僕はトマトが苦手だ。
だから外食をするときも、トマトがついてくるようなものは極力注文しない。それは自分のためであり、トマトのためでもある。
ところが、全く予想しない形で、トマトが目の前に現れることがある。
先日、知り合いと一緒にそば屋に入った。
とっても暑い日で、「ここは涼やかなものが食べたいなあ」と思い、そうめんを注文した。
「お待たせしました〜」と運ばれてきたそうめんの上には……
真っ赤なトマトが鎮座していた。
「おい!なんでお前がこんなとこにおるねん!!」
しかしヤツを見ていると、冷たい水にひたって、とっても気持ちよさそうだ。
「そうか、お前も暑かったんやな。それでそんなところに……」
トマトの気持ちを理解した上で、さっそく知り合いにトマトを食ってもらった。
素麺は最高に美味しかった。