まなぶくらすで、サークルというものを始めました。
オランダのイエナプランの学校で実施されているものを参考にしました。
参加者は円になって座り、話す人は話し、聞く人はそれを聞いて、質問したいことがあれば話が終わってから質問します。
話のテーマが決まっているときもあれば、ないときもあります。
9月11日にはじめてサークルをやってみました。
テーマは、灰谷健次郎の「兎の眼」。
小4の長男が、「この本、おもしろい」と言うので、どういうところがよかったか聞いてみました。
息子はまだ感想を要約できないので、よかったところを音読していました。
(ちなみに息子が選んだ箇所は、「8章・わるいやつ」と「14章・泣くな小谷先生」、「21章・ぼくは心がずんとした」です。気になる方はぜひお読みください!)
そして、「子どもたちが生き生きしている」、「こんな授業がいい」と言っていました。
なかなか普段はお互いの話を聞きあうことがないので、この、サークルでの息子との対話は私にとってもとてもよかったです。
「兎の眼」は、狭いテーマは教育ですが、大きなテーマは「生きることとは?」だと思います。
長男にいいと言われて私も20年ぶりくらいに読み直しました。
私が一番ぐっときたのは、塵芥処理所に住み、ハエをペットにしている鉄三という男の子のおじいさんのセリフでした。
鉄三のおじいさんは、この子を山へ連れていけば虫を飼うだろう、川へ連れていけば魚を飼うだろう、でも、自分はどこへも連れていってやれない、この子はゴミ溜めのここしか知らない、この子がハエを飼うのはあたりまえや…と、鉄三の担任の先生に語ります。
鉄三の担任の小谷先生は、この後、鉄三とともにハエの研究を始めます。
そして、ハエと犬しか友だちのいなかった鉄三は、少しずつ小谷先生と心を通わせてゆきます。
私はこのエピソードから、「どんなところにも学びはある」、「人とのかかわりがあれば、どんなところでも人は生き生きと、よりよく生きられる」というメッセージを受け取りました。
長男が学校に行かないと言い出してから、何か代わりになる教育を…と模索してきた私にとって、これはとても重要なメッセージでした。
よりよいものを外へ外へと追い求めるのではなく、その人の中にあるものを見いだし、支えていくこと。
これから子育てや仕事を続けていく時に、このことを忘れないでいよう、と思いました。
次回のサークルは9月25日[月]10時半からお昼頃まで、残りたい方はお弁当持参でお願いします。
参加費はお試し価格500円です。