「どうやって死ぬかはお教え出来ません。ただ
あと1日ほどであなたは亡くなります。


私はあなたの様な方を死者の世界に連れて行く
役目をしています。あなたはちょうど100の人目
です。




私はこの任務が無事終了すると、卒業出来るのです。





「卒業?」







「そう卒業。」






「‥‥‥‥。卒業ってことはもうやめちゃうの?」





お兄さんは微笑んだ。






「とにかくあなたの最後の1日。
やりたいことをやって下さい。私は約束違反が
ないかに立会います。」






「えっ?ついて歩くつもりですか?」









「大丈夫。他の人には分からないよう、私は
姿を消すことも出来ます。」






そう言ってお兄さんはみるみる薄く、透けるように周囲に溶けてみせた。




私は実態のなくなりかけたお兄さんの姿に
あせって






「わ、分かりました。あー消えないで。」







お兄さんは、人懐こい笑顔で微笑み、すぐに元に戻った。






「さあ、行って。
あなたの行くべきところへ。もう時間がありません。」








私の行くべきところ‥‥‥。







そして最後の1日がはじまった。








ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザ









あなたなら最後の1日どうやって過ごしますか?