いよいよ、今日が最終回となりました。

「次に海外へ行く人のために…」
と言われ書き続けたブログですが、
気付くと自分のために書いていた気がします。

こんな拙いブログにお付き合いくださり、
本当にありがとうございました。


この研修に参加して、
1年前の自分と比べると、
カナダに行ったことで、
まさに人生観が変わりました。

家族参加というお願いに応えてくださった
のエージェントには、
感謝しても感謝しきれません。

まず家族で来られてよかったです。

私たちは、仕事好きの教員夫婦です。
そのせいで、息子のことを、
良いところも悪いところも、
全然知りませんでした。
そのことに気付き、長い時間、
3人で共有できたことが、幸せでした。

息子は、恐ろしいほどの吸収力で、
英語力もコミュニケーション力も、
上達しました。
彼が1番たくさんのことを学んだ
思います。
それは、グランアイルの先生や生徒たち、
豊かな自然環境、ジェントルマンシップが
もたらしてくれたものでした。



次に、私たちの仕事について。
カナダの教育、指導法を学ぶ。

これは、あまりイメージしていたものとは違いました。
新しい指導テクニックや教具に出会うイメージをもっていました。
そういったテクニックを学ぶことではないのだと気付かされました。

複式学年、少人数、アボリジニーの環境、スペシャルニーズの生徒たち…。
いろんな状況の中でも、同じく学校があって、授業があって、おもしろいなと感じました。


日本の一斉指導に疑問を感じていたので、
大変斬新でした。

そして、カナダの学校をいくつか見学させてもらき、改めて「これが一番の教え方」というものはないのだと知りました。
そして、日本の教育の変だなと思うことへの違和感が、カナダから見ても変だとわかりました。

個別指導、自主的に学ぶ、教え合うなど、
グラニスルの学校の授業スタイルは、かなり特別でした。
私たちにとっては、このファミリーのような学校スタイルがとても合っていたのだと感じます。




また、英語力の向上も目的でした。
来年から小学3年生から英語が始まります。
自分の語学力で教えるなんて…と思っていただけに、行けてよかったです。

私個人の英語力は努力が足りず、
そこまで上達しませんでしたが、
これからもまだまだ学びます。


グランアイルの生徒たちは、
日本人に学校が来ることに慣れているため、
汲み取って理解してくれるため、
「こういうことがいいたいの?」
と英語でよく直してくれました。

もどかしかったですが、
なまじ伝わってしまうため、
そこに甘んじてしまったのが反省です。
これならも
まだまだ勉強です。

ただ、英語が母国であるカナディアンですら、
書けない、読めない、時間をかけて、
じっくり学ぶ様子を見ることができました。

頭で考えるより、
やはり耳から理解していた息子の方が、
数倍上達しています。
ヒアリングとスピーキングのバランスがとても大事なんだと思いました。

言葉が通じないもどかしさを、
一年かけて体験できたのも大きかったです。海外旅行では味わえない経験でした。
「伝わらない」
「伝え方を変えてみよう」
「通じた!」
「あの言い方なんだっけ?」
「忘れた」
「また調べよう」
これの毎日でした。
楽しかったです。



そして、日本文化を伝える目的は、
だいたい楽しくできました。
日本のことをよく知っている生徒たち
なので、授業がしやすかったです。
怪我する前は私が、
怪我した後は妻が、
お互いに協力しながら実践しました。
40年以上日本に住みながら、
改めて日本を知ることばかりで、
もっと日常的に日本の子どもたちに、
日本の文化を伝えないといけないなとも
感じました。



そして、ここで経験した、たくさんの
学びを日本で還元することも目的です。
ゆっくり学んだことわ振り返りながら、
取り組んでいきます。

いつか身体が治れば、
カナダで命を救ってもらった人たちの所へ、
必ずお礼を伝えに行こうと考えています。

大事故を起こしてしまい、
たくさんの人に、心配や迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいです。

カナディアンの方達は、
ぼくが事故によりカナダを嫌いにならないで欲しいという気持ちが伝わってくるのですが、私にとって、そんな気持ちなど全くなく、ここに来られたことで、
今までの人生とは何だったのか?
日本人とは?
カナダとは?
世界とは?
など、いろいろなことを考えました。

刺激的で、充実した毎日が終わるかと思うと、寂しさが募ります。
身体の調子はまだまだですが、
グランニスルの自然、人、学校、生徒たち、すべてがぼくの故郷です。

しばらくは、帰国しても、
この余韻に浸りながら、
過ごそうと思います。



長文、読んでくださり、
ありがとうございました。