巻物は縦書き横スクロール | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」

マンガやアニメをテーマにしたZoom集会に参加した。

参加者は漫画家さん、アニメ監督さん、某有名アニメ制作会社の社員さんなど、マンガやアニメの仕事に関わる方々が大半。

僕は人に誘われて参加しただけなので、一人だけ門外漢ですいません……という感じである。

その中で、小学校の図書館で働く司書の方が、

「今の子どもたちは、マンガもスマホで読むので、冊子のページをめくるのが苦手な子もいるんですよ」

というお話をされていた。

「ページをめくるのが苦手」という言葉は、ちょっと新鮮でびっくりした。

 

僕らの時代にはページをめくるのが当たり前だったけれど、そうじゃないやり方が出てくると、比較としての苦手意識も出てくるのかもしれない。

「今はページをめくるんじゃなくて、スクロールで読むんですね」

という話をしていたら、ある方がこうおっしゃった。

「巻物と一緒じゃん」

確かに。

巻物は縦書きの横スクロールだ。

「スクロールで読む」イコール新しい文化と思っていたが、昔はむしろそっちが主流だったのではないか。長文とかの場合は。

新しいテクノロジーが、むしろ古い文化や作法を蘇らせるということは、ときどきあるのかもしれない。

僕らは「巻物を読め」と言われたらちょっととまどうけれど、今の子どもたちだったら、「ああ、横スクロールね」とすんなり読めてしまうかもしれない。

そういうことが起こるのは、やっぱり人間の身体の基本構造そのものは変わっていないからだろうか。

 

そう考えれば、近いうちに巻物ブームが到来することは間違いなさそうだ。(←たぶん間違い)