ネタバレ含みますので、閲覧にはご注意ください。
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女の子のお見舞いから撮影所に戻ってきた輝くんと私。
スタジオでは既に打ち上げパーティーが始まっていた。


輝「まなちゃん、ちょっと待ってて」

主役の登場を待ちかねていたみんなに歓迎され、輝くんはその中へと入っていった。
(主役の輝くんを独り占めすることなんてできないのはわかってるけど・・・)
それでもやっぱり、ポツンと一人取り残されるのは寂しかった・・・。



輝くんは楽しそうに先輩の俳優さんたちと談笑している。
(やっぱり輝くんは、私とは違う世界の人なのかな・・・)
そんな今更な感情が私の胸をしめつけた。



スタッフA「やっぱりステキよね、輝くん」
スタッフB「うん、あんなに可愛いのにしっかりしていて、何度もハッとさせられたわ」
スタッフA「そうなんだよねぇ。本番になるとキリッと切り替わる目がたまらない!」
スタッフB「演技しているときなんて、超カッコイイよね!」

(俳優陣だけじゃなく、スタッフみんな魅了しちゃうんだね・・・)

ファンや一般の人はもちろん、仕事関係者たちまでも惹き付ける輝くんの魅力。
そしてその期待に応える輝くん。
あちこちで引っ張りだこの輝くんは、笑顔でみんなと話していた。

(私なんかといるより、撮影仲間といるほうが楽しいのかも・・・)
(あ~あ、もう帰ろうかな・・・)

そう思ってスタジオの出口に向かおうとした時だった。

輝「お待たせ」
輝くんが戻ってきた。
輝くんは私の手を取ると、そのままスタジオから私を連れ出した。


「輝くん、ねぇ、打ち上げはもういいの?」
輝「もう十分。もっと早くまなちゃんと抜け出すつもりだったのにさ」
「・・・私と?最初からそのつもりだったの?」
輝「そうだよ」

「私なんかといるより、みんなといるほうが楽しいのかと思ってた・・・」
輝「ええ?そんなわけないよ・・・」
「私だけ部外者で、なんだか寂しくて・・・」
輝「バカだな・・・」

輝くんはそっと私の肩を抱き寄せてくれた。


「ごめんね、子供みたいに拗ねたりして・・」
輝「ううん、僕こそごめんね、寂しい思いをさせちゃって」
輝「さぁ、行こう。せっかく抜け出せたのに誰かに見つかったら連れ戻されちゃう!」

私たちはしっかりと手をつないで、撮影所から飛び出した。



輝くんは、都心の高級ホテルの最上階にある高級レストランへと連れてきてくれた。

輝「僕の初めての主演映画のクランクアップをお祝いしてくれる?」
「もちろん」

輝「あのファンの子や病院で力をくれた女の子にも、きっと喜んでもらえる作品になると思う」
輝「でも本当はね、誰よりもまなちゃんに喜んでもらいたい」
輝「僕を一番身近で支えてくれていたのは、まなちゃんだもん」
輝「マネージャーの代役なんて、無理な仕事を押し付けてしまったし」


コース料理を楽しむ。


「うわ~、さっきのレストランより更にキレイ!」

部屋に入るなり、正面の大きな窓の外の夜景に釘付けになった。
輝くんは、レストランだけではなく、ホテルの部屋にもリザーブしてくれていた。

窓辺に立ってうっとりと外を眺めていると、不意に背中から抱きすくめられた。

「て、輝くん・・・?」
輝「やっとふたりきりになれた・・・」
輝「ずっとそばにいるのに、なかなか触れることもできなくて・・・」
輝「それがすごくもどかしかったんだ・・・」
輝「みんなの見てる前じゃ、こんなことできないでしょ?」


輝「やっと存分にまなちゃんとの時間を楽しめる・・・」
「ずっと休暇も貰えなかったんだもんね」
輝「もう我慢の限界・・・」

輝くんは、いきなり後ろから覆いかぶさるようにして私の唇を奪った。
後ろを振り返るような格好で輝くんのキスを受ける。
背中から伝わる輝くんの胸の鼓動・・・。
その速さにつられるように、私の胸もドキドキと高鳴っていく。
(輝くんがこんなに激しいキスをするなんて・・・)
後ろからがっちりと羽交い絞めにされ、身動きが取れない。
強くたくましい腕の力に、いつもと違う男っぽさを感じてしまう。
(こういう輝くんも、やっぱり好き・・・)


「こんな窓辺で・・・。誰かに見られちゃう・・・」
輝「こんな高い所を覗き見できるのは、鳥かスパイダーマンくらいだよ」
輝「たとえスパイダーマンでも邪魔はされたくないけどね」

そう言って輝くんは、ひょいと私を抱き上げた。


輝「2人の時間をゆっくり過ごそう」
私をお姫様抱っこしたまま、ゆっくりと寝室のほうへと向かった。


輝「・・・愛してるよ」
輝くんは私をそっとベッドに下ろすと、上から見下ろして言った。
その瞳は、真剣で熱い・・・。
「私も・・・」
輝くんは一瞬だけ微笑むと、また熱いキスをくれた。
輝くんの熱く柔らかな唇が、首筋へと移動する・・・。

「輝くん・・・」
私の口から名前がこぼれると、輝くんは唇の動きを止めた。
輝「輝って呼んでよ・・・、まな・・・」
「輝・・・」
私はそっとその名前を口にした・・・。
輝「・・・ねぇまな、僕たち、もう、いいよね?」
「・・・うん」
私が小さくうなずくと、輝は静かに私の胸に顔をうずめた・・・。


私たちは、お互いをいたわるように、そっとぎこちなく愛し合った。
でも、すごくすごく幸せで優しい瞬間だった。
(輝とひとつになれた・・・。とっても、とっても嬉しいよ・・・)
私は心の底からそう思った。
輝の、意外なほどに男らしい胸に抱かれながら・・・。



ドキドキSUPER HAPPY ENDドキドキ