日本では「アメリカの大学は学費が高い。だから留学は難しい。」と言われているようですね。
留学生にとって「学費が高い」のは残念ながら事実です…
でも、殆どの学生は様々なスカラシップ制度を利用しています。
(アメリカで「スカラシップ」という場合は、返済不要です。)
ですので、留学生でも上手にスカラシップを貰えば、日本の大学よりも安くなる場合もありますので、「留学は難しい」というわけではありません。
今日は参考までに、実例を一つご紹介したいと思います。
Aさんは Pasadena City College (短大)で1年半前から私のピアノの生徒です。
初めてのレッスンの時から、ある大学の音楽学部ピアノ演奏科に編入したい、という意思がはっきりしていました。
音楽学部のスカラシップの額は、入試の実技(オーディション)で決まるので、志望校の入試要項を最初から念頭において、1年半でどの様にレパートリーを作るかを考え、計画して、準備をしました。
またその大学は、学業成績によるスカラシップがあるので、勉強もなるべく良い成績をキープするように努力しました。
結果は、
- 学業成績によるアカデミック・スカラシップ:17000ドル(約178万円)
- 音楽学部からのミュージック・スカラシップ:10000ドル(約105万円)
- ファイナンシャル・エイドという低所得家庭へのサポート:9084ドル(約94万円)
この大学は私立ですが、授業料と諸経費$43019(約450万円)から上の額を引き、Aさんの年間の授業料の支払い額は、6935ドル(約73万円)という事になりました。
(この情報はAさんの許可を得て書いています。)
日本から留学される場合は、この上に寮費、食費などが乗りますが、その大学のウェブサイトに表示されている額を計算すると、年間合計額は約9000ドル(約94万円)前後となります。(部屋のタイプ、食事の回数で変わってきます。)
大学内の寮と食堂を使うので、交通費はいりません。(アパートの方が寮よりは安いですが、家具等購入、食費、免許取得、車の購入、車の保険などを含めると、時間が取られるし、結局高くなります。)
ピアノは学校の練習室で練習できるので、自分で借りたり買う必要はありません。
留学生が気をつけなければいけないのは、州立大学の場合で、州の住民に適用される割引が留学生には適用されません。スカラシップも少額しか用意されていない場合もあり、結果、授業料が大変高くなる事があります。学校によるので、良く調べる事をお勧めします。
例えば、カリフォルニア州の場合は、University of California も California State University も、大学院生対象の助手などのポジションはある様ですが、大学生用のスカラシップはあまり揃っていません。大抵の学生が、州の住人の格安価格の授業料だからだと思います。
しかし私が修士課程を終えた Indiana University Bloomington(インディアナ州)では、州外から来る学生も多いので、大学生対象のアカデミック・スカラシップやミュージック・スカラシップなども私立大学並みに揃っています。
以上、将来留学したい方や保護者の方の参考になりますように。
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