelf.com
読了 manga-bookshelf LIFE2024年1冊目の読了本は塩田武士「存在のすべてを」2010年に「盤上のアルファ」で第5回小説現代長編新人賞を受賞しデビューした塩田武士の作品である。「存在のすべてを」に興味を抱いたのは、2016年8月刊行の「罪の声」を読んだことに繋がる。「罪の声」は昭和の未解決事件「グリコ・森永事件」を製菓メーカー「ギンガ」と「萬堂」に置き換えた「ギン萬事件」から31年後、京都でテーラーを営む曽根俊也が父の遺品の中から見つけたカセットテープと黒革のノートが発端になる。そのカセットテープの音声が「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープと全く同じもので、しかも、その声は31年前の曽根俊也自身の声であった。時を経て事件を追う新聞記者がたどり着いた真相がフィクションとノンフィクションの狭間にあるが如く綴られる。作者が再び描いた誘拐事件「存在のすべてを」は、平成の時代、驚愕の「二児同時誘拐事件」発生から始まる。誘拐された少年の一人はまもなく救出されたが、もう一人が戻ったのは誘拐されてから三年後で、しかも自ら現れてこの作品の真髄が描かれる。空白の三年間に少年の身に何が起こったのか。その三年間を共に過ごした人間は誰だったのか。画家と画商、絵画界の重鎮が支配する芸術の世界を書きながらそこに身を置く人々の人生を物語る。
manga-bookshelf Cocoon版を更新しました。月刊『少女クラブ』連載作品、ちばてつや「ユカをよぶ海」をCocoon版ならではのレイアウトで、最終回を紹介しました。ぜひご覧ください。↓画像をクリックして進んでください