片耳難聴気づいた日
私は幼い頃から落ち着きのない子供だったそうです。
親の言うことも聞かず、走り回ってばかり。
なぜこの子はこんなにも落ち着きがないのか、悩むほどであったと母は言っていました。
元気すぎるわがままな子、それが私に与えられたレッテルでした。
そんな状態に転機があったのは、小学校の入学前検診でした。
私は覚えていませんが、母はお医者様に「この子、片耳聞こえていませんよ。」と言われ、初めて発覚したそうです。
そこからは私は「片耳が聞こえない子」というレッテルに変わりました。
それでも、普通の子と変わらず過ごしていました。
席替えの際は、先生に「聞こえないと嫌なので前がいいです。」と言って前の方に座らせてもらっていました。
それも、小学校中学年まででした。
片耳難聴が辛かったのは、授業中よりむしろ日常のことでした。
聞きたくない悪口がなぜか聞こえてしまい、日常会話では何度も聞き返してしまい煙たがられました。
小学校5年生の時、クラスメイトに「ほんとに耳が聞こえないのか」と問い詰められたことがあります。悔しくて、悲しくて、寝たフリをするように顔を伏せて泣きました。
無理やり顔を上げさせられそうになりましたが、抵抗してその日は終わりました。
この日のことは今でも鮮明に思い出します。
この日以来、私は「片耳難聴」であることを、周囲の人に言うのはやめました。