なぜ160cmの女性には「標準丈」が長く感じられるのか?
結論から言うと、標準丈そのものが「お直し前提」で設計されているからです。
「160cmって、日本ブランドでは標準体型じゃないんですか?」
それなのに、実際に履いてみると
なぜかパンツが長く感じる——。
もしかして
「私だけ脚が短いのかな?」
そんなふうに感じたことがある方も多いと思います。
この疑問の答えは、体型の問題ではありません。
服が作られる“構造”の問題です。
デザイン・製造・流通・販売まで、12年間携わってきた立場から、
要点だけを整理します。
① ✂️ 切ることはできても、足すことはできない
洋服づくりで最も基本的な原則は、とてもシンプルです。
👉 丈は短くできても、長くすることはできません。
そのためブランドは常に、
・同じ身長帯の中で
・股下が最も長い人を基準に
パンツ丈を設定します。
その結果、
股下が平均的な160cm女性の方(一般的におおよそ72cm以下)にとっては、
👉 「標準丈」であっても長く感じてしまう構造になります。
実際、私たちの分析では
ブランドの標準丈と「160cmにとっての理想的な丈」との差は、
平均で約2.5cm前後あります。
② 🏭 ショート丈・ロング丈が一般化しにくい理由
よくこんな質問をいただきます。
「どうして最初からショート丈やロング丈を作らないんですか?」
理由はとても現実的です。
・春物は最低でも6か月前に生産する必要がある
・シーズン中の追加生産はほぼ不可能
・多くの工場は海外にある
この条件下で
ショート・標準・ロングを同時に展開すると、
👉 在庫リスクが一気に高くなります。
だからこそ、現実的な選択はひとつ。
少し長めに作り、必要に応じて切る。
この設計が採用されているのです。
③ だから「標準丈」でもお直しが必要になる
つまり、標準丈とは
「160cmの人にぴったり合わせた長さ」ではなく、
👉 **製造と流通を前提にした“安全な長さ”**です。
ユニクロや無印良品が
インハウスのお直し体制を前提に
店舗とオンラインの両方で展開している理由も、
ここにあります。
📌 まとめ
160cmで標準丈が長く感じるのは、
脚が短いからではありません。
👉 最初から、そう感じやすい設計だからです。
マネフィットでは、
こうした「当たり前なのに説明されてこなかった構造」を、
これからも数字と基準で丁寧に整理していきます。
