デートやレジャーの定番スポット「水族館」。
しかしよくよく見てみると、
この「水族館」という名前は、
ちょっと不思議だ。
「動物園」は、「動物のいる園」。
「美術館」は、「美術(作品)のある館」。
では「水族館」はどうか。
「水族のいる館」である。
……水族って何?
辞書によれば「水族」とは、
「水中にすむ動物。水生動物。」
とのこと(三省堂『大辞林』より)。
……まあそうかもしれんけど、
なんとなく納得がいかない。
だって僕らはふだん
「水族」なんて言葉を使わないではないか。
正直なところ、
そんな言葉があることすら知らなかった。
水族があるなら、
火族とか土族とか金族とか木族とかもありそうだが、
そういうのはどうもないらしい。
裸族はあるのに。
いずれにせよ、
これから「水族館」に行く時は、
「自分はこれから〝水族〟を見に行くのだ」
ということを強く意識した方がいい。
なんとなく僕らは
「魚」を見に行く気分でいたが、
それなら「魚類館」でよかったはずだ。
でも「魚類だけじゃない」というところに、
「水族館」のネーミングの
深い意図があるのではないか。
若いカップルが二人で「水族」を見に行く。
なんとなくシュールな感じを受けるのは
僕だけだろうか。