筋トレを始めてから、
明らかに食事への意識が変わった。
これまではお昼の時間になっても、
それほどおなかがすいていなかったら、
「まあいっか」と食べずにいることもあった。
しかし、筋トレを始めた今は違う。
「俺はおなかすいてないけど、
俺の筋肉がエサを求めている……」
という具合に、
きちんと栄養になりそうなものを
決まった時間に食べるようになったのだ。
これは一種の「自己の客観視」である。
自分のことを客観的に見ることは意外にむずかしい。
そのせいで、
「本当は規則正しい生活をした方がいい」
とわかっていたとしても、
「まあいいか」とほったらかしてしまう。
ペットを飼っている人はよくわかるのではないか。
自分の健康よりも、ペットの健康の方に
力を入れている人はけっこういると思う。
そして自分のことは棚に上げてしまいがちなのである。
しかし筋トレをして筋肉に意識が向くと、
自分の中に「筋肉」という他者が発生する。
そしてこの「他者」の世話をやくことが、
結果的に自分の世話をやくことにもなり、
自分の生活の質が向上するのだ。
そしてその筋肉は、一種の「自然」でもある。
いくら強い意志を持っていたとしても、
「超回復」には必ず一定の時間が必要だ。
それは、どんなに頑張っても天気は変えられないし、
自然災害はいずれやってくることと同じだ。
筋トレは人間の「内なる自然」に気付かさせくれる。
それは自然と人間のつながりを回復させる
大きな契機になるはずだ。