「美術による学び研究会2013 in別府」大会公式ブログ

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「美術による学び研究会2013 in別府(大分)(第8回鑑賞教育フォーラム)」のブログです。(Yahoo!ブログの終了に伴い移転しました)

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記事の順番は大会内容と前後しますが、オークションのワークショップが行われた後に、由布市由布川小学校教諭の首藤政秀先生より、音楽と図画工作を併せた鑑賞授業の実践発表が行われました。
 
今回は、発表者の首藤先生に発表の要点をまとめていただきました。
 
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1.絵からオノマトペへ
 (1)アートカードを選ぶ
     班で、アートカードを1セット準備、班内でダブらないように絵を選択
イメージ 2
 (画像は大会会場に展示されたアートカード。大分県美術鑑賞授業力向上事業で作成したものです。)
  ↓
 (2)どこから、音がきこえてくるかな? 
  ・パーツ
  ・全体
  ↓
 (3)何が聞こえてくるかな              
  ・具体的な音
  ・抽象的な音
 
 *オノマトペで表現するときの注意事項
    ・同じことばの繰り返しはなるべく避ける
    ・これまでに聞いたことのない、オリジナリティーのあるものを
 
ここでの作業は、大会会場の壁面にワークシートを掲示いたしました。
イメージ 3
(撮影者:加藤浩司)


2.オノマトペから音(音楽)
 (0)日常生活、学習での音楽体験 (※日頃から音楽体験を多くさせているようです)
  ・多くの楽器に触れさせる
  ・リズム遊び、和音遊びなどの音楽遊びを多く体験させる
  ・いい音楽をたくさん聴かせる(鑑賞の会など)
  ↓ 
 (1)音選び~絵に会う音はどんな音かな
  ①きんきんとした音→鉄の音→鉄琴などの金属的な楽器
  ②やわらかい音→木の暖かさ→木琴、弦楽器など木の素材
  ③激しい感じ→打楽器のイメージ
  ④今まで聞いたことがないような音→キーボードの音色を変化させて
  ↓ 
 (2)音作り
  絵の部分毎に、イメージの音を考える。複数いるところはそれを組み合わせる
   ↓
 (3)作曲
  ①形→音  ⑰佐藤亜土<Institut Hotel-Violet> (プーシャカシャカ)
       ⑯脇正人<97 風景>            (ドッカンゴロゴロ)雷
  ②色→音 ⑬菊畑茂久馬<海道(十三)>  (ザブーンザブザブザブーン)海
  ③色+形 ⑱古長康典<呟き(赤R-1)>  (ブニョブニョ)くちびる
  ④全体→リズム ⑦宇治山哲平<煌>      (くるくるくるコロ)
         ⑮佐藤敬<人間の壁(白)>  (キラキラ)
  ⑤全体的印象  ②糸園和三郎<春夏秋冬(冬)> パソコンの中みたい
  ⑥メロディー  ⑧宇治山哲平<歓>(ピーシャラピシャラパパンテクテン)
         ⑨宇治山哲平<天華> (クッポンカッポン)
  ↓ 
 (4)変化学校にある楽器を使って、会期中会場で流す映像を録画したバージョンから、
   ギャラリートークの演奏をするために、持ち運べない楽器は外し、メンバーの
   組み合わせをして曲を再構成
 
  *人との関わり合いで…
   ・曲を足し算的に変化させたもの
   ・別の楽器に持ち替えたもの
   ・新たな解釈を見つけたもの
 
  *繰り返し演奏する中で…
   ・ぎこちなかったものがスムーズに
   ・リズムがより鮮明に打てるようになった
   ・曲の長さが伸びた
   ・終わり方が上手になった
 
  *本物の絵を鑑賞したことで…
   ・音楽表現が大きくなった
   ・より気持ちが入った演奏になった
   ・なにより、絵の大きさ、質感に感動した
   ↓
 (5)ふりかえり(児童たちから出てきた感想)
          ・絵から音楽をつくるのは大変だったけど楽しかった
          ・本物の絵があんなに大きいのでびっくりした
          ・こんな図工の時間は楽しいと思った
          ・美術館で演奏できたのでうれしかった
          ・インターネットでも紹介されているのですごいことをしたと思った
          ・もっと色んな絵を見てみたいし、もっと色んな楽器にもさわってみたい
 
イメージ 1
(撮影者:佐々木紅音)
 
 
3.「共」感覚の可能性
   絵(視覚)→音(聴覚)
            →におい(嗅覚)
          視覚  大きい・太い     小さい・細い 
          聴覚  低い音        高い音 
          嗅覚  あまい        からい
 
 
 
4.二項対立(C.レヴィストロス)による人の認識
   人は物事を認識するとき、大きく2つの相対するものに分類する
    A or B その中間的なものは①神聖化されるか、②忌み嫌われる
   Ex:キツネの嫁入り  天気    晴れ    雨
                        きつね   人里    山間
                       嫁入り   A家    B    どちらにも所属しない
    Ex:動物のアルビノ  白い蛇、白い生き物=神の使い
   2つの相対するものを比べてはっきりするもの、はっきりしないものの存在
   →はっきりしないもの→混沌としたもの(カオス)
 
 
5.人間がその中心世界から疎外されてきた歴史 
  (1)ベニスの商人・・・ものの価値はその土地や文化で異なる 
  (2)地動説・・・天動説から  当時のキリスト教社会 神がいる場所 
  (3)進化論・・・人間は猿や、チンパンジーと似ている 進化のルーツ 
  (4)無意識・・・フロイトの発見 人間には自分でコントロールできない無意識の領域がある
    そしてこれに次ぐ、第5の疎外として、二項対立による認識ではないカオスとしての認識が存在するのではという提起 
  (5)二項対立による認識→二項対立の外にあるもの、又は融合されたもの(カオス)
 
 
6.まとめ
   分析することが「粋」「野暮」なのか?
言葉にできない要素を表現したものが音楽や美術といった芸術では
それを言葉によって分析するのは、論理付けとしては「粋」だが、言葉に帰納させるという点では「野暮」ではないか?
 
 *ただ今後、他教科、ジャンル、表現方法とのコラボレーションは大いに実験していく価値がある
 
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首藤先生からの報告は以上です。首藤先生、ありがとうございました。
 
なお、こちらの実践は、大分県立芸術会館での平成24年度おおいた夢展覧会プロジェクト「みんなでつくる展覧会」に採用され、平成25年3月19日~3月31日の期間中に展覧会が催されました。
 
こちらの展覧会のパンフレットは以下のリンク先からダウンロードできます。
 
映像もあります。大分県教育委員会 教育庁チャンネル「この絵、どんな音?」
由布川小学校の映像は2:22くらいからです。児童による会場での演奏の様子もあります。