山に登り、
火をおこし、
皆でスープを作って食べる。
ひとつぶてんとう園(ひとてん)は、
そんな活動を続けている自主保育の場。
12月6日のまなぶくらすカフェは、そんなひとてんの皆さんとのおはなし会でした。
私が、
「シュタイナー教育では、
地水火風にふれることを大切にしています。」と話したら、
ひとてんで育って、卒園していった子どものお母さんが、こんなことを話してくれました。
「本当に、地水火風、すべてにふれることができて、すごく豊かな経験ができた。」
就学前の7年間は、人生の土台となる体をつくる時期。
世の中でいう早期教育は、やれば効果は目にみえるけど、この時期は、葉を繁らせ、実をつける時期ではなく、木に例えるなら根っこを伸ばす時。
根っこは、土にかくれて、目にはつきません。
でも、この根っこを大きく張れるかが、その子のその後の人生に大きく関わってきます。
子どもの根っこをはぐくむのは、
体を使った体験、
五感を総動員して味わう体験。
その体験は、やがて学齢期になった時に、
ことばや数という知識に結びつきます。
もうひとつ、ひとてんで大切にしているのは、
「見守る」
というスタンス。
「放置」と「見守る」は違うよね、
という話も出ましたが、
見守りの中で、子どもは安心して自分の芽を伸ばします。
「見守り」で自分が出せるようになるのは子どもだけではありません。
お母さんもまた、
ああしなさい、こうしなさい、
という「指導」のない場では、
自分軸で生きられるようになっていきます。
そして、
お母さんが自分らしく生きていたら、
子どもも安心して、
自分らしくいられるのです。
私も滋賀に来て、自主保育に参加して、
そこでの先輩お母さんのゆったりした
「見守り」の姿勢に、
「こうあらねば」という気負いがゆるんで、
どんどん子育てが楽に、楽しくなっていきました。
きっとひとてんコミュニティも、そんな風に機能してるんじゃないかと思います。
《きしだめいこ/まなぶくらす》