ロシアンスナイパー(2015・露、鵜) | まなぶんの戦争映画辞典

まなぶんの戦争映画辞典

これまでに見た戦争映画について、戦車などの軍用車輌、ヒロインの写真で紹介していきます。また、ナチス役などの個性的な俳優についても紹介します。BD、DVD、VHSで保有している全ての戦争映画を掲載するのが目標。コメントお待ちしています!

ロシアンスナイパー(Bitva za Sevastopol)

 

監督 セルゲイ・モクリツキー
出演 ユリア・ペレシルド、エフゲニー・ツィガノフ、ジョーン・ブラッカム、アナトリー・コット、オレグ・ドラック、ヴィタリー・リネツキー

ソ連の実在の女スナイパー、リュドミラ・パブリチェンコのセバストポリにおける戦いを描いた作品。1941年ナチスドイツはバルバロッサ作戦を発動しソ連に進攻。キエフの大学生リュダ(ペレシルド)は、射撃の才能を見いだされてスナイパーとしてオデッサ防衛の戦線に立つたのだが・・・。

序盤のオデッサ防衛戦線のシーンに改造3号戦車が登場、なかなかの再現度です。ベースの車輌はBMP-1の可能性が指摘されています(コウ中村さん)。

足回りの再現も素晴らしいです。CGじゃないですよね。

さらにアップで。砲塔の作りは少し野暮ったいかな。細部をあまり良く見せてくれません。

リュダに射殺される寸前の将校。左の砲弾と右の構造物からカール自走砲ではないかと思われます。この部分だけのプロップでしょうけどセバストポリにカールとは嬉しい演出ですね。

このトラックはZISですね。GAZと並んでソ連軍の主力トラックでした。

リュダたちがオデッサから海路セバストポリに向かうシーンでは航空戦になります。メッサー109はCGですがなかなか。

迎えうつポリカルポフI-16です。こちらもCGですが登場作品少ないから嬉しいです。

ラスト近く、セバストポリからの脱出シーンに登場する潜水艦。型式とかは詳しくないので分かりません。

ヒロインはもちろんリュダ役のユリア・ペレシルド。気が強そうな美人さんで結構タイプ。左は親友のマーシャ(ポリーナ・パコモヴァ)。

アメリカで演説するリュダ。309人のドイツ兵を射殺しソ連邦英雄になりました。ソ連や英国などが欧州で戦っている中で武器などの援助にとどまっているアメリカに向かって「隠れていませんか」と呼びかけます。アツいシーンです。

リュダと懇意になるルーズベルト大統領夫人エレノラ(ブラッカム)。この作品を見るまであまり知りませんでしたが、かなり政治的なことをしてたんですね。

悪いドイツ軍とかは出ません。リュダたちの標的になるだけ。彼はドイツ軍の一流スナイパーのオット。リュダは結婚式の写真を見つけてむなしくなります。

戦後、フルシチョフとの約束をすっぽかしてリュダとリュダの息子と一緒に「椿姫」を見るエレノラ。「椿姫」はオデッサのシーンでも登場。序曲が流れつつエンディングになります。ヴェルディの「椿姫」大好きなオペラです。

 

(寸評)

あまり期待せずに見ましたが、丁寧に作られていて面白かったです。1942年のアメリカと1941年のウクライナを交互に描くのも混乱なく見れます。戦闘シーンもおとなし目でリアリティがあります。近年の戦争映画では上位の作品かと。リュダが恋する男たちの運命は悲しすぎますが、実話なのかな?

(評価)☆☆☆★(5点満点)   *DVD