
中学生の生徒が宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」を読んでいます。文量が多いので、読んでから400字の要約を書くのに2日はかかりました。
できあがった要約を読むと、そこには"本文を普通に解釈"した場合と正反対の内容が書かれていました。
本文を読むと、明確ではありませんが、大抵の人が一つの結末を想像できるような書かれ方をしています。
生徒に確かめると、結末直前の大事な部分は正しく理解していました。ところが、本人曰く
「その部分を読んで、『こうなったのだろう』と(本文とは異なる)想像をしてしまい、後の文章が頭に入ってこなかった。」
そうです。
"読解が苦手"と評価される生徒にはよくあることではないでしょうか。
読書では、本文に書かれていない内容を想像で補いながら記憶します。ところが、読書を終えて後から話を思い出す時、想像で補った内容について本人が正誤を判定することは、なかなかできるものではありません。
文意の取り違いをなくす一番良い方法は、まず自身が「間違って解釈することがある」ことをよく認識することだと思います。そして、後から本文を読み返す際、想像した内容が正しいのか何度も検証を繰り返すことだと思います。