はじめに

昔、私が金髪にした時のこと。

おばあちゃんに、ものすごい剣幕で怒鳴られた

「お前はパンパンだ！この恥かきが！」

「日本の女は黒髪が一番だ！」

当時はただショックで、

“なんで髪の色でこんなに怒られるの？”

と思ったけれど、今になってその背景が見えてきた。

「パンパン」という時代の言葉

戦後すぐの昭和20年代、

日本には進駐軍の兵士たちがたくさんいて、

その相手をしていた女性たちを

蔑称として「パンパン」と呼んでいた。

その頃の世代にとって

「金髪＝外国」

「派手＝不良」

つまり、“金髪は道を外れた女性の象徴”

だから祖母にとっては、

私が金髪にした瞬間、

「家の名誉が汚された」と感じたのかも…

「家の恥」という呪文

昭和を生きた多くの女性たちは、

“個人”より“家”を優先するように育てられた

嫁ぐ家、親の顔、近所の目──

すべてが自分の行動を縛る基準だった

だから祖母の中では、

「派手なことをする＝家の恥をさらす」

という考えが根深かったのだと思う

けれど、それは祖母自身が悪いわけじゃない

そうやって生きる術として社会に刷り込まれた価値観だったのだと思う

令和の今、私たちはどう生きる？

時代は変わった

髪の色も、ファッションも、働き方も、

もう「恥」ではなく「個性」になった

私はいま、美容の仕事を通して思う

“自分の色で生きること”は、

誰かを勇気づけること

誰かが「いいな」と思う姿は、

きっとその人自身の“心の栄養”になるから。

おわりに

おばあちゃんの時代は、

黒髪が秩序で、金髪が混沌だったかもしれない

でも今は、

「どんな色も、あなたの人生を彩る光」

あの頃の私が怒鳴られた金髪も、

今では「自分を取り戻すひとつの選択」だったんだなと思う

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金髪にしたらパンパンだ！と言われた日