先日、某テレビ局で「こんまり流片付け術」について密着したドキュメント番組の放送がありました。
私はなんとなくチャンネルを合わせたのだけど、気づけばいつのまにかその内容に引き込まれていました。



『人生がときめく片付けの魔法』の著書で話題の近藤麻理恵さん、通称「こんまりさん」の片付けメソッドは、今や日本にとどまらず、世界中で注目されています。「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれたこんまりさんは、現在はアメリカに拠点を置いて片付けメソッドの講習を行っています。
私は実際に本を読んだことはないんですが、メディアで何度も取り上げられていた方なので、なんとなく概要は知っていました。ただ、日本で話題になるのと同じように海外の人々にも響いているということに、少し驚きもありました。



けれど、講習に参加されていた外国の方が言った「彼女の教えは人生哲学」だという言葉に納得させられます。
こんまりさんの片付け術は、ただの整理整頓の方法論ではなく、生き方そのものを見つめ直すもの。だからこんなに多くの人の心に訴えるものがあるんだと理解しました。



番組では、物で溢れた部屋を片付けるために、こんまり流片付けコンサルタントの方が依頼主をマンツーマンでサポートしていく様子が映し出されていました。
片付けを行う中で依頼主から語られる言葉にはっとさせられます。
ある方は引きこもっていた時期があったり、ある方は親との確執があったりと、依頼主によって内側に抱えていることがありました。
物が溢れる、片付けられない、その根っこには心に関する問題がありました。



「これってカウンセリングみたいやね。」
一緒にテレビを観ていた旦那さんが言います。
うん、ほんとにそうだ。



こんまりさんは、片付けは「人生の棚卸し」だと言い、片付けを行うことで「自分の人生の価値観が見えてくる」と語ります。
こんまりさんの片付け術は、物と向き合うことが、自分の心と向き合うことになると伝えてくれています。



「捨てられない理由は2つ」とこんまりさんは言います。



「過去への執着」と「未来への不安」。



いつか着るかも、いつか読むかも、という「未来への不安」から捨てられないものたち。
今はもう着られないけど、この服にはこんな思い出があって…、という「過去への執着」から手放せないものたち。
これは「今」の自分にベクトルが向いていないことを同時に表していました。



「今の自分がどう感じるか」
これが大切だとこんまりさんは言います。



よく「内にあるものは外に」「望んだことが現実になる」と言うけれど、潜在意識が、形になって現れるとすれば、目の前に溢れた「物」たちは、自分の内側から形となって目に見えるように現れたものだとも言えると思います。
丁寧に物と向き合うことは、自分自身の心と向き合い、自分を理解することにつながるのだと感じました。



依頼主の方が片付けを行いながら涙を流す姿は、自分自身の心と向き合い、感情をしっかりと感じ、癒されていく姿に見えました。



目の前に溢れる物たちは、自分の内側を目に見えるよう、分かりやすく表してくれているんだと感じます。



自分の本心が分からない、人生でやりたいことが見つからない。
もし今そう思っているのなら、まず目に見える物と向き合ってみるのも自分を理解する方法の一つかもしれません。




“HDIGABTT?”