日本の殆どの方々は、マイノリティーとして生活した経験がないと思います。

 

アメリカに留学して以来、私は様々な場面で、自分がマイノリティーだと実感しました。

 

始めに留学したバイオラ大学は先生も生徒も優しい方達ばかりで、それがアメリカだと思っていましたが、次に行った学校ではいろいろな経験をしました。

 

ある日「ピアノ音楽史」のクラスの先生に呼び出されてオフィスに行くと、私の書いた学期末レポートが置いてあり、その中から様々な質問をされました。私は次第に疑問に思って「先生は、もしかしたら、私がこれを書いていないと思っているのですか?」と聞くと、「留学生のあなたがこんな高度なレポートを書けるはずがないと思ったけど、どうも本当に書いたようだ。」と言われたのです。日本で勉強した事をもとに書いたレポートでした。私は合格しましたが、そのクラスの半分が不合格でした。殆どが留学生でした。皆、素晴らしいピアニストでしたが、言葉が追いついていなかっただけです。

 

また別のクラスを取っていた時、授業の後、香港からの留学生の友人と質問に行きました。すると先生が「それはあなた達の言葉の問題でしょ!アメリカ人の学生に聞きなさい!」と言われました。アメリカ人も分からなかったから聞きにいったのに…

 

社会人になってからも、生活上の様々な知識、例えば健康保険、銀行、退職金、税金の払い方など、たくさんの分からない事がありました。アメリカ人なら親や親戚などから教えられている事も、私にはその知識はなく、良い銀行とか、節税の知恵もないわけで、インターネットもなかったので、一つ一つを人に聞いたり、調べたり、手探りでやってきました。アメリカに住んで仕事をするという権利を得るまでも、長い年月、労力、出費がかかりました。社会的地位を保つにも、アメリカ人以上に努力しなければなりません。

 

最近では、コロナの影響で東洋人が疎まれ、日本人にまで影響が出る事があるので、気を使います。

 

アメリカに来て思いました。自分の国でマジョリティーとして生活し、権利が保証されているというのは、すごい事です!

 

しかし、この状態がいつまで続けられるのか、私は日本に対して少し心配しています。

 

前回も書きましたが、最近の日本は学力や、世界大学ランキングで下がる傾向にあります。一方、アジアの別の国々の大学が上がってきています。日本の地位が下がるという事は、世界の中でリーダーシップが取れなくなるという事で、つまり、他国が日本に対してリーダーシップを取ってくるということになるわけです。

 

今まではアメリカが世界的なリーダーで、民主的なリーダーシップをとってきました。

 

でも今や、全く違う価値観を持った国も力を増しています。

 

最近その国の政府がしている様々な事は皆さんもニュースでご存知でしょう。

 

去年その国に仕事に行った私の同僚は、「バスの座席の間にも監視カメラがあった。いつ誰が聞いているか分からないので、話す事は常に注意していた。」と言っていました。

 

また、そこから多くの人達がアメリカに来ていて、中には、台湾人などのキリスト教会に、監視のために訪れる人達もいるそうです。(数人から聞いた情報です。)

 

この政府は日本に対しても力を及ぼしてきています。私達は彼らと対等に話せる語学力と交渉力が必要です。経験的に彼らを知り、コミュニケーションを取れなければなりません。

 

私はその国から来た留学生を何人も教えてきました。今もいます。皆とても良い、熱心な学生達です。同僚もいます。仲良く仕事しています。ただ、政府は少し違う気がします。

 

また、それ以外の世界中の国々のバランスが不安定になってきています。

 

日本が現在の自由と権利を守るためには、まず、学力、語学力、見えない学力、を付けなければいけないと思います。そうしなければ、いつの間にか、私達はマイノリティーとして生活しなければいけなくなるのでは…と心配します。

 

この記事が大袈裟で、心配し過ぎであれば良いな、と思います。でも肌感として感じるので、少しですが、シェアさせて頂く事にしました。

 

 

学力、語学力、見えない学力、に関しての過去の記事は以下からどうぞ。

下差し

 

 

 

ちなみに、アメリカ式の世界地図はこうなっています。日本の世界地図と比較し、見た目だけでなく、世界観も変わる気がします。このような小さな事にもその国の価値観が反映され、マイノリティーの人々はそれに従う事になります。

下差し

 

 

 

河村まなみ