今日は、アメリカに音楽留学したい方の参考に、今年大学院を受験した私の生徒Mさんの、受験、奨学金、進学事情をご紹介します。

 

 

 

 

バイオラ大学でピアノ演奏科に在籍したMさんは、ピアノ演奏科修士過程(Master of Music in Piano Performance) のために、大学院を4校受験しました。

 

すべての大学院の試験は、指定された曲を録画して送るという方法でした。

 

その審査に通った後に、Zoomによる面接がありました。

 

結果は4校とも合格しました。

 

スカラシップは以下の様に頂く事ができました。(返済不要の奨学金で、額は年間、卒業するまで頂けます。)

  • A大学院:授業料全額
  • B大学院:授業料全額
  • C大学院:9500ドル(約103万円)
  • D大学院:5000ドル(約54万円)

 

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MさんはD大学院を選びました。

 

最大の理由は、良い先生に出会えた事です。

 

その大学院で学んだ、私の元生徒がこの先生を紹介してくれました。

 

Mさんは、昨年9月頃、試験曲が大体仕上がった時に、各大学院の習いたい先生方に連絡し、レッスンをお願いしたところ、この大学院の先生が一番良いレッスンをして下さり、受験の相談にも親切に乗って下さいました。


Mさんは、この先生なら習ってみたい、また安心して習える、と思えたと話してくれました。

 

(私は生徒達に常々、学校より先生が自分に合うか合わないかの方が大事だと言っています。)

 

 

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次の理由は学校です。

 

D大学院は、たぶんカリフォルニア州では一番良い学校、米国内でもメジャーなので、良い先生方、学生達が集まり、規模も大きいということが魅力でした。

 

 

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次の理由は、通える範囲内にある事です。

 

Mさんは、もともとC大学院を第一志望にしていたのですが、この大学院は他州にあります。

 

今は以前よりだいぶ良くなったとはいえ、将来のコロナの影響が見えない中で、知らない土地にひとりで行くのは不安が残りました。

 

2年後、博士課程の受験の時にそちらを受験することも可能ですから、それまで様子を見ることにしました。

 

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心配な点は、D大学院の学費が一番高くなることです。

 

(実は受験者の4分の1しか奨学金が出なかったそうですが、自分が受験者の上位4分の1にいた、という事実は逆に自信につながった様です。)

 

家から通って家賃を抑え、現在のピアノを教える仕事などを継続することで、学費を補うつもりです。

 

また、大学院生は助手になる事もできるので、来年はその試験を受けてみたいそうです。

 

A大学院、B大学院は授業料全額免除でしたが、修士課程までしかありません。

 

Mさんは、この受験を通して「もっと勉強したい」という意欲が湧いてきたようで、博士課程のある大学院に行きたいという気持ちが強くなりました。

 

 

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参考までに、試験曲には以下を使用しました。

  • バッハ、平均律第2巻第7番変イ長調
  • シューベルト、ソナタハ短調、D.958
  • ショパン、バラード第4番
  • ドビューシー、映像第1集
  • リゲティ、エチュード第1番

 

 

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以上のような経緯で、Mさんは納得してD大学院に決めました。

 

卒業していく学生を送る時は、涙を流す先生もいますが、私は「私ができることは教えたから、これからは自立した社会人、音楽家としてしっかり頑張ってね!これからが本番よ!」という様な、少し緊張した気持ちになります。

 

大学院での学びが実り多いものであります様に。

 

 

音楽大学、大学院受験についての過去の記事はこちらでも読むことができます。

 

下差し

 

 

*この記事はMさんの了解を得て書いています。

 

 

河村まなみ