嵐の前
ユリカを甘やかしてばかりでは、いけないとはじめに、気が付いたのは、祖母のカズミであった。老人会に入ったり、孫や娘の犬の世話を楽しんでいた。孫可愛さあまりついつい「買って!」と言われると買ってしまう。もちろん、祖母のカズミが気づくくらいなので、母親のエリカは気がついていたのだが、ツバサはアヤカと寄りを戻した時から、自分とアヤカの関係を許してもらうために、ユリカにオモチャ、エリカに宝石を買い与えていた。ユリカは、無邪気に喜び、エリカは腑に落ちないが、これ以上、離婚はしたくない上に、ユリカにお父さんは必要だと思い、宝石を身に付け、喜んでいる振りをした。だが、これでは、済まされない。
2度目の間違い
幼きユリカ
あれから、3年の月日が過ぎた。3歳になったユリカ。的成家の一人娘として、またカズミとユウジの初孫でかつ一人孫として、また、子供のいないアヤカとカツヤにとっては、子供代わりの存在として、可愛がられた。たくさん食べて体も大きく、オム ツも外れ、保育園では、たくさん友達も出来、保育園の温水プールで泳ぐことが何よりも楽しみだった。また、七五三も両親だけでなく、カズミとユウジとアヤカとカツヤも一緒に行き、お祝いをした。明るく元気で、カズミの小さかった頃に似ていて可愛いユリカ。お宮参りからはじまり、七五三も盛大に。エリカにとっても、自分の母や姉がいることで、ユリカが具合の悪い時も仕事を休まずに済むのは良かった。しかし、甘やかされ過ぎで我がままになってしまったユリカ。エリカとツバサは特に手を焼く。そして、もっと問題なのは、自分の生まれた境遇を知らないこと。知った時には・・・。なおかつ、大人達にも問題が・・・。一体、どうなる?
再出発
2035年5月、初夏の日差しが照りつける日、ユリカは、予定日より1ヵ月遅れで、的成家の長女として、また、カズミとユウジの初孫として生まれた。”ユリちゃん”と呼ばれ、エリカとツバサとカズミとユウジはもちろん、正式に結婚した子供のいないアヤカとカツヤにも可愛がられた。1ヵ月遅れで生まれても、健康に問題はなく、エリカの母乳をたくさん飲んで、すくすくと育った。そして、ユリカが生まれて半年が経ったある日、エリカはユリカをベビーカーに乗せて買い物をしていると、かつての職場で一緒だったフランス人の女性講師を再会し、話しをする。彼女は、エリカより5歳年上で、エリカが入社した当時、その講師は日本人の元生徒の子供を妊娠し、結婚することになり、辞めていった。しかし、講師との結婚前夜に、旦那になる予定の元生徒が蒸発してしまい、彼女はシングルマザーとして、今、5才になる男の子を育てていると言うことを知った。そして、彼女は今、自分で会話教室を経営していた。エリカも深く同情し、自分の事をすべて話す。これを聞いた彼女も深く同情し、自分の会話教室で働かないかと、エリカを誘う。エリカは、ユリカがまだ、小さいので戸惑ったが、近所に母や姉もいるので、万が一、保育園に入れなくても、ユリカを見てもらえるので良いかと思い、働くことにした。そして、ユリカも運よく保育園に入れた。保育園のお迎えはカズミが、やる事になった。保育園にもうまく適応できたユリカだが、エリカがいつまでも、母乳をあげてるせいでユリカはなかなか乳離れできない。早く、断乳しろとカズミは言うが、エリカは、「母乳あげるとダイエットになるから。」と、言い、反論した。1ヵ月以上長く、妊娠していたため、産む前には、10キロ以上、太ってしまったエリカだが、ユリカの大盛な食欲で、独身の頃のスーツも楽々着れた。そんな2人を見て、アヤカは客観的に、「少しは、譲ったらどう?」と言い、2人からは、関係ないと言われる。しかし、ユリカの誕生により、親子の仲も元に戻りつつあるようだ。
孫誕生
嵐がきた
移住3
一方、アヤカは、カツヤが大学入学以来、住んでいる一人暮らし用のアパートで同棲していた。約半年後、結婚すると言うのに、このままでは酷過ぎるので、どこかに移りたいと思っていた。特に、2人とも動物を飼いたかったので、田舎が良かったが、通勤にも便利な所はなかなかなかった。しかし、2人も、両親のカズミとユウジ夫妻、妹のエリカとツバサ夫妻と同じ番組を見て、東京の瑞穂町に移り住むことにする。おまけに、3夫妻は、カズミとユウジのうちを中心に、右に三軒でアヤカとカツヤの家、左に三軒でエリカとツバサの家だった。みんな引越してみて驚く。しかし、2人の娘に関して、カンカンだったカズミが、「ご近所は、仲良くしないとね。」と、他人同士ような言い方だったが、彼女達を許してきたような発言だった。もっと、問題は、ツバサとカツヤ。特に、カツヤは、ツバサに合わす顔がない。しかし、ツバサの方から、「男の兄弟同士仲良くしよう。」と言い、場が和む。アヤカの事に関して、平謝りだったカツヤ。しかし、ツバサは、「オレの方が、よっぽど悪い。」と、カツヤをまるで責めなかったので、2人も少しづつだが、久しくなっていく。だが、問題なこれからだ・・・。
移住2
一方、エリカは、ケンヤと離婚した後は、ツバサと同棲し、身重であったが、仕事を続けていた。だが、次の年の3月、妊娠8ヵ月になったエリカは、「子育てに専念したいので、辞めます。」と、他の講師や生徒の前で言って驚かせた。本当は、エリカは仕事を続けたかったし、ツバサも仕事を続けてほしいと思っていた。しかし、他の講師や生徒は、当然、エリカはケンヤの子を妊娠したと思っていて、「生まれたら、フランス語を教えるのですか?」と聞いてくる。どうしても、このことは、話せないので、惜しまれたが辞めざる得なかった。(しかし、噂は伝わるもので、その後、みんな知り、驚く。)そして、エリカとツバサは、引越しをしようと考えていた。ケンヤと共同で購入したマンションは、ケンヤの名義なので、ユカに住まわれてしまった。なので、エリカは、姉夫婦が生活していた家に、ツバサと2人で住んでいた。ツバサも、何とかして、エリカと生まれてくる子供と3人で住める家を探したが、なかなか見つからなかった。しかし、たまたまエリカと2人でテレビを見てると、東京の瑞穂町に良い物件を見つけ、応募したら当選して住むことに。喜んでいるエリカとツバサ。しかし、その家は、両親のカズミとユウジの家の3軒隣りであった。大丈夫なのか・・・。