まずはメンバーの馬体評価ですが，圧倒的に飛びぬけているのがアドマイヤモラール．折深みに柔らかなアウトライン，タップリとした懐に，質感の良さと，こんなに人気がないのがおかしいくらい素晴らしい造りをしています．若干の重さというか，仕上がりの甘さは否めませんが，迷わず単勝を購入しました．
そして，その人気のなさの一因として挙げられるのが，なんといっても「キンシャサノキセキ×ニホンピロウイナー」という血統でしょう．リオンディーズやエアスピネルは「キングカメハメハ×サンデー系」，これはもはや主流になりつつある血統構成で，人気は仕方なしと言えます．
しかし馬体を見てみると，上記２頭より遙かに高評価をつけたのがアドマイヤモラールです．父よりもバランスがとれており，かつ柔らかみもあり，東京マイル～２０００ｍ根源では外せない王道タイプです．ここで疑問が湧くのは，父であるキンシャサノキセキは，馬体的にはスプリンターだったのかどうかという点です．馬体を見てみると，アンバランスさに加え厚みはそこそこであり，質感の良さはあるものの根源では狙いにくい馬です．前哨戦の１４００ｍなどでこそ狙いたい造りと言えますね．それが名スプリンターとして実績を挙げ，種牡馬にまでなったという点，このあたりが興味深いです．
馬体は，予想の一因でしかありませんが，こうして親と見比べたり，実績と比較したりするのも非常に面白いものがあります．サクラバクシンオーからのグランプリボスという馬体的名馬の例もありますから，アドマイヤモラールにもグランプリボスぐらいの実績を期待したいものです．