海こえ山こえ国こえて♪
サンブラス諸島

コロンビアのカルタヘナからサンブラス諸島を経てパナマ本土へ向かう1週間の船旅はある意味予想通り、なかなか過酷なものとなった。

以前メデジンの記事でも触れたようにコロンビアとパナマ両国には基本的に陸路での出入国はできない。そして今回選んだ船での移動も定期便など無く、セーリングボートや小型クルーズ船を所有している人たちが個人ビジネスとして行っているのがほとんど。そしてその船に乗ってパナマを目指す乗客は書類上、客としてではなく船の船員として登録され連れて行かれるのだ。

そんな中で今回私達が乗ることになったのはトルコからアメリカに移民し、現在はカリブ海で生活しているドルソン夫妻の「ドルフィン・ソロ」と言う船。なぜその船にしたかというと、ただ日程的にそれが一番良かったからだけだった。
その船はセーリングボートにエンジンが付いてる小柄な船で夫の船長ことキャプテンのドルソン曰く「なかなか早くて快適だぜ!」と言う言葉とは裏腹に、速さより快適さを求めたい私としては始から嫌な予感を感じさせる船内の様子だった。

海こえ山こえ国こえて♪
キャプテンは至って陽気

まず出港早々、船内唯一のトイレが壊れた。カルタヘナから最初の目的地、サンブラス諸島に着くまでの30時間のノン・ストップの船旅の間、悪臭を放つトイレに私含めた8名(英国、ドイツ、ルーマニア、南アフリカ出身)のクルーメンバーも皆閉口した。
そして沖に出てからは船酔いで狭いベットに横になるもエアコンなど無い船内は暑い上、波しぶきが船内に入らないように窓を閉められるので恐ろしいほどの蒸し風呂状態となっていった。
その上、船の操縦は好きだけど掃除はあまり(いや、きっと全くもって)好きではないキャプテンの奥さんのお陰で船内の環境はますますカオスと化していった。

それでも何とか吐かずに辿り着いたサンブラス諸島は、これぞ南の島!と思わせる素敵な島が多く、泳いでいける範囲に小島が沢山あり、丸2日ほどのんびりそれらの島巡りが出来た。

海こえ山こえ国こえて♪


島の中にはパナマの先住民族・クナ族の家族が住んでいる所もあり、漁を生業としている彼らからロブスターなどの魚貝類を買い、島で晩餐会を行ったりした。

海こえ山こえ国こえて♪

海こえ山こえ国こえて♪


しかしこの後、キャプテン夫妻までもが羽目を外して飲み騒ぎ、ボートに帰ってもパーティーは続き、やっとお開きとなったのが夜中の3時半。。船の上では逃げ場が無く、眠くなってもそこから抜けられないのは正直腹が立った。

そしてサンブラス諸島からパナマ本土のまでの移動もこれまた船酔いと蒸し風呂の暑さとの戦いとなり、小さな港町ポルトベロに辿り着いたころはもうゲンナリ。

5日間もシャワーも浴びれず、海水につかり続けた私達としてはもう一刻も早くまともな宿に移動しゆっくりしたかったのに、キャプテンのせいでその日は入国スタンプが押せてもらえず、クルーメンバー全員が指定された綺麗とは言えないその村の安宿に放り込まれた。。

その晩キャプテンたちが船へと引き上げた後、クルーメンバーでの大批判会が行われたのは言うまでもない。「自分達は貧乏くじを引いたのだ・・」というのが私達のその結論となった。

やはり日程に余裕を持ち、船選びは慎重にしなければならない。
これが私が今回得た教訓です。